【レポート】オリンパスプラザ東京 フォトパスファンフェスタ 2018(後編)

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7月22日にオリンパスプラザ東京で開催されていた「フォトパスファンフェスタ 2018」を、前回と今回の2回に分けてレポートしている。

前編ではギャラリーで公開されていたFotopus会員による写真展や、サービスステーションの隣室で行われていたF1.2大口径単焦点レンズシリーズの体験会などをお伝えした。

【レポート】オリンパスプラザ東京 フォトパスファンフェスタ 2018(前編)

「フォトパスファンフェスタ 2018」では写真展やレンズ体験会以外にも、オリンパスの技術者やプロカメラマンによるセミナーが開催されていた。僕もいくつかのセミナーに参加してきたので、後編の今回はその模様をお送りして行こう。

オリンパスオーナーズケアプラス(OOC+) E-M1 Mark Ⅱ メンテナンスパッケージのご紹介

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OM-Dシリーズのフラグシップ機であるOM-D E-M1 Mark Ⅱには、カメラのオーナー向けに特別なサポートプランが用意されている。

オリンパスオーナーズケアプラス(OOC+) E-M1 Mark Ⅱ メンテナンスパッケージ

このサポートプランを購入すると通常の1年間のメーカー保証に加えて3年間、カメラの購入から最長で4年間の保証が受けられる。しかし、家電量販店で付帯購入するような単なる延長保証ではなく、OM-D E-M1 Mark Ⅱでのカメラライフをトータルでサポートしてくれるサービスとのこと。

今回はその具体的な内容について、実際にカメラのメンテナンスを行っているオリンパスの技術者の方々から紹介してもらえるセミナーが開催されていたので、ダイジェストでお送りする。

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OOC+ E-M1 Mark Ⅱ メンテナンスパッケージは、主に3つのサービスから成り立っている。

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メンテナンスパッケージの購入者はカメラ購入から2年目と3年目の始まりに年に一度の定期診断を受けられ、そして4年目の始まりにはリフレッシュ整備が受けられる。つまり、一般的な延長保証制度とは違ってメンテナンスを確実に3回受けられるのだ。また、次回の定期診断が行われるまでの間にトラブルが発生しても手厚く対応してくれるので、トラブルを恐れずに安心してOM-D E-M1 Mark Ⅱを活用できる。

加えて、メンテナンスパッケージ購入者向けに無料の電話サポートデスクも用意されている。OM-D E-M1 Mark Ⅱの操作方法や活用方法なども含めてカメラ全般に関する相談ができるので、うまく活用すれば、より充実したカメラライフを楽しめる。

年に一度行われる定期診断の作業内容は次の通りだ。点検、調整、ファームウェアアップデート、クリーニングの4項目から成り立っている。

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ここからは実際にメンテナンスを担当しているオリンパス技術者の方が、どのようなメンテナンスを行っているのかを、実機を交えた上でチェック項目ごとに解説してくれた。

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フランジバックとはカメラのマウントからイメージセンサーまでの距離のことを言う。OM-D E-M1 Mark Ⅱなどのマイクロフォーサーズ規格のカメラの場合は20mmの距離があるのだが、この距離の値がわずかでもずれていると正常なピント合わせができなくなり、結果的に解像感も落ちてしまう。そのため、フランジバックが規定の20mmになるように、また、マウント面が傾かないように調整する必要があるのだ。

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これは狙った位置でちゃんとピントが合っているかを確認するための調整だ。ピント精度が悪いと、AFが合焦しているにも関わらずピント位置が前や後ろにずれてしまうことがあるのだ。

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特殊な機器(画像右)を使用してカメラの測光や露出が正常に行われているかを確認する工程も公開してくれた。機器の中はライトボックスになっていて、設定値に応じた露出状況を再現できるとのこと。

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また、カメラ本体だけではなく、レンズの診断作業についても紹介してくれた。画像の機器はレンズが設定した焦点距離でピントをちゃんと合わせているかを確認するものとのこと。

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点検内容の紹介に続いて、クリーニングの作業内容についても紹介していただけた。

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ここでも再び実機を交えつつ、各項目ごとにクリーニング作業を実演してもらえた。

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カメラの外観だけではなく、カメラの防塵防滴機能を損なわないために電池カバーやSDカードのヒンジやシーリング部分も清掃されていたので、その徹底ぶりにとても感心した。

そして、4年目に行われるリフレッシュ整備の内容についての紹介に移った。これは一般的にオーバーホールと呼ばれるものだ。カメラ全体を部品単位まで分解することで部品の摩耗や劣化を調査し、必要に応じて新しい部品と交換しつつ再組み立てをおこなう。これによって、カメラが購入時に近い状態になるので、より長期間カメラを使用できるようになるのだ。

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ここでは実際にOM-D E-M1 Mark Ⅱの実機を部品単位まで分解して点検する作業を実演してもらえた。

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下蓋やカバーだけではなく、最終的にはイメージセンサーや画像処理エンジンの部分までも分解して見せてもらえた。権利の関係上、これ以降の分解の様子については画像でお見せすることができないので残念だが、分解が終わってOM-D E-M1 Mark Ⅱの部品がテーブルに並べられた様子は圧巻の光景だった。

年に一度のメンテナンスが終了すると、カメラの診断結果を各オーナーに報告書を送付しているとのこと。報告書には各部の点検結果だけではなく、カメラのオーナーが気にしていた症状に対してのコメントもあり、サポートの手厚さを実感できる内容となっていた。

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最後に、OOC+ E-M1 Mark Ⅱ メンテナンスパッケージを実際に利用している方の声も紹介してくれた。ちなみに、画像左の円グラフの青い部分には「非常に満足している 18%」という文字が挿入される予定だったが、手違いで表示されなかったらしい。いずれにしろ、88%もの購入者がメンテナンスパッケージのサポート内容に満足しているというのは、とても驚くべきことだ。

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このように、OOC+ E-M1 Mark Ⅱ メンテナンスパッケージは単なる延長保証ではなく、OM-D E-M1 Mark Ⅱのカメラライフを総合的に充実できるように徹底したサポート体制が完備されていることがお分かりいただけることと思う。

なお、OOC+ E-M1 Mark Ⅱ メンテナンスパッケージはフォトパスのプレミア会員の権利も2年間延長されるので、フォトパスを日常的に活用しているユーザーにはさらにお得だ。僕もOM-D E-M1 Mark Ⅱを購入する際は、ぜひこのメンテナンスパッケージもセットで購入しようと思う。

OM-Dで撮って食べて楽しむ写真旅|斎藤巧一郎氏

続くセミナーではプロ写真家の斎藤巧一郎氏が登壇されていた。今回はOM-D E-M1 Mark Ⅱで撮影した画像を交えつつ、日本や世界の食文化や食材からそれにまつわる人々の生活の営みについて講演されていた。

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まずは小豆島から。醤油やオリーブが名産品として知られているが、その原材料から製造に至るまでの工程を解説されていた。

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製造に携わられている方々は皆とても素敵な笑顔を見せてくれている。「美味しい食材は、それを作っている方も共通して素晴らしい」という斎藤氏の言葉はとても印象的だった。

続いて、斎藤氏の地元である長崎の食文化についても紹介されていた。画像は名物の一つ、五島うどんだ。讃岐うどんとは違った製法で足では踏まず、トビウオを原材料にした焼きあごを出汁に使っているとのこと。

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また、トビウオだけではなく、長崎は様々な海の幸が豊富に獲れることでも知られる。

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隣の佐賀県では、干潟に生息するムツゴロウを焼いてから煮付けにした料理も食されるということだ。若干グロテスクな見た目だが、これはこれで美味らしい。

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所変わってモンゴルに舞台が移る。斎藤氏と同じオリンパスアンバサダーで、モンゴルの人々を撮影した作品で知られる清水哲朗氏に、モンゴルへ誘われた時の取材旅行の様子を紹介していただいた。

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写真は遊牧民の移動式住居ゲルの中で撮影されたもので、訪問客には乳茶(スーテーチェー)と呼ばれるものが供される。レンガ状に固めた茶葉を馬乳や塩、バター、干し肉などと一緒に煮込んで作るモンゴル風のミルクティーで、非常に高タンパク・高カロリー。羊の肉を中心とする食生活を送るモンゴルの遊牧民にとって重要な栄養源でもあるらしい。

羊肉から出汁をとったスープの麺料理もよく食べられているらしい。

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また、ロシアとの国境付近では羊や馬だけではなく、トナカイの遊牧も行われている。

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モンゴルの大草原は周りに明かりや遮るものがないため、夜空一面には満点の星空が眺められる。マイクロフォーサーズのカメラは暗所での撮影が苦手だと一般的には言われているが、単純に高画質なだけではなく、星の一つ一つまでしっかりと解像していることに驚く。

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モンゴルでは希少なイクラが獲れるとのことで、イクラ丼を楽しむために日本から曲げわっぱの弁当箱を持参された。しかし、この時は条件が悪く釣れなかったので、代わりにキャビアでイクラ丼を作ってみたとのこと。味は予想通りで、かなり塩辛かったらしい。。。

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清水氏やモンゴルの著名な写真家の方々と撮影された一コマ。実は皆さん大統領お抱えの写真家ということらしい。

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食が人を作るとよく耳にするが、斎藤氏の講演を聞いているとそのことを改めて認識させられる。日本やモンゴルの食文化にまつわる人々の営みを垣間見られて、とても勉強になった。

総評

以上で、前回と今回の2回に渡ってお送りしてきた「フォトパスファンフェスタ 2018」のレポートは終了となる。

今回のイベントで見られたように、オリンパスでは単にカメラを製造するだけに留まらず、ユーザーがカメラを使ってより豊かな生活を楽しめるように、総合的な観点から様々なサポートやイベントが催されている。その代表的なものがフォトパスであり、フォトパスファンフェスタなのだ。

オリンパスのカメラを所有されている方は、ぜひそのアドバンテージを最大限に生かして、カメラのある生活をさらに楽しんでいただければと思っている。