【聖地巡礼】『天気の子』のロケ地巡り|東京編(高円寺・代々木・新宿・池袋・田端)

聖地巡礼『天気の子』

季節外れの肌寒さに見舞われていたある日のこと。

Macや外付けHDDの中に保存した写真や動画や書類やらを整理しようと久しぶりに保管データの大掃除を行なっていたのだが、ふと1枚の写真に目を奪われた。それが本記事のアイキャッチ画像にも使用している、今はもう存在しない代々木会館を撮影した作品だった。

このビルはもう取り壊されて存在しないのだが、去年(2019年)に封切りされて大ヒットを記録したアニメ映画『天気の子』の劇中にも登場した重要な場所だった。

そういえば去年の夏、東京の各所に点在する『天気の子』の舞台になったスポットを聖地巡礼していたことを思い出した。しかし、去年千葉を襲った台風や豪雨、そして多忙な日々の中で、そのときの記録を公開するのをすっかり忘れてしまっていた。

撮影は約1年前に行ったものなので情報は少々古いかもしれないし、まだ巡礼していない聖地もあるので不完全な記事になるかもしれない。しかし、それ以上にせっかく撮影した作品たちをこのままお蔵入りにしてしまうのは忍びない。

そこで、今回は『天気の子』聖地巡礼と称して、去年の夏に東京の各地に点在する『天気の子』のロケ地となったスポットを巡り歩いた際の様子をレポートしていこうと思う。

作品のファンの方はもちろん、まだアニメは未視聴でこれから見ようと思っている方も存分に楽しんでいただければ嬉しい。長引く自粛生活を頑張るあなたの心にわずかでも潤いを提供できれば幸いだ。

Alan
新海誠監督の最新作である『天気の子』!僕もこの作品が大好きで、去年の封切り直後はブームに当てられて、夢中になって東京の各地にある聖地を巡り歩いていたっけ。あまりにも取材や撮影に熱中しすぎてガチで熱中症になりかけたこともあったが(笑)。それだけの魅力が『天気の子』にある。ぜひあなたのその魅力を一端でも味わってもらえればと思う。 @alan-d-haller
今回の記事に掲載した写真の中には、作中に登場したコマとの厳密なカット合わせをしていないものもある。あくまでも『天気の子』のロケ地をモチーフにしつつも、そこを訪れて僕自身が感じたことを主題にスナップ撮影した写真を掲載している。そのため、作中とは異なるイメージや視点の写真も見かけることになるかもしれないが、ご了承の上でお楽しみいただけると嬉しい。

『天気の子』の概要

聖地巡礼の本編に向かうその前に。巡礼の旅をより楽しんでいただくために、まずは『天気の子』(英:『Weathering With You』)についての概要を軽くおさらいしておこう。

なお、より詳細な情報に関しては下記の公式サイトで確認できるので、合わせて目を通していただくといいだろう。

■映画『天気の子』公式サイト https://tenkinoko.com

どんなアニメ映画の作品なの?

繊細な色彩美が特徴の世界描写と男女の思いを叙情的に描くストーリー描写で定評のある、アニメーション映画監督の新海誠。最初はMacを使って1人だけで作品を制作していたらしいが、2016年に公開した『君の名は。』が歴史的な大ヒットを記録したことで日本を代表するアニメーション映画監督として一躍時の人になった。

『天気の子』はそんな新海監督が『君の名は。』に続いて公開した第7作目のアニメーション映画だ。

2019年7月19日に全国公開された直後からスマッシュヒット。最初の3日間は前作『君の名は。』を3割近くも上回る約116万人の観客動員数を記録した。その後も快進撃を続け、週末の全国映画動員ランキングでは3週連続で1位を獲得し、公開からわずか34日という短期間で興行収入100億円を突破。日本の映画監督ではジブリの宮崎駿に続く2人目の快挙を達成した。

また、『天気の子』は海外でも熱狂的な人気があるのもポイント。世界140の国と地域で公開されることが決まっており、既に公開された国では軒並み大ヒットを記録している。特にインドでは、新海監督の熱烈なファンである現地の少年が5万人以上の署名を集めて映画の公開を誘致したというニュースが聞かれるほど話題になった。

もちろん僕もこの作品の大ファンで、『天気の子』は通算3回ほど劇場で鑑賞している。そして同時期に聖地巡礼にも積極的に出かけており、ロケ地の舞台になったスポットにも何箇所か訪れている。

それほど夢中にさせる何かが『天気の子』にはあるのだ。

ストーリーはどんな感じ?

毎回恒例のことだが、一応ストーリー冒頭のあらすじにも簡単に触れておこう。

『天気の子』あらすじ

2021年6月。神津島で暮らす高校1年生の森嶋帆高(もりしま ほだか)は家族との不和が原因で家出し、フェリー・さるびあ丸で東京にやって来た。新宿のネットカフェで暮らすが、身元不明のためアルバイトにも就けず、所持金ばかり減って生活は次第に困窮していった。

そんな折、東京に来るフェリーで知り合ったライターの須賀圭介(すが けいすけ)の言葉を思い出し、彼を訪ねた。圭介は姪の夏美(なつみ)と2人で都市伝説を扱う雑誌に記事を寄稿する零細編集プロダクションを神楽坂で営んでいた。帆高は住み込み・食事付きの条件に魅かれ、圭介の助手として働くことになった。

その夏の関東地方は、異常気象により長期間にわたって雨の日が続いていた。そんな中、一時的な晴天を呼ぶ「100%の晴れ女」の都市伝説が流れていた。帆高はある事件をきっかけに天野陽菜(あまの ひな)という少女と出会った。

事件の後、二人は代々木にある廃ビルに逃げ込む。その屋上で彼女が祈ると、それまで降っていた雨が急に止み、空が晴れ渡っていった。彼女こそが、短時間・局地的にでも確実に雲の晴れ間を作る能力を持つ「100%の晴れ女」だったのだ。

帆高と陽菜は依頼を受けて東京の各地に晴れを届ける仕事を始めるのだが、その中で世界の秘密や陽菜の能力に対する代償を知っていくことになるのだった…

というお話だ。

そういえば、新海監督は今という困難な世界情勢の中で生きる若者たちに何かエールになるようなものを贈りたくて『天気の子』を制作された、と以前に何かのインタビュー記事で読んだことがある。

ゲリラ豪雨や爆弾低気圧など、一昔前までは「異常気象」だと言われていたことが普通のこととして常態化した今日の世界の中では、僕らはどのように生きていければいいのか? その問いに対する1つの答えになるものが、この『天気の子』で語られているような気がする。

劇中に登場する主人公たちは通常の大人であればしないような行動を次々と起こしていき、最終的にはとんでもない選択をすることになるので、物語の結末に関しては賛否両論があるだろう。

しかし、観終わった後に「大丈夫。これから何があっても乗り越えていける」と前向きな気持ちにさせてくれる素敵な作品だと僕は思う。

アニメ映画では尺の都合で省略されている部分も多々ある。しかし、下記の原作小説にはそういった部分も詳細まで描かれているので、アニメ映画本編と合わせて読んでみるといいだろう。

ちなみに、作品の英題『Weathering With You』に使用されている「Weather」は、ここでは「天候」の意味の名詞ではなく、「(嵐・困難などを)切り抜ける、乗り切る」という意味の動詞になる。異常気象という未曾有の状況を二人で乗り越えていくという『天気の子』の物語にぴったりの英題だ。

『天気の子』はどこが舞台になっている?

『天気の子』の舞台になったとされるロケ地は東京の各地に点在している。

大きく分けると次の10箇所のエリアが登場する。

『天気の子』聖地の所在エリア一覧
  • (A)気象神社のある高円寺
  • (B)廃ビルのあった代々木
  • (C)帆高と陽菜が出会った新宿
  • (D)圭介の事務所がある神楽坂
  • (E)フリマやコミケットが開催されていた台場
  • (F)圭介の娘と遊んだ芝公園
  • (G)神宮外苑花火大会が開催された千駄ヶ谷
  • (H)陽菜が晴れ乞いの儀式を行った六本木
  • (I)帆高と陽菜の逃亡劇が展開された池袋
  • (J)警察とのカーチェイスを繰り広げた目白
  • (K)ラストシーンの舞台にもなった田端

この話も何かのインタビュー記事で目にしたのだが、元々新海監督は『天気の子』の舞台を決めるに当たって、東京オリンピック2020以前の東京の姿を映画に残しておきたかったのだとか。

そんなわけで、前作『君の名は。』で登場した場所も含めて、東京各地の様々な有名スポットが劇中には登場している。つまり、『天気の子』の聖地巡礼を行うだけで東京中の名所をほぼ回れてしまうというわけだ。

ちなみに、主人公・帆高の故郷である神津島もわずかながら劇中に登場している。今回の記事では紹介していないが、こちらの島も『天気の子』の重要な聖地となっている。僕もいずれ神津島を訪れて、帆高が暮らした現地の様子をレポートしたいと思っている。

なお、東京における『天気の子』のロケ地となった場所に関しては、下記の『新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド』にも紹介されている。

設定資料とも言える存在のもので、各キャラクターの詳細情報や作品制作の裏話なども記載されているので、作品のファンの方はぜひ目を通してみることをおすすめする。

天気の子聖地巡礼マップ

先述したように『天気の子』の舞台になった聖地は東京の各地に点在している。そこでまずは、各聖地の位置関係を把握してもらうために、下記に聖地巡礼マップ(東京広域)を用意させてもらった。

天気の子聖地巡礼マップ(東京広域)の画像

(A)高円寺というように記載されているのがその場所だ。この記事では番号ごとにロケ地を紹介していくので、記事を読み進める際はこのマップも合わせて確認してもらえると嬉しい。

(A)のように赤字になっている箇所は既に訪問済みとなった聖地で、一方の(D)のように青字になっている箇所は未訪問の聖地となる。今回の記事ではまず訪問済みの聖地だけを紹介していくが、未訪問の聖地に関しても取材が完了次第情報を追加していく予定だ。

(A)高円寺エリア

『天気の子』聖地巡礼の始まりは新宿の西にある高円寺から。ここには劇中で「天気の巫女(100%の晴れ女)」に関する伝説が語られていた気象神社がある。聖地の中では最も西側に位置するが、異常気象の謎を巡る物語を追体験するにはまたとないぴったりのスタート地点だ。

(1)気象神社

巡礼の始まりは気象神社から。

JR高円寺駅の南口改札から2〜3分ほど歩いた場所に氷川神社という名前の神社がある。

氷川神社の大鳥居の画像

実はこの氷川神社の境内には、日本全国で唯一となる天候を司る神社:気象神社が合座されている。

氷川神社の看板の画像

氷川神社の境内に入って左側を見るともう1つ鳥居が目に入るが、その先が気象神社の境内となる。

気象神社の入口の画像

気象神社入口の鳥居を抜けるとその奥には小さな拝所がある。

気象神社の境内の画像

この神社では八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)という名前の神様が御祭神として祀られている。「知恵の神様」として一般的に知られているが、実は日本神話でも有名な「天の岩戸事件」の際でも活躍している。

太陽神である天照大神が天の岩戸に隠れたことで世界は闇に包まれたのだが、八意思兼命が天照大神を天の岩戸から解放する知恵を考え出した。そして、世界に再び太陽の光を復活させたことから、八意思兼命は「気象の神様」としても信仰されるようになったという。

八意思兼命が祀られている拝所へと続く参道の両脇には夥しい数の絵馬が奉納されている。

気象神社の絵馬の画像

絵馬には旅行や結婚式などを控えていて晴れを願う参拝客の願いがこれでもかと書かれていた。中には『天気の子』の巡礼客と思しき人が奉納していった絵馬も見受けられた。

だが、特に僕が目を奪われたのが、「千葉県の大雨を止ませて頂きたい…」という内容の絵馬だった。

奇しくも僕が気象神社を訪れたのは2019年の11月上旬で、千葉県に大きな爪痕を残した台風や豪雨から1ヶ月ほど経った後だった。僕が住んでいる市原市は特に大きな被害を受けたこともあり、絵馬に書かれた切実な願いが酷く胸に突き刺さったのを覚えている。

『天気の子』の劇中には「天気の巫女」である陽菜に多くの人々が晴れをもたらすように願っていたが、人間が晴れを願う気持ちというのはここまで切実なものなのだと実体験を踏まえて改めて思い知らされた。

気象神社は人間と天気の関係に思いを馳せるのにこれ以上はないほどふさわしい場所だ。

ちなみに、劇中でこの神社には圭介と夏美が「100%の晴れ女」に関する情報を取材するために訪れている。そこで知る驚愕の事実が後々の展開に暗い影を落とすことになる。

(B)代々木エリア

続いて、訪れるのは代々木エリアだ。ここには『天気の子』の劇中で最も重要な場所として登場した「代々木の廃ビル」のモデルになったとされる建物が存在していた。(過去形)

(1)代々木会館(代々木の廃ビル)

「代々木の廃ビル」のモデルになった建物はJR代々木駅の近くにあった。

JR代々木駅の西口改札を出て道路に沿って新宿方面へ少し歩くと、そこにはつい最近まで代々木会館という古いビルが建っていた。その外観からかつては「代々木の九龍城」とも呼ばれ、居酒屋や立ち食い寿司、中国書専門店などが入居していたらしい。

代々木会館の外観の画像

実はこのビルこそが『天気の子』の冒頭で陽菜が「天気の巫女」として覚醒した「代々木の廃ビル」のモデルになっている。

残念ながら、僕が訪問したときには老朽化のため既に解体工事が始まっており、その後今年(2020年)の1月一杯で取り壊されてしまった。現在はもう更地になってしまったのでその姿を拝むことはもうできないが、巡礼の際に撮影した写真で廃ビルの面影を感じ取ってもらえれば幸いだ。

背後には現代を象徴するドコモのアンテナビルがそびえている。

代々木会館とドコモアンテナビルの対比の画像

古びて役目を終えたレトロな廃ビルとの対比がもののあはれ(無常感的な哀愁)を誘う。

ちなみに、『天気の子』に登場する「廃ビル」の側面には屋上まで通じる非常階段が設置されていた。劇中の終盤では帆高が陽菜を救出するために、オンボロで今にも崩れそうな階段を必死に駆け上がるシーンが印象的だったのを覚えている。

代々木会館の側面の画像

しかし、モデルとなったこちらのビルの側面には非常階段は存在しなかったようだ。

また、屋上にも目をやったものの、当然だがそこには祠は存在しなかった。

代々木会館の屋上の画像

だけど、やはりこの古びたビルには劇中に登場する「廃ビル」の面影が至る所にあった。錆びて変色した手すりや苔むした側面に、それから今にも剥がれ落ちそうな外装など。

A Gate of Weather by Alan Drake Haller on 500px.com
【500px】

今はもうその姿を目にすることはできないのが残念だが、確かにここには『天気の子』の聖地が存在したのだ。耳をすませば、帆高と陽菜がはしゃぐ声が聞こえてきそうだ。

寄り道:朝日稲荷神社(屋上祠のモデル?)

代々木会館の屋上には劇中に登場したような祠は存在しなかった。では、どこかほかにモデルとなった場所があったのだろうか?

実は候補の1つと思われる場所が銀座のど真ん中に存在する。それが朝日稲荷神社だ。

Apple銀座も軒を連ねる松屋通りを東銀座方面へ向かうと、「朝日稲荷神社」という赤く目立つのぼりとこじんまりとした鳥居が見えてくる。

朝日稲荷神社の地上拝所の画像

ここで拝んでもいいのだが、実は本当の拝殿はこのビルの屋上にある。ビルの中に入ってエレベーターで途中まで上がり、案内に沿って扉を開けると屋上まで繋がる外階段が見えてくる。

朝日稲荷神社の外階段の画像

この感じ、どことなる劇中に登場した「廃ビル」の雰囲気があるな〜と思いつつ、最後まで駆け上がると屋上にある拝殿に辿り着くことができる。

朝日稲荷神社の屋上拝殿入口の画像

そして、参拝前の準備を整えて拝殿へ進むと、下記の画像のような光景を目にすることになる。

朝日稲荷神社の屋上拝殿の画像

小さな鳥居と祠があり、その周囲を銀座の街並みが包み込んでいる。まさに都会の一角に突如として現れた神聖な場所のような空気を感じられる。

屋上祠のモデルになったというのはあくまでも憶測でしかない。しかしながら、似たような雰囲気を味わいたい方は、銀座を訪れた際に是非とも訪問してみるといいだろう。

(C)新宿エリア

続いて訪れるのは新宿エリアだ。

JR新宿駅の南口の画像

この街は神津島から流れ着いた帆高が最初に訪れた場所であり、ヒロインの陽菜と出会った場所でもある。

新宿は前作『君の名は。』でも主な舞台の1つとなった場所で、以前にこのメディアでも下記の記事で『君の名は。』の聖地を巡礼した際のレポートを紹介している。

【聖地巡礼】『君の名は。』のロケ地巡り|東京編(四谷〜新宿)

今作の『天気の子』でも街の至る所にロケ地に使われた聖地が点在している。

そんなわけで、まずは下記の巡礼マップで新宿にある聖地の位置関係を把握してもらえればと思う。

天気の子聖地巡礼マップ(新宿)の画像

大半の聖地は駅の東側である歌舞伎町周辺に位置しているが、少し外れた所にあるものもある。巡礼マップを駆使して効率よく回ってもらえればと思う。

ちなみに、去年(2019年)の7月19日〜9月1日までの間、JR新宿駅とのタイアップ企画が開催されていた。南口改札が下記のような感じで『天気の子』風の配色でデコレートされていた。

JR新宿駅とのタイアップ企画の画像

(1)マンボー 新宿靖国通り店(帆高の滞在先)

新宿に着いて最初に向かうのが、帆高の滞在先となった漫画喫茶(インターネットカフェ)だ。

新宿駅の東口を出たら歌舞伎町方面へ北上する。靖国通りに出たら歌舞伎町を左手に見ながら道に沿って四谷方面へ少し進もう。すると、右手側にマツモトキヨシが見えてくるが、その脇に店を構えている「マンボー 新宿靖国通り店」が目的地だ。

マンボー新宿靖国通り店の画像

なお、通りの反対側にはTSUTAYAがあるので、目印として覚えておくといいだろう。

神津島から家出してきた帆高はこの漫画喫茶で寝泊りしていたのだと思われる。身分証不要で利用でき、シャワーやWi-Fiも完備していることから、家で少年の帆高にとってこの漫画喫茶の存在はとてもありがたかったことだろう。

(2)歌舞伎町一番街入口

マンボー 新宿靖国通り店からは来た道を少し戻る。すると通りの反対側に赤色が特徴的の大きなゲートが見えてくるはず。

それが歌舞伎町の正面入口である「歌舞伎町一番街入口」だ。

歌舞伎町一番街入口の画像

歌舞伎町は日本最大の歓楽街としても有名な場所だが、家出してきたばかりの帆高はここでバイトを探し回っていた。最も身分証を持たず、身元不明の少年を雇ってくれる店などなく、途方に暮れていたようだが。。。

(3)天下一品 歌舞伎町店

大ゲートのある歌舞伎町一番街通りの隣にあるのがセントラルロードだ。通りの入口にはドンキホーテがあるので目印としては分かりやすいだろう。

この通りはTOHOシネマズ(新宿東宝ビル)まで続いており、ビルの屋上からはゴジラがのぞいているのが見えるはず。

道の途中には全国でチェーン展開する人気ラーメン店の「天下一品 歌舞伎町店」があるのだが、実はこの店先も聖地となる。

天下一品歌舞伎町店の画像

帆高はこの場所で警察からの職質(職務質問)を受けて逃亡している。何が何でも捕まって家に返されるわけにはいかなかったんだよな。。。

(4)アタミビル

TOHOシネマズ(新宿東宝ビル)脇の道を北上し、花道通りの1つ北側の通りへ進む。すると「利しりラーメン」というラーメン店が見えてくるのだが、その隣にあるのが次の聖地である「アタミビル」だ。

アタミビルの外観の画像

裏路地の少し分かりにくい場所にあるので、下記にGoogle Mapを掲載しておこう。

何日間も探し回るものの一向にバイトにありつけなかった帆高は、この場所でうずくまっていた。そんな中で野良子猫のアメと出会うことになる。

ちなみに、少しだけ後になるが、帆高が如何わしい店のスカウトマンの魔手から陽菜を救出したのもこの場所だった。

アタミビル前通りの画像

(5)小路(猫のアメを拾った場所)

野良猫のアメの話が出てきたので、もう1つアメに関係があると思われる場所を紹介しよう。

花道通りまで戻って叙々苑に向かおう。すると、その建物の裏には非常に狭い小路がある。おそらく帆高はこの場所でアメを拾ったのだと思われる。

アメの小路の画像1

ちなみに、小路を反対側から覗いたときに撮影した画像が下記のものだ。

アメの小路の画像2

よりカオスな感じが増しているので、こちら側から見た方が劇中のイメージには近いかもしれない。

ただし、この小路は普段店の関係者以外は使わないと思われるとても暗く寂しい場所なので、訪問の際は十分に注意していただきたい。また、店の方の邪魔にならないように配慮をお願いしたい。

(6)マクドナルド 西武新宿駅前店(陽菜のバイト先)

歌舞伎町を出たら、西武新宿駅の前にある西武新宿駅pepe前広場へ向かおう。

するとその真向かいには次の聖地「マクドナルド 西武新宿駅前店」がある。

マクドナルド西武新宿駅前店の画像

ここは陽菜がバイトをしていた場所で、帆高もこの場所で陽菜と初めて出会っている。

帆高は3日間連続でコーンポタージュで飢えを凌いでいたが、そんな状況で陽菜からもらったビックマックは本当にありがたかったことだろう。きっとものすごく美味しかったに違いない。

(7)新宿大ガード脇

マグドナルドを後にしたら、新宿駅の東と西を繋ぐ通路(新宿大ガード)を抜けて西側に出よう。

すると右手側に路地があるのだが、そこもまた聖地の1つだ。

新宿大ガード脇の画像

ここは陽菜をたぶらかそうとし、帆高に暴力を働いたスカウトマンが警察の御用になった場所だ。このことが帆高と陽菜の運命に暗い影を落とすことになるのだが…

ちなみに、物語の終盤に帆高はこの新宿大ガードの上を代々木の廃ビル(代々木会館)まで走っている。

(8)新宿の摩天楼(東京都庁裏)

新宿大ガードを抜けたら、東京都庁の裏にある新宿中央公園まで向かおう。少々歩くことになるが、次の場所が新宿巡礼の最終目的地になる。

新宿中央公園が見えてきたら、まずは水の広場へ向かおう。

新宿中央公園水の広場の画像

そこから道路を跨いで都庁方面へかかる連絡橋を渡ろう。連絡橋を渡り切った場所で上を眺めると新宿の摩天楼が天空へとそびえている大迫力の光景が見られるはずだ。

新宿の摩天楼の画像

物語の前半で帆高と陽菜は依頼を受けて天気を晴れにするという仕事をしていた。劇中には雨空だった東京の各地の空が次第に晴れ渡っていくという描写があったのだが、ここはその際に登場した場所の1つとして採用されている。

この場所に帆高と陽菜が登場していたわけではないが、ここもファンには外せない聖地の1つとしてカウントして良いだろう。

Alan
ここで1つ連絡!この後に続く、神楽坂・台場・芝公園・千駄ヶ谷・六本木・目白の5エリアのレポートに関しては現在準備中なのでご了承いただきたい。都内の状況が落ち着いたら近日中に取材を敢行する予定なので、準備が完了し次第改めて追記したいと思っている。乞うご期待いただければ幸いだ。

(D)神楽坂エリア

近日取材予定

(E)台場エリア

近日取材予定

(F)芝公園エリア

近日取材予定

(G)千駄ヶ谷エリア

近日取材予定

(H)六本木エリア

近日取材予定

(I)池袋エリア

『天気の子』聖地巡礼もいよいよ後半戦。続いて訪れるのは池袋エリアだ。

池袋は物語後半の舞台になった場所で、帆高と陽菜たちが警察の追跡から逃れるシーンで登場した。

新宿と同様、池袋はエリアが広く、『天気の子』の聖地も駅の東側と西側に点在する。そのため、下記に用意した巡礼マップで各聖地の位置を把握しておくといいだろう。

天気の子聖地巡礼マップ(池袋)の画像

(1)サンシャイン60通り

池袋駅に着いたら、まずは東口改札を出て「サンシャイン60通り」を目指そう。(※サンシャイン通りではないので注意!)

サンシャイン60通りの先にはサンシャインシティがあるのだが、その通りの途中に左側にユニクロが見えたらそこが目的の聖地だ。

劇中ではここで帆高が警察に捕まりそうになり、それを見た陽菜が通りの奥に停まっていたトラックに雷を落とすというシーンが展開されていた(ライデイン?!)。

ちなみに、このサンシャイン60通りをもう少し進むとHUMAX CINEMAという映画館がある。

去年はこの映画館でも『天気の子』が公開されていたのだが、映画館を出てすぐそこに聖地があるという嬉しい発見が楽しめた。ファンにはたまらないサービスだっただろう。

(2)ウイロード(WE ROAD)

サンシャイン60通りの聖地を訪れたら一旦駅まで戻ろう。池袋駅の東口前を走る明治通りを北上し、ニコニコの本社も入居しているPARCO池袋の別館を目指そう。駅改札の出口番号でいうと「23」の付近になる。

PARCO池袋別館の脇に「ウイロード(WE ROAD)」という駅西側に続く連絡通路があるのだが、そこが次の聖地だ。

ウイロードの中は下記の画像のように鮮やかな色彩美の壁画が続いている。

残念ながら僕が訪問したときは修復中だったが、2020年5月現在は既に修復工事が完了しており、画像の状態よりも遥かにずっと美しいものが楽しめることだろう。

さて、ウイロードを抜けると池袋駅の東側に至るのだが、地上に出ると奥には白く細長い形が特徴的な豊島清掃工場の煙突が見えてくる。

この光景も劇中には登場しており、ここで逃亡中の帆高たちは異常気象によって降り始めた季節外れの雪を眺めていた。

(3)ホテル街(帆高たちの宿泊先)

ウイロードから地上に出たら、次は東武百貨店の反対側にある東京芸術劇場の方へ向かおう。この近辺にはカフェや劇場のほかに、カップル向けのホテル(あえて名言しないが。)がいくつか営業している。

警察による追跡から逃れていた帆高たちはそのうちの1つに逃げ込んだものだと思われる。劇中では具体的なホテル名は登場しないが、その最有力候補が東京芸術劇場の裏にある「HOTEL DOMANI」だと言われている。

残念ながら大人の事情でホテル外観の写真を掲載することはできないが、ホテルの部屋の内装は劇中に登場したものと極めて酷似しているのだとか。いずれにしろ、帆高たちがここで最後の幸せなひと時を過ごしていたのだと思うと、熱くこみ上げてくるものがある。

(4)池袋警察署

池袋の巡礼で最後の聖地となるのが「池袋警察署」だ。

東京芸術劇場の正面入口がある劇場通りに面しており、南隣りの区画にあるのですぐに見つけられるだろう。

物語中で最もショッキングだった事件の後にホテルで捕まってしまった帆高は、この警察署で高井刑事から事情聴取を受けるのだが、隙を見て逃走してしまう。そして、陽菜を連れ戻すために代々木にある廃ビルを目指すのだった。

ここで注意点がひとつ。この警察署も『天気の子』の聖地ではあるのだが、歴とした警察署なので巡礼の際は警察官の方々の業務の邪魔にならないように注意しよう。くれぐれも帆高のように捕まらないように(笑)。

(5)のぞき坂

池袋の後は次のエリアとなる目白に向かうのだが、その前にもう1箇所寄っていただきたい場所がある。それが「のぞき坂」だ。

JR池袋駅から南に1.5kmほど離れた場所にあるのだが、池袋駅東口から雑司が谷を経由して20分ほどで辿り着ける。または、池袋駅から副都心線で来るという手もあるが、その場合は雑司が谷駅で降り、3番出口から目白通りに出るといいだろう。

どちらの移動手段を採るにしろ、まずは目白通りにある副都心線雑司が谷駅の3番出口に向かうといいだろう。改札の前には通りを挟んでセブンイレブンがあるのだが、その先が聖地「のぞき坂」だ。

目白通り方面からは坂上になるのだが、下記の写真のような風景が眺められる。ものすごく傾斜が急なことにビックリさせられるはずだ。

少し話は戻るが、この場所は物語前半で陽菜が東京に晴れをもたらしたときに、(C)-(8)で紹介した新宿の摩天楼と同時に登場している。

ちなみに、坂下からは下記の写真のように見える。

実は僕は真夏にこの場所を訪れたのだが、その際は道を間違えて坂の下に辿り着いてしまい、炎天下の中この坂を上がりきったという落ちがある(笑)。ただ、この坂を上がりきった後に坂上の風景を眺めるのはすごい達成感があるので、脚力に自信のある方は是非とも坂下から挑戦してみてほしい。

なお、こののぞき坂は学習院大学の裏にあるのだが、目白通りを西に進めば次の巡礼スポットである目白に辿り着ける。池袋から目白に向かうついでに寄ってみるといいだろう。

(J)目白エリア

近日取材予定

(K)田端エリア

長かった『天気の子』聖地巡礼の最後に訪れるのは、JR山手線の北端に位置する田端エリアだ。

ここにはヒロインの陽菜が住むアパートがあるという設定だが、ラストシーンが描かれた場所としても知られている。

『天気の子』の物語を語る上で絶対に外せないので、巡礼の最後に是非とも寄ってほしい場所だ。

見所は駅前の1箇所しかないが、念のためGoogle Mapも貼っておこう。

なお、去年の8月に僕が聖地巡礼でこの田端駅に訪れた際は、駅の構内に下記の写真のような感じでコラボ企画のポスターが所狭しと貼られていた。

また、僕以外の巡礼客も相当数訪れていたので、『天気の子』の人気の凄さが窺い知れた。

(1)田端駅南口周辺(エピローグ)

田端駅の南口改札を抜けると、下記のように遊歩道が伸びている。

左側を見ると秋田・上越・山形・東北の4つの新幹線の路線が並走しているが、道なりに沿って遊歩道を進んで行こう。

少し歩くと右手側に植え込みがあるのだが、ここでは初夏に綺麗な紫陽花が見られる。

そして、この遊歩道を最後まで進みきった先が『天気の子』のラストシーンが描かれた場所になるのだが…

その光景は是非ともこの場所に訪れて、自身の目で確かめてもらえればと思う。

Alan
最後の楽しみはそのときまでのお楽しみということで(笑)。たまにはこういうのもいいかなと(^^)

その代わり、もう少しだけこの場所を紹介させてもらおうと思う。

遊歩道の左手側には新幹線の線路が走っているのだが、実はその風景も重要な聖地になっている。

ただし、遊歩道からそのまま眺めると、下記の写真のように劇中に登場したコマとは一致しない。

転落防止用なので当たり前だが、フェンスが高すぎるのだ。

劇中に登場した風景と同じものを見るためには少し工夫が必要だ。まず、田端駅の南口改札前まで戻ろう。すると右手側に階段(不動坂)があるのが分かる。(この項目の最初に掲載した写真を参照。)

その階段を中程まで上がって振り返ると、下記の写真のような風景が眺められる。

『天気の子』ラストシーンの舞台の画像

これぞまさに劇中に登場したままの眺めなり。フェンスの上側と遠くに見える「あみ卯」の看板がいい感じに重なっているのが見えると思う。この場所に訪れたら是非とも見てほしい光景だ。

ただし、この階段は地元の方々がよく利用しているので、通行の邪魔にならないように配慮をお願いしたい。

ちなみに、この田端エリアに陽菜の住むアパートがあると設定されているが、モデルになったような場所は存在しないようだ。

特筆すべき観光名所もほとんどない簡素な住宅街なのだが、たまにはこういう静かな街を当てもなく散策してみるのも一興だろう。

陽菜が暮らした街の雰囲気を是非ともあなたも味わってみてほしい。

今回使用した撮影機材

今回の『天気の子』聖地巡礼の撮影では下記の機材を使用した。

相棒であるマイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ:Olympus OM-D E-M5 Mark IIと大口径広角単焦点レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0だ。

前回の『君の名は。』聖地巡礼も含め、このメディアの聖地巡礼シリーズではお馴染みの組み合わせだ。

拡張グリップとレンズをカメラに装着しても重さがわずか700gほどと極めて軽いので持ち運びがしやすいのが魅力。今回の聖地巡礼のように都内の至る所を長時間歩き回る撮影でも移動の負担にならないので、機材の重さに気を取られず巡礼自体を存分に楽しめる。

まさに聖地巡礼には一推しのコンビネーションだ。ただし、僕が愛用しているOM-D E-M5 Mark IIは既に生産完了になってしまったのが残念。。。

しかしながら、後継モデルとして発売したOM-D E-M5 Mark IIIはさらに50gも軽いのでおすすめだ。

まだ価格は少々高めだが、AF性能が優れており街中で遭遇した決定的瞬間も極めて高い確率でものにできるので、予算に余裕のある方はこちらを選んでみるのもいいだろう。

総評

今回は東京の各地に点在する『天気の子』のロケ地を巡る聖地巡礼のレポートをお送りした。

東京都内や近郊では未だ緊急事態宣言が解除されず、外出自粛の日々が続いているが、今回の記事で少しでも聖地巡礼の旅を楽しんでもらえたのであれば嬉しい。そして、平和な日常が戻ってきたときに、改めて自身の足で各エリアの聖地を訪れてその感動を味わってもらえればと思う。

奇しくもこの5月27日に『天気の子』のBlu-rayが発売される。

それを受けて改めて『天気の子』のブームが再燃して、東京の各地で聖地巡礼に繰り出す人も増えてくるだろう。それだけの魅力が『天気の子』にはある。

とはいえ、今回見てきたように『天気の子』の聖地は東京の各地に点在しており、その数も非常に多い。1日で全ての聖地を回り切るのは極めて困難なので、時間のあるときに自分のペースで少しずつ踏破してもらえればと思う。

そのためのきっかけとして、今回の記事があなたの役に少しでも立ってくれたのであれば、僕としてはこの上なく光栄だ。

ところで。

記事の中でもお話ししたように、『天気の子』の聖地は東京以外にももう1箇所存在する。それが帆高の故郷でもある神津島なのだが、この島についてもいずれ訪れて現地の様子をレポートしていきたいと思っている。

『天気の子』聖地巡礼の旅はまだ終わらない。

-To Be Continued-

3件のコメント

とても参考になりました。ありがとうございました。七月下旬に兵庫県伊丹市から行くのです。
本当は東京オリンピックのチケットが取れたので観戦目的ですが残念ながら無観客になり、泣く泣く聖地巡礼に目的変更します。あと君の名は。と言の葉の庭 も参考にさせて頂きました。お写真はとても臨場感があって今そこにわたしが居るみたいです 東京に行くのは四回目です 楽しみです

コメントありがとうございます。

>本当は東京オリンピックのチケットが取れたので観戦目的ですが残念ながら無観客になり、泣く泣く聖地巡礼に目的変更します。

なるほど…それはとても残念なことでしたね。
東京は四度緊急事態宣言に突入してしまったので、細心の注意を払って感染予防をしつついらしていただければと思います。
オリンピックは無観客になったとはいえ、期間中は相当数の人流があるのはまず間違いないので、どうかお気を付けください。

>お写真はとても臨場感があって今そこにわたしが居るみたいです

ありがとうございます!
そう言っていただけると旅行写真家冥利に尽きます。
やや時間が経って「君の名は。」や「言の葉の庭」の聖地も撮影時とは少し趣が異なっている場所があるかもしれません。
しかし、実際に訪れた際はそういったことも含めて楽しんでいただければと思います。

ただし、今東京に来るのは正直あまりおすすめできませんが…

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ABOUT US
Alan Drake HallerTravel Journalist
千葉県在住、40代独身のトラベルジャーナリスト。【世界はそれでも美しく、希望に溢れている。】をモットーに、旅行先や千葉近郊での散歩中に発見した「希望」が持てる光景の写真作品や、旅写真ライフをさらに充実させるのに役立つ情報を発信しています!