【レビュー】ProGrade Digital(プログレードデジタル)|コスパ最強のSDXC UHS-IIメモリーカード!

ProGrade Digital SDXCカードレビューのアイキャッチ画像 Camera

やっと見つけたぞ!!!

つい最近のことだが、長年探し求めていた理想のSDXCカードを見つけることができた。

それがこちらのProGrade Digital(プログレードデジタル)が発売しているSDXCカードだ↓↓

ミラーレスカメラや一眼レフカメラなどのデジタルカメラにとって、SDXCカードなどのメモリーカードは一般的に考えられている以上に重要なアイテムだ。スペックの低いメモリーカードを使用していると、どんなに高性能なカメラでもその性能を十分に引き出すことができないからだ。

具体的には、書込速度の遅いSDXCカードを使用すると高速連写を使用した後の画像記録に時間がかかりすぎてしまって、撮影を再開できるようになるまでの時間が長くなったり、動画記録時に撮影が強制的に中断されてしまったりすることなどが挙げられる。

また、廉価なものや特殊なルートで仕入れた並行輸入品では正規の保証が付かないことが多いので、万が一故障した時の心配もある。

これらの問題はSanDisk(サンディスク)などの有名メーカーが発売している良質なSDXCカードを買えばある程度解決できる。しかし、そういったSDXCカードは非常に高価なので、なかなか手が届かないことが往往にしてある。

そこで僕は考えた。

高性能で、安くて、しかも保証もしっかり付いている、コスパの高いSDXCカードはないのだろうか?

そして、探し回った末に巡り合ったのが、このProGrade DigitalのSDXCカードだったのだ!

今回の記事では僕が見つけたコスパ最強のメモリーカードブランドであるProGrade Digital(プログレードデジタル)のSDXCカードについて紹介していく。

高性能・低価格・安心保証の3拍子が見事に揃ったProGrade DigitalのSDXCカードが持つ魅力を、あなたにもぜひ知っていただきたい!

Alan
これまでずっとSanDiskのSDXCカードを使ってきたけど、まさかそれと同等クラスの性能を持つものが半額以下で買える時代が来るとは思わなかった。しかも、保証もしっかり付いている。もっと早くに知りたかったorz。。。日本ではまだ知名度はあまり高くないメーカーだが、これからきっとブレイクしていくことは間違いないだろう! @alan-d-haller

ProGrade Digital(プログレードデジタル)ってなんぞ?

ProGrade Digital(プログレードデジタル)は、プロフェッショナルやハイアマチュア向けの高性能なメモリーカードやカードリーダーを取り扱っているアメリカのメーカーだ。

Alan
プロ向けだからと言って、初心者は購入してはならないというわけではないので、安心して読み進めてほしい。後々レベルアップした時にメモリーカードの性能に制限を受けることがなくなって撮影の幅が広がるので、初心者もむしろこのぐらいのスペックのSDXCカードを最初から使った方がおすすめだ。

創業は2017年の12月とつい最近なのでメーカーとしての歴史はまだ浅い。しかし、携わっているスタッフがメモリーカード業界を知り尽くしたレジェンドばかりなので、単なる新興のメーカーとは訳が違うのだ。

その代表格が、ProGrade Digitalの創業者であり現CEOでもあるウェス・ブリュワー氏だ。彼はカメラ好きならば今や知らぬ者はいない名門メーカーのSanDiskを業界最大手のメーカーに押し上げた人物として知られている。

その後、Micron(マイクロン)に移籍した後は、同じく名門ブランドのLexar(レキサー)でニコンのZシリーズやパナソニックのSシリーズのフルサイズミラーレスにも使用されているXQDカードを導入し、一般に普及させたことでも有名だ。

まさにメモリーカード業界を最前線で牽引してきたレジェンドだ。そんな彼が新たなミッションである「最高品質のプロフェッショナルグレードのメモリーカードとワークフローソリューションを提供する」を実現して、メモリーカードの進化を通じてカメラ業界を盛り上げるために、MicronによるLexarブランドの買収後に独立して創業したのが、このProGrade Digitalなのだ。

ProGrade Digitalは10人余りの少数精鋭メーカーらしいが、ブリュワー氏以外のメンバーもこれまでメモリカード業界に深く携わってきた経歴があるとのことなので、まさにメモリカードのスペシャリスト集団と言えるだろう。

この点だけを考慮しても、ProGrade Digitalが怪しい新興メーカーではなく、きちんとした信頼の置ける一流メーカーであることは十分にご理解いただけるだろう。

なお、ProGrade Digitalの創業に至る経緯や製品にかける想いなどメーカーのバックボーンに関しては、外部メディアだが下記のインタビュー記事にとても詳しく掲載されている。

「世界共通価格・共通保証」を掲げるプログレードデジタル、いよいよ日本で本格展開|デジカメWatch

ProGrade Digitalについてもっと詳しく知りたいという方は、当記事と合わせてぜひ目を通していただくといいだろう。

ProGrade Digital製メモリーカードの特徴

ProGrade Digital(プログレードデジタル)が取り扱うメモリーカードは非常に高性能だ。特に、SDXCカードは全て最高書込速度が200MB/sを超えるUHS-II規格のものだけなので、対応カメラで使用すれば非常に高いパフォーマンスを発揮して撮影に臨むことができる。

しかし、このメーカーの凄さはそれだけではない。ProGrade Digitalの真髄とも言える尋常ではない6つの特徴があるのだが、ここではそれについてお話ししておこう。

世界共通価格と世界共通保証

「世界共通価格」「世界共通保証」を採用していることが、ProGrade Digitalブランドの大きな特徴の1つだ。

実はメモリーカードの価格は国や地域によって大きく異なることが多いのが一般的となっている。

例えば、以前僕がよく愛用していたこちらのSanDisk製のSDXCカード「Extreme PRO SDHC UHS-I 64GB」。

SanDisk Extreme SDXC UHS-Iカードの画像

このSDXCカードに関しては、日本では大手家電量販店で販売されている正規輸入品を購入すると約13000円ほどかかる。対して、海外パッケージが採用された並行輸入品を購入すると約半額の6000円前後で購入できてしまえる。

つまり、SanDiskの場合、日本向けの製品とアメリカ本国向けの製品は2倍以上の価格差があるのだ。

プロやハイアマチュアなどハイエンド志向のユーザーはこのことをよく知っているので、SanDiskなどの高性能なメモリーカードを購入するときは並行輸入品を購入するか、個人輸入するかして購入するのだ。

ところが、ここで1つ問題が起こる。正規のルートで流通されたのではない海外パッケージの並行輸入品はメーカー保証が付かないのだ。

通常は購入から1年以上の保証が付いているので、初期不良などでメモリーカードに何か不具合が発生した場合は交換などの対応をしてもらえる。しかし、海外パッケージの並行輸入品は保証が付かないため、何か問題が起こっても泣き寝入りするしかないのだ。

以上のことがこれまでメモリーカードにおける大きな問題点となっていたのだが、そこに救世主として現れたのが、他ならぬProGrade Digitalだったのだ。

冒頭でお話ししたように、ProGrade Digitalのメモリーカードには「世界共通価格」「世界共通保証」が採用されている。

元々、ProGrade DigitalのSDXCカード(UHS-II)は高性能にも関わらず、SanDiskの同等レベル製品(正規品)と比べて3割以上も安いのが第一の魅力だ。

加えて、「世界共通価格」が採用されているので、内外の価格差が排除されており、購入する国や地域に関係なくどこでもほぼ同じ価格で購入できる。これは販売方法にAmazonマーケットプレイスを利用することで実現できたという。ただし、国や地域によって税率が異なるので、税抜価格に世界共通価格が採用されている形だ。

また、「世界共通保証」も採用されているので、メーカー本国のアメリカで買ったものでも日本で買ったものでも購入場所に関係なく、保証がどこでも同じように受けられる。ProGrade DigitalのSDXCカード(UHS-II)は全て正規品なのでしっかりと保証が付く。しかも、3年という長期間もサポートしてくれるのだ。

公平な価格で安く買えて、しかも長期間の保証が付くなんて。どんだけ太っ腹なんだよ、プログレードデジタル!!

製造時全品検査と全品固有製造番号

ProGrade Digitalの凄さは「世界共通価格」と「世界共通保証」だけに留まらない。

価格や保障だけではなく、メモリーカードの品質自体にも大きなこだわりがある。それを表しているのが、「製造時全品検査」「全品固有製造番号」だ。

SDXCカードなどのメモリーカードは何よりも品質が命だ。安いだけで品質の悪いメーカーのメモリーカードには、記録したはずの画像が消えていたり、記録自体が急にできなくなったりなどの故障リスクが大きくつきまとうからだ。これは撮影画像の確実な記録と保護が第一命題のメモリーカードにとっては死活問題だ。

しかし、多くの他メーカーは抜き打ちで不特定の製品を検査するのが主なのだが、 ProGrade Digitalのメモリーカードは製造時に全ての製品で検査を行っている。つまり、ProGrade Digitalは自社で製造する全てのメモリーカードの品質にとことんこだわっているのだ。

また、ProGrade Digitalでは全ての製品に固有の製造番号(シリアルナンバー)が付与されているのもポイント。製品ごとに固有の製造番号が付いていると保証の際の製品確認に役立つほか、その製品が製造時に辿った工程を明確に遡ることができるのでトラブル時に迅速な原因究明にも重宝するのだ。

自社製品の品質に執着と言えるほどのここまで強いこだわりを持っているメモリーカードメーカーは、ProGrade Digitalを置いて他にはない。これこそが、僕があなたにProGrade DigitalのSDXCカードを自信を持っておすすめできる所以だ。

リフレッシュ機能と寿命診断機能

ProGrade Digitalの記録メディアが持つ固有の機能として「リフレッシュ機能」「寿命診断機能」についても触れておこう。

実はあまり知られていないのだが、SDカードなどの記録メディアは、長く使い続けるほど内部にデジタル的なゴミ(デブリ)が溜まってパフォーマンスが徐々に落ちてしまうという問題を抱えている。

パフォーマンスが落ちたSDカードは買い替える必要がある。そうしないとどんなに性能の優れたカメラを使っていても、その性能を十分に発揮できないからだ。また、記録した画像が消失するなどのトラブルに見舞われる頻度も多くなるので、なお厄介なことになる。

SDカードは定期的に買い替えなければならない「消耗品」なのだ。

これらの問題はProGrade Digitalの記録メディアにとっても無縁ではない。しかし、ProGrade DigitalのSDXCカードには経年劣化を遅らせることで買い替えの頻度を少なく抑えられる驚くべき機能が搭載されている。

それこそが「リフレッシュ機能」「寿命診断機能」だ。

「リフレッシュ機能」はSDXCカードの内部に溜まったデジタルデブリをクリーンアップすることで、経年後でもSDXCカードの転送速度を購入直後に近い高速性能まで回復できる機能だ。

一方、「寿命診断機能」SDXCカードの劣化具合などの健康状態を調べられる機能だ。

なお、これらの機能を使用するには、後述するProGrade Digital純正のSDXCカードリーダー:「ダブルスロットカードリーダー SD UHS-IIx2」と、有料の専用ユーティリティソフト:「ProGrade Digital Refresh Pro」($29.9)が必要になる。

だが、「リフレッシュ機能」と「寿命診断機能」を上手く活用していけば、常にSDXCカードを最高に近いパフォーマンスで使えるようになる。加えて、SDXCカードに致命的な問題が起こった場合も撮影前に確認して備えることができる。それに、1枚1枚のSDXCカードを長く使い続けていくことができるので、結果的にSDXCカードを買い換えるペースも少なくなる。

ProGrade DigitalのSDXCカードを使うのならば、ぜひとも活用してほしい素晴らしい機能だ。

2020年5月現在、専用ユーティリティソフト「ProGrade Digital Refresh Pro」はWindows版のみが提供されている。Mac版についても現在開発中とのことなので、いずれMacでも「リフレッシュ機能」と「寿命診断機能」が使えるようになるだろう。

ProGrade Digital SDXCカード、開封の儀!

ここまではProGrade Digital(プログレードデジタル)の概要や特徴について紹介してきた。そして、いよいよここから本題となるレビューに入るとしよう!

まずは、開封の儀から!

今回購入したProGrade DigitalのSDXCカード

今回購入したのは、こちらのProGrade Digital SDXC UHS-II V60 GOLD 250R 64GBだ。

ProGrade DigitalのSDXCカードには、ビデオスピードクラスV60に対応する通常モデルのゴールドラベルと、ビデオスピードクラスV90に対応する上位モデルのコバルトラベルの2種類がある。

下位モデルであるゴールドラベルのSDXCカードでも最高書込速度250MB/s・最低書込速度130MB/sの動作が保証されているので、僕が愛用しているOM-D E-M5 Mark IIなど現行の一般的なミラーレスカメラならば十分に高い性能を発揮できる。

また、4K動画の撮影にも対応できるので、ミラーレスカメラを使用した本格的な動画撮影や映像制作を主に行いたい人にもおすすめだ。

補足:「ビデオスピードクラス」について

あまり聞き慣れないかもしれないが、「ビデオスピードクラス」とは、SDカードの最低書込速度(1秒間に書き込める最低のデータ量を保証したもの)を示した最新の規格だ。

フルHDや4Kなどの動画撮影で安定した撮影を行うためには、一定の書込速度を維持しつつデータを記録し続ける必要がある。そのため、「200MB/s」や「250MB/s」などと表示される瞬間の最高書込速度よりも最低書込速度の方が重要となるのだ。

そこで、主に動画ユーザー向けにそのSDカードが保証している最低書込速度を明確に示すために登場したのが、この「ビデオスピードクラス」だ。

例えば、「V60(ビデオスピードクラス60)」とSDカードに記載があれば、そのSDカードは最低書込速度が60MB/sまで保証されており、4K動画の撮影に最適であることを示している。「V90(ビデオスピードクラス90)」とあれば、最低書込速度は90MB/sまでで、8K動画の撮影にも対応できるというわけだ。

なお、この「ビデオスピードクラス」は従来の「スピードクラス」(例:Class 10)や「UHSスピードクラス」(例:U3)をさらに拡張した最新の規格に当たる。

「V60」をあえてそれぞれの規格に換算したとすると、(実際はそんな表記は存在しないが、)「Class 60」および「U6」に相当する。そして、「V90」は「Class 90」と「U9」に相当する。つまり、「V60」や「V90」は「Class 10」はもちろん、「U3」のSDカードよりも最低書込速度のスペックは遥かに上ということだ。

気を取り直して開封の儀!

Amazonから届いた封筒を開けると、下記の画像のような形で商品が現れる。

ProGrade DIgital SDXCカードの開封画像1

包装は最小限で、パッケージもSanDiskやLexarのように大きくはなく、こじんまりとしている。パッケージを必要最小限にすることで、コストをより抑えているのだろう。僕としては華美なパッケージよりもこちらの方が好感が持てる。

パッケージの裏には、プロフェッショナル仕様の品質であることや、4K動画の撮影にも対応することが記載されている。その他の製品に関する情報や保証、サポートについては、ProGrade Digital公式サイトを参照してほしいとのこと。

ProGrade DIgital SDXCカードの開封画像2

パッケージを開けると、下記の画像のようになる。パッケージの構成は「パッケージ」、「問い合わせ先カード」、そして「SDXCカード本体が入ったケース」の3つだけだ。

うわっ、ものすごくシンプル!

ProGrade DIgital SDXCカードの開封画像3

カードケースを開けると、SDXCカードの本体が現れる。

ゴールドラベルが眩しい!

ProGrade DIgital SDXCカードの開封画像4

なお、残念ながらお見せできないが、SDXCカードの裏面には製品の製造番号のようなものが記載されている。

また、「MADE IN TAIWAN」という記載も確認できるので、ProGrade DigitalのSDXCカードは主に台湾で製造されているのだろう。台湾にはiPhoneの製造も手がけるFoxconnなどの技術力の高いメーカーもあるので、廉価な中国製品と比べてとても安心感がある。

SDXCカードの表面右下にある「R」マークは、有料の専用ユーティリティソフト「ProGrade Digital Refresh Pro」($29.9)に対応した製品であることを示している。後述するProGrade DIgital純正のSDXCカードリーダーを介してPCに接続し、ソフトを起動すれば、「リフレッシュ機能」と「寿命診断機能」が利用できる。

愛機OM-D E-M5 Mark IIでも最高の使い心地!

早速だが、愛機のOM-D E-M5 Mark IIでProGrade Digital(プログレードデジタル)のSDXCカード(ゴールドラベル):ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 GOLD 250Rを使ってみたので、その使い心地や感想をお伝えしよう。

E-M5 Mark IIとProGrade Digital SDXCカードの画像

記録に関するトラブルは皆無!

まず、ProGrade Digital SDXCカードの挙動について。

とりあえず、このSDXCカードを愛機のOM-D E-M5 Mark IIに挿入して500コマほど撮影してみた。OM-D E-M5 Mark IIはUHS-II規格に完全対応するということもあり、SDXCカードの挙動はとても安定していた。

もちろんだが、その間に書込不良や画像消去などのトラブルは一切発生しなかった。まだ使い始めであるため、検証が十分とは言い難いかもしれないが、僕の基準で見れば十分に信頼できる品質が確保されているように思えた。

このProGrade Digital SDXCカードに関しては、僕はこれから主力のメモリーカードとしてガンガン使い続けていくので、定期的にレビューを追加していこうと思っている。

追記(2020/05/09):1年以上使ってもトラブルとは無縁!

ProGrade Digital SDXCカードを導入し始めてから1年余りが過ぎた。

その間に1枚のSDXCカードにつき5000枚近くの画像を記録してきたが、現在もなおトラブルとは無縁である。

これはProGrade Digital SDXCカードの優れた品質を証明するのに十分なことだろう。

RAW記録時の低速連写が息切れしなくなった!

SDXCカードが持つ性能を測るのに効果的なものの1つが、連写時の挙動を確認することだ。

OM-D E-M5 Mark IIはAF・AE追従で最高5コマ/秒の連続撮影(「低速連写モード」)が可能だ。最近では取り立てて秀でたスペックではない。しかし、UHS-II規格のSDカードを使用すると、JPEG形式の記録だけではなくRAW形式でもカード容量が尽きるまで無限連写ができると、オリンパスの公式サイトの製品紹介ページには記載がある。

今回購入したProGrade Digital SDXCカード(ゴールドラベル)はUHS-II規格の製品なので、理論的にはそれが可能なはずだ。というわけで、早速だが地元にある小湊鐵道で、このSDXCカードを挿入したOM-D E-M5 Mark IIを使って鉄道の連続撮影を試みた。

その結果は非常に満足できるものになった!

スペックの表記通り、最高5コマ/秒の連写速度を維持したままカード容量が一杯になるまで連写を続けることができたのだ。低速連写モードとはいえ最後まで息切れせずに連写を続けられるのはとても感動ものだった。

これまでは一定の枚数を連写するとバッファー(撮影した画像を一時的に保管するメモリー)が息切れして連写速度が顕著に遅くなったり、バッファーの容量が空になるまでシャッター自体が停止して撮影のチャンスを逃したりということがあった。

しかし、最後まで息切れしない連写機能が使えるということは、それらの問題から開放されることを意味する。いつでも好きなときに好きなだけ連写が楽しめるのだ。これは鉄道の撮影だけではなく、ポートレートや動物などの撮影でも重宝していくだろう。

なお、今回は通常モデルであるゴールドラベルのSDXCカードを使用した。上位モデルであるコバルトラベルのものを使用すれば、RAW記録の高速連写モード(10コマ/秒)でも無限連写ができるようになるかもしれない。そちらの方も後々入手してぜひ検証してみたい。

バッファー復帰までの速度も倍近く速くなった!

ついでに高速連写時の挙動も検証してみたのだが、こちらも驚くほど素晴らしい結果を見ることができた。

結論から言うと、高速連写時のバッファー復帰までの速度がUHS-Iカードを使っていた従来までと比べて2倍近くも高速化したのだ。

具体的にお話ししよう。

今回はProGrade Digital SDXC UHS-II V60 GOLD 250Rと、以前愛用していたSanDisk Extreme Pro SDXC UHS-Iカードで高速連写の比較テストをしてみた。1回当たりの記録容量が最大となるRAW + JPEG(Super Fine)形式で、AF・AE固定の高速連写モード(10コマ/秒)で連続撮影を行ったのだ。

さすがに秒間のデータ容量が大きくなるので、どちらのSDXCカードも一定枚数に差し掛かるとバッファーが一杯になって連写が停止してしまう。

問題はここからだ。バッファーが一杯になって連写が停止した状態からまたシャッターが切れるように復帰するまでの時間で、結果は下記の通りとなった。

バッファー切れから復帰するまでの時間の比較
  • ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 GOLD 250R・・・平均4秒
  • SanDisk Extreme Pro SDXC UHS-Iカード・・・平均7秒

その差は何と4割以上!!

UHS-II規格のProGrade Digital SDXCカードは、UHS-I規格のSanDisk SDXCカードでかかる時間のわずか半分程度でバッファー復帰が完了できるというわけだ。

これは恐るべきことだ。

たとえバッファーが息切れしてしまったもリロードを完了するまでの時間が非常に短いので、それだけ早く体勢を立て直して連写を再開できる。結果的に、シャッターチャンスを逃してしまうリスクも半分以下に抑えられるということだ。

鉄道や動物、スポーツの高速連写撮影をする際はこれ以上はないほど頼もしいことだろう。

フルHD動画も安定して記録できる!

OM-D E-M5 Mark IIはフルHD解像度(60fps)までだが、高解像動画の撮影にも対応している。それで、早速OM-D E-M5 Mark IIでProGrade Digital SDXCカード(ゴールドラベル)を使ってフルHD動画(60fps)の撮影を試みた。

結果は楽勝。OM-D E-M5 Mark IIの連続記録時間の制限である29分一杯まで撮影を継続することができた。

ProGrade Digital SDXCカード(ゴールドラベル)は「V60(ビデオスピードクラス60)」の最低書込速度を持ち、フルHD動画の4倍も高解像な4K動画の撮影にも対応できるスペックがあるので、これは当然の結果だろう。

PCへの画像転送も高速・快適!

メモリーカードの性能が最も顕著に現れるのが、カード内に記録した大量の画像をPCに転送する時だ。性能の低いメモリーカードだと、データ転送にとても多くの時間がかかってしまうので、作業効率が非常に悪いのだ。

そこで実際に、ProGrade Digital SDXCカード(ゴールドラベル):「ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 GOLD 250R」が画像をPCに大量転送する際にどれだけの時間がかかるのかを検証してみた。

検証に使用したPCとSDカードリーダーの詳細

使用したPCのスペックは下記の通りだ。

データ転送に使用したPCのスペック

・機種名:MacBook Pro 15 Late 2016

・プロセッサ(CPU):第6世代Intel Core i7(2.7GHz)

・実装メモリ(RAM):2133MHz LPDDR3(16GB)

・GPU:Intel HD Graphics 530(1536MB) + AMD Radeon Pro 455(2GB)

・SDDの容量:500GB

ちなみに、2016年以降発売のMacBook Pro 15にはSDカードスロットは搭載されていない。そのため、SDカードから画像を読み込むためには、別途SDカードリーダーが必要になる。

そこで出番となるのがこちら、ProGrade DIgital純正のSDXCカードリーダー:「ダブルスロットカードリーダー SD UHS-IIx2」だ。

MacBook Proのポートに直接接続できるUSB Type-Cケーブルが付属するので、アダプターを介さず手軽に使用できる。旅先など持っていく荷物を最小限にしたいときにも助かるだろう。

ProGrade Digital Dual SDXCカードリーダーの画像1

SD UHS-II規格のカードスロットを2基搭載しているのもポイント。大量に連写した画像や4K動画などの大容量データを収めたSDXCカードが複数枚あっても、順番にまとめて転送できるので撮影後のワークフローもより効率化できる。

ProGrade Digital Dual SDXCカードリーダーの画像2

ちなみに、このProGrade Digital純正のSDXCカードリーダーにはマグネットプレート(ロゴが記載された青色のもの)が付属する。

ProGrade Digital Dual SDXCカードリーダーの画像3

これをノートPCの背面などに貼り付けておけば、下記の画像のようにSDXCカードリーダーをノートPCの背面にくっ付けて使用できる。

ProGrade Digital Dual SDXCカードリーダーの画像4

屋外などあまり作業場所を確保できない状況で作業を行うときに重宝するだろう。

検証結果

さて、検証に移ろう。

今回の検証には、ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 GOLD 250Rと、その比較対象としてSanDisk Extreme Pro SDXC UHS-Iカードを使用した。UHS-IとUHS-IIのスペック差を体感してもらうのにちょうど良いだろう。

それぞれのSDXCカードに記録した100枚のRAW画像(約1.6GB)をMacへ転送してみた。

まずは、SanDisk Extreme Pro SDXC UHS-Iカードで行った転送テストの結果だ。下記の画像の通り、100枚のRAW画像を転送するのに約20秒という時間がかかった。

SanDisk SDXC UHS-Iカードの転送速度テストの結果の画像

これでも十分に速いのだが、上には上がいる。

続いて、本命であるProGrade Digital SDXC UHS-IIカード(ゴールドラベル)で行った転送テストの結果をお伝えしよう。それが下記の画像だ。

ProGrade Digital SDXC UHS-IIカード(Gold)の転送速度テストの結果の画像

同じ条件だったにも関わらず、わずか10秒ほどで転送を完了することができた。これはつまり、SanDisk SDXC UHS-Iカードの半分程度の時間で済んだということである。

何、この爆速(笑)

画像の転送速度にこれだけの差があれば、毎日大量の画像を取り扱う旅写真の画像管理の場面にも必ず重宝する。僕も撮影から戻って写真や動画のバックアップを取る際にいつも助けられている。

ちなみに、ProGrade Digital純正のSDXCカードリーダーにはSDカードスロットが2つあるので、2枚のSDXCカードを同時に挿入することができる。ついでに、2枚のProGrade Digital SDXC UHS-IIカード(ゴールドラベル)を連続で転送したときの検証結果も下記に添えておこう。

ProGrade Digital SDXC UHS-IIカード(Gold)の転送速度テストの結果の画像2

わずか23秒ほどで200枚のRAW画像(合計約3GB)の転送を完了できた。1枚目のSDXCカードの転送が終わった後に画像管理ソフトで2枚目のカードに切り替える操作が必要だったので、その操作で数秒ほどロスしたが、結果としては極めて良好だろう。

どちらのラベルのカードがおすすめ?

ProGrade Digital(プログレードデジタル)のSDXCカードには、250MB/s・V60に対応する通常モデルのゴールドラベルの製品と、300MB/s・V90に対応する上位モデルのコバルトラベルの製品の2種類が存在する。この項目ではそれぞれのSDXCカードに適した人を紹介していこう。

ゴールドラベルがおすすめの人

ゴールドラベルのSDXCカード:「ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 GOLD 250R」がおすすめなのは次のような人だ。

  • 中級機以下のミラーレスカメラおよび一眼レフカメラを使っている人
  • 5コマ/秒前後の速度で高速連写をよく使用する人
  • ミラーレスカメラで動画撮影を主に行っている人(4K解像度まで対応)

僕も愛用しているオリンパスのOM-D E-M5 Mark IIやパナソニックのLUMIX G8・LUMIX G99などの、ミドルクラス以下に属するカメラで使用する場合は、このゴールドラベルのSDXCカードで十分だ。画素数も連写速度もそれほど高くないので、コバルトラベルのSDXCカードほどの高性能はほとんど必要にはならないからだ。

また、LUMIX GH5やLUMIX GH5Sなどの動画志向のミラーレスカメラを持っていて、主に動画撮影に使っている場合も、このゴールドラベルのSDXCカードで十分だ。動画撮影では最高書込速度よりも最低書込速度の方が重要となるのだが、4K動画の記録に適した「V60」のスペックが確保されているからだ。

コバルトラベルがおすすめの人

コバルトラベルのSDXCカード:「ProGrade Digital SDXC UHS-II V90 COBALT 300R」がおすすめなのは次のような人だ。

  • 有効3000万画素以上の高解像機を使っている人
  • 10コマ/秒を超える速度の超高速連写を多用する人
  • 「ハイレゾショット」や「プロキャプチャーモード」を活用したい人

オリンパスのOM-D E-M1 Mark IIやOM-D E-M1Xなどのミラーレスカメラでは10コマ/秒を超える超高速連写が使用できるが、連写した大量の画像を滞りなく記録するには、最高書込速度が可能なかぎり速いメモリーカードの方が有利だ。

また、OM-D E-M1 Mark IIなどに搭載されている「ハイレゾショット」や「プロキャプチャーモード」などの特殊撮影機能は撮影後の合成処理や書込処理に時間がかかる。処理が終わるまでは操作や撮影ができないので、なるべく早く復帰して撮影を再開するためにも最高書込速度は重要となる。

ところで、フルサイズミラーレスの上位機には3000万画素や4000万画素を超える機種も登場しているが、これらのカメラを使用する場合もコバルトラベルのSDXCカードはおすすめだ。画素数が多くなるほど画像の記録にかかる時間や負荷は増えるので、スムーズに撮影を進めるために重宝するだろう。

容量は何GBのものを選べばいい?

ゴールドラベル・コバルトラベル共にProGrade Digital(プログレードデジタル)のSDXCカードには、64GB、128GB、そして256GBの3種類の容量が販売されている。この内どれを選べばいいのか?

結論から言うと、最小容量である64GBのSDXCカードを強くおすすめする。

理由としては下記の通りだ。

  • 64GBあればRAWでも約3000枚の写真が撮れる
  • 64GBあれば4K動画も約1時間撮影できる
  • 少なめの容量のカードを複数枚用意することで万が一に備える

RAW形式での記録はJPEG形式の2倍以上の容量が必要となる。しかし、容量が64GBもあれば、2000万画素クラスのカメラでも約3000枚ものRAW画像が記録できる。旅先で1日当たり300枚撮ったとしても、カード1枚で10日は持つ計算なので、一般的な用途であれば十分な容量だと言えるだろう。

また、動画で考えた場合も同様だ。通常のミラーレスカメラは動画の連続録画時間が30分未満になるように制限されている。パナソニックのLUMIX GH5のように連続録画時間の制限がないカメラも一部存在するが、1つのカットで1時間を超えるような長回しの撮影することは通常はほとんどないのが実際だ。64GBもあれば4K動画でも1時間の連続撮影ができるので、実際の撮影でも十分すぎる容量がある。

そして、最小容量である64GBのSDXCカードをおすすめする最大の理由がリスク分散だ。

256GBなどの大容量のSDXCカードならばより多くのデータが記録できるので、4000万画素超えの高解像画像や4K動画を1枚のSDXCカードに大量に保存できる。確かに、それは便利なことなのだが…

しかし、万が一そのSDXCカードが故障・紛失してしまった場合、保存していた画像や動画のデータは全て消滅してしまう。それどころか、持っているSDXCカードがその1枚だけだと、撮影を継続することすらできなくなってしまう。

旅先で撮影が継続できなくなることやせっかくの撮影データが消えてしまうのは、何よりもショックなことだ。おそらく、しばらくは落ち込んで立ち直れなくなってしまうことも考えられる。

そうならないためにも、万が一の時のための対策としてSDXCカードは必ずスペアも含めて複数枚用意しておくのがおすすめだ。256GBの大容量カードを1枚だけ購入するよりも、64GBの小容量カードを4枚購入する方がリスクヘッジの視点から考えると安全だ。

Alan
幸いなことに、僕はカメラを始めてからこれまで10年以上、メモリーカードの故障・紛失などのトラブルに遭ったことはない。しかし、小容量のSDXCカードを複数枚用意することで、いつも万が一に備えている。ことが起こって後悔してからでは遅いのだ。

ProGrade Digital SDXCカードを購入する際の注意点

ここまで紹介してきたように、ProGrade Digital(プログレードデジタル)製のSDXCカードは非常に高品質で安心して購入できる一級品だ。しかし、購入の際に注意しておくべきことが2点ほどある。最後に、この項目では購入に際しての注意点を解説していこう。

カメラ側がUHS-II規格に対応しているか?

まずは基本的なことだが、ProGrade Digital SDXCカードを購入する際は、事前に使用するカメラのSDカードスロットがUHS-II規格に対応するかを確認しておこう。

ProGrade DigitalのSDXCカードは全てUHS-II規格のものなので、そのパフォーマンスを最大限に発揮するためには、カメラ側でもUHS-II規格をサポートしている必要があるからだ。

とはいえ、UHS-II規格のSDXCカードは従来のUHS-I規格に対する下位互換がある。ProGrade Digital SDXCカードを1つ前のUHS-I規格のみに対応したカメラであったとしても、画像の記録やPCへの転送は問題なく行えるので心配は不要だ。

ただし、記録や転送時の速度はUHS-I規格の上限速度(最高90MB/s)まで制限されてしまうので、ProGrade Digital SDXCカードが持つUHS-II規格のパフォーマンスを発揮することはできない。

そのため、ProGrade Digital SDXCカードは可能な限り、UHS-II規格に対応するカメラで使用するのが望ましいのだ。

ちなみに、下記に現行のマイクロフォーサーズのミラーレスカメラ(マイクロミラーレス)の中でUHS-II規格に対応する機種をまとめておいたので、購入前に参考にするといいだろう。

UHS-II規格に対応する現行のマイクロミラーレス
【オリンパス】

  • PEN-F
  • OM-D E-M10 Mark II
  • OM-D E-M10 Mark III
  • OM-D E-M5 Mark II
  • OM-D E-M5 Mark III
  • OM-D E-M1 Mark II (※スロット2はUHS-Iのみ対応)
  • OM-D E-M1 Mark III (※スロット2はUHS-Iのみ対応)
  • OM-D E-M1X

【パナソニック】

  • LUMIX G8
  • LUMIX G99
  • LUMIX G9 PRO
  • LUMIX GH5
  • LUMIX GH5S

ところで。

UHS-II規格のパフォーマンスをPCへの画像転送時にも最大限発揮したいのであれば、カードリーダーもUHS-II規格に対応したものを用意する必要があることも、合わせて覚えておいてほしい。

転送速度の検証テストでも紹介した下記のProGrade Digital純正の「ダブルスロットカードリーダー SD UHS-IIx2」を使用できれば完璧だ。

メーカーが直販している正規品か?

ProGrade DIgitalのSDXCカードを購入する際は、メーカーが直販している正規品を買うのがおすすめだ。

ProGrade DigitalのSDXCカードは現在Amazonマーケットプレイスでのみ販売されている。最近は日本でもProGrade Digitalの知名度が増えたこともあり、Amazonでメーカーが直販している正規品が売り切れているのを時たま見かける。おそらく急激な需要の増加で供給が間に合っていないのだろう。

しかし一方で、Amazonのマーケットプレイスではメーカー直販の正規品以外にも、本体価格の3倍以上の値段で売られているものも見かける。これはいわゆる転売屋(転売ヤー)が正規以外のルートで仕入れた並行輸入品を出品しているものだと思われるが…如何せん高すぎる!!!

加えて、正規ルート以外で輸入したものなのでメーカー保証が付くかも曖昧だ。これは非常にリスクが高い。

損をして後悔しないためにも、ProGrade DigitalのSDXCカードを購入する時は、必ずその商品がメーカー直販の正規品であるかどうかを確認した上で購入するようにしよう。

Amazonマーケットプレイスで「新品の出品」をタップした後、「販売/出品」の欄に「ProGrade Digital, Inc.」と記載のある取扱業者が確認できれば、その商品がメーカー直販の正規品になるのでまず間違いはない。

ProGrade DigitalのAmazon掲載ページの画像

ちなみに、つい最近僕が購入した時は、64GBのSDXCカード(ゴールドラベル) が1枚で4604円だった。同商品に関してはこの価格が2019年4月現在の基本価格になっていると考えられるので、購入の際はこの価格を基準にするといいだろう。

総評

今回はProGrade DIgital(プログレードデジタル)のSDXCカードをご紹介してきた。単なる新興のメモリーカードメーカーではなく、明確なビジョンを掲げた上で品質や保証にとことんこだわった信頼の置ける一流メーカーであることがお分かりいただけたと思う。

また、SDXCカードのパフォーマンス自体も素晴らしく、UHS-II規格対応のカメラでは快適な使い心地が体験でき、記録に関するトラブルも当然皆無!

これほどまでに素晴らしいSDXCカードが、SanDiskの同等クラス製品の3割以上も安い価格で購入できてしまえることは革命的に素晴らしいことだ。

ProGrade DIgitalはメモリーカードの進化を通じてカメラ業界を盛り上げることを同社のミッションに掲げているが、ProGrade DIgitalのSDXCカードを使用すればあなたのカメラのリミッターを解放してより自由な撮影ができるようになる。

ぜひあなたもProGrade DIgitalのSDXCカードを入手して、それがもたらす自由で快適な撮影を体験してほしい。