旅カメラ選びのポイント⑦ システムカメラとしての拡張性は充実しているか?

旅カメラの選び方【第7回】 Camera

旅行のパートナーに最適な旅カメラの選び方と、究極厳選したおすすめの機種をご紹介している本連載。

第6回目であった前回は、旅カメラ選びの6つ目のポイント:「可動式モニターで撮影視点を自由に変えられるか?」をテーマに、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ(以下、「マイクロミラーレス」)が持つ自由な視点で撮影できる可動式モニターについてご紹介した。

旅カメラ選びのポイント⑥ 可動式モニターで撮影視点を自由に変えられるか?

ところで、旅先で海の中でも撮影を楽しめたらと思うことはないだろうか?

南国の綺麗な海を訪れる際にシュノーケリングやスキューバダイビングを楽しむ方は多いだろうが、その素敵な海中の景色を写真に残しておけたらと思うのは当然のはず。

また、夜には見渡すかぎり一面の星空も楽しめるが、それを旅の思い出として綺麗な写真にして残しておきたいと思うはず。

これらのシーンは通常の装備や手法では撮影できないのが難点だ。しかし、マイクロミラーレスの優れた拡張性を最大限に活用すれば、そんな難しい条件下での撮影でもあっさり攻略できる。

マイクロミラーレスのカメラシステムは単に小型軽量で高画質なだけではなく、拡張性でも優れているので、旅先での様々な撮影欲求にとてもよく応えてくれるのだ。

そこで連載第7回目となる今回は、旅カメラ選びの最後のポイント:「システムカメラとしての拡張性は充実しているか?」をテーマに解説していく。あなたが旅カメラに最適なデジタル一眼カメラを見つける一助になれれば幸いだ。

Alan
ミラーレスを含むレンズ交換式カメラの真骨頂は拡張性にある。海の中でも撮影を楽しみたい、オーロラを綺麗に撮りたい、ドローンで空撮に挑戦してみたいなど。後からやりたいことが増えるのを見越した上で、レンズ交換式カメラを選ぶ時はそれに対応できる拡張性の高いカメラシステムを選ぶのがおすすだ。 @alan-d-haller

豊富なレンズラインアップ

ミラーレスを含むレンズ交換式カメラはシステムカメラとも呼ばれる。撮影する被写体やシーンに応じて、カメラ本体にレンズやアクセサリーなどを装着・交換することで対応できる機材の仕組みを持っているからだ。

レンズ交換式カメラの拡張性というとまず真っ先に挙げられるのがレンズラインアップ。レンズ交換式カメラは被写体やシーンに応じて様々な種類のレンズを換装することで多彩な表現の写真を楽しめるのが最大の魅力だ。

この連載の第1回目の記事(下記参照)で触れたように、レンズ交換式カメラには様々な種類の交換レンズが用意されている。

旅カメラ選びのポイント① レンズを交換して多彩な表現が楽しめるか?

使えるレンズの種類が多くなるほど写真表現の幅は広がるので、レンズラインアップの充実度はそのままカメラシステムの表現力の高さに直結する。特に、マイクロミラーレスにはミラーレスカメラ中で最多となる60種類を超える数のレンズが用意されている。

ニコンのZシリーズやキヤノンのEOS Rシリーズなどのフルサイズミラーレスはシステムが立ち上がったばかりのため、専用レンズのラインアップが非常に少ない。フルサイズミラーレスの先駆けとして5年に及ぶ実績を持ち、多くのサードパーティが対応レンズの開発に参加しているソニーのα7・α9シリーズであっても、マイクロミラーレスシステムほどのラインアップ充実度には至っていないのが実際だ。

純正レンズ

カメラメーカーが自社のレンズ交換式カメラ用に開発・販売しているレンズを純正レンズと言う。マイクロミラーレスのカメラは主にオリンパスとパナソニックの2社が発売しているが、システムの立ち上げから10年以上経つこともあり、レンズのラインアップが非常に充実しているのが特徴だ。

オリンパス

オリンパスが発売しているマイクロミラーレス専用の交換レンズはM.ZUIKOレンズと言うが、2019年3月現在、合計23本のレンズが現行のラインアップに用意されている。

オリンパス M.ZUIKOレンズのラインアップ

超広角から超望遠まで幅広い焦点距離をカバーしているのであらゆる被写体やシーンの撮影に対応できる。汎用性の高い高倍率ズームレンズや安価で高画質な単焦点レンズはもちろん、特殊な撮影表現が楽しめるマクロレンズや魚眼レンズも充実している。

また、機動力の高さもM.ZUIKOレンズの特徴だ。マイクロミラーレス専用設計なのでどのレンズも高画質なのはもちろん、フルサイズミラーレス用レンズの半分以下の重量・体積しかないため、軽快なフットワークを維持したままプロユースの高画質での撮影が楽しめる。

特に、下記の大口径高倍率ズームレンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROは、旅写真を生業とするプロカメラマンからも高い人気を誇っている優秀なレンズだ。

フルサイズ換算で24-200mmの幅広い焦点距離が開放F4通しで使えるのが特徴で、風景から人物、動物まで、旅先で出会うあらゆる被写体やシーンに1本だけで対応できる。また、画質が最高クラスにも関わらず重さが561gしかないので、機動力を削がれず旅を楽しむこと自体を満喫できる。

このような高画質と機動力を両立させたレンズを使えるのはマイクロミラーレスだけの特権だ。

加えて、M.ZUIKOレンズは全レンズがグレードで分けられているので、撮影用途や目的に応じて最適なレンズを選びやすいのも特徴だ。小型軽量で軽快に撮影が楽しめるスタンダードな「M.ZUIKO」、シャープさと柔らかいボケが手軽な価格で楽しめる高画質単焦点レンズの「M.ZUIKO PREMIUM」、そして、最高クラスの光学性能とタフネス性能を備えたプロフェッショナル仕様の「M.ZUIKO PRO」の3系統だ。

かつてオリンパスはOM-Dの前身となったフィルム一眼レフカメラのOMシリーズを扱っていた時代に、「宇宙からバクテリアまで」という製品コンセプトを掲げていた。M.ZUIKOレンズにはそのコンセプトを具現化できるだけのラインアップの充実度があると言える。

Alan
オリンパスのM.ZUIKOレンズには旅写真の撮影で重宝するレンズが数多く用意されている。機会を改めて近い内に、M.ZUIKOレンズのラインアップの中から僕がおすすめする旅に最適なレンズを紹介しようと思うので、どうぞ乞うご期待! @alan-d-haller

パナソニック

パナソニックが発売しているマイクロミラーレス専用の交換レンズはLUMIX Gシリーズレンズと言うが、2019年3月現在、マイクロフォーサーズ規格で最多となる合計31本のレンズが現行のラインアップに用意されている。

パナソニック LUMIX Gシリーズレンズのラインアップ

パナソニックのLUMIX Gシリーズレンズも超広角から超望遠まで幅広い焦点距離のレンズをラインアップに揃えている。オリンパスのM.ZUIKOレンズと比べると、より小型軽量なレンズや電動ズームレンズ、望遠ズームレンズの選択肢が豊富なのが特徴だ。

また、レンズのグレードが3系統に分かれているのも同様。スタンダードの「Gレンズ」、高い描写力を持つ「Xレンズ」、そしてドイツの名門カメラメーカー:ライカ社の厳しい基準を通過したハイエンドの「LEICA DGレンズ」 (通称:パナライカ)だ。

中でもLEICA DGレンズの描写力の高さは定評があり、プロカメラマンの中にも愛用者が数多くいる。特に、下記の超大口径中望遠単焦点レンズ:LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.は、ライカレンズ特有の立体感と柔らかいボケ味を同時に楽しめることから、ポートレートや花の撮影で重宝されている。

パナソニックは2008年に世界で初めてミラーレスカメラを発売したことで知られている。盟友オリンパスを含む他社がまだ一眼レフカメラに軸足を置いていた時代に、パナソニックはミラーレスカメラにリソースの大部分を集中させることで、かなり早い段階で専用レンズのラインアップを充実していた。その結果、ミラーレスカメラ全盛の現代では屈指の豊富な種類のレンズを楽しめるわけだ。

ちなみに、レンズ互換性の高さもマイクロミラーレスの大きなアドバンテージの一つだ。手ブレ補正や色収差補正に関する機能の制限は一部あるものの、これらのレンズはオリンパスのマイクロミラーレスカメラでも装着・使用ができる。その逆として、当然オリンパスのM.ZUIKOレンズをパナソニックのカメラで使うことも可能だ。

サードパーティ

マイクロミラーレスには、オリンパスやパナソニックなどの純正メーカー以外にも、数多くのメーカーがサードパーティとしてレンズを提供している。マイクロフォーサーズはオープン規格のため、純正メーカー以外でも規格に賛同しさえすれば、カメラ本体と完全に互換性のある高性能なレンズを開発できるのがその理由だ。

下記のページに掲載されているレンズ一覧では、純正レンズと同時に、マイクロフォーサーズ規格に賛同するサードパーティが発売しているレンズも同時に確認できる。

マイクロフォーサーズレンズラインアップ

2019年3月現在、規格に賛同するサードパーティ各社からは合計11本のレンズがリリースされている。どのレンズは純正レンズにはない焦点距離や開放F値、独特の描写特性を持っているので、純正レンズを使用するのとは少し違った表現を楽しめる。

僕個人としては、超大口径のボケ描写が楽しめるフォクトレンダーの開放F0.95シリーズや、周辺部の歪曲収差がほとんど見られない興和光学の広角レンズシリーズが特におすすめだ。

ちなみに、マイクロフォーサーズには規格に正式賛同するメーカー以外にも、いくつかのレンズメーカーが対応レンズを開発している。

歪曲収差を抑えた超広角レンズを発売しているLAOWA(Venus Optics)や、超大口径の単焦点レンズを発売している中一光学、安価で高画質な対角魚眼レンズを発売しているKamLan(Machang Optics)など数社がある。これらは中国や台湾発のメーカーだが、プロユースの高画質が得られるにも関わらずリーズナブルな価格で購入できるのが人気だ。

これらのレンズを含めると、マイクロミラーレスの対応レンズは70本近くにまで達する。これほどの豊富なレンズラインアップを提供しているミラーレスカメラシステムは他にはない!

レンズラインアップの充実度だけを見ても、マイクロミラーレスがトップクラスの拡張性を備えていることが十分にお分りいただけるだろう。

充実したカメラアクセサリー

交換レンズだけではなく、カメラ本体に装着して使用するオプションのカメラアクセサリーが充実しているのもマイクロミラーレスの魅力だ。

ここでは、持っていると旅写真の撮影で重宝するカメラアクセサリーとして、縦位置グリップ外部フラッシュ防水プロテクターの3つを紹介する。どれもマイクロミラーレスの表現領域を拡大してオリジナリティのある旅写真を撮影するのに効果的なアイテムだ。

カメラとレンズだけでも写真は撮影できる。しかし、これらのカメラアクセサリーを使用することで、通常は撮影が困難な状況でもより簡単かつ確実に目的とする写真が撮れるようになる。

Alan
同じマイクロミラーレスでもエントリークラスのカメラでは、オプションのカメラアクセサリーが少なかったり対応していなかったりする場合が多々ある。写真は長く続けるほど新しい被写体やシーンの撮影にも挑戦したくなるので、先を見越して多くのカメラアクセサリーに対応するミドルクラス以上の機種を選ぶのがおすすめだ。 @alan-d-haller

縦位置グリップ

自然の豊かな観光地では夜に綺麗な星空を楽しめるのも魅力の一つ。例えば、ニュージーランドのテカポ湖は「世界一綺麗な星空」や「星空の世界遺産」と話題になるほど、旅行者の中で多くの人気を集めている。

こういった星空の撮影をする際に持っていると役に立つのが、下記のような縦位置グリップだ。

星空の撮影では星明かりしかないほぼ暗闇の中で行うので、十分な光量を確保するために1分を超えるシャッター速度を多用する。さらに、星の流れる軌跡を写し止めるためには30分を超える長時間露光が必要になる。その間にバッテリーが尽きても途中で交換はできないのが星空撮影の難点だ。

ところが、ミラーレスカメラは液晶モニターや電子ビューファインダーの使用で一眼レフカメラよりも大幅にバッテリーを消耗するため、稼働時間が短く、こういった長時間に及ぶ撮影は通常は苦手だ。また、寒冷地ではバッテリーの減りが速くなるため、より不利となる。

しかし、縦位置グリップがあれば、ミラーレスカメラが持つこの弱点を克服できる。

縦位置グリップの中に予備バッテリーを格納して使えるので、カメラ内のバッテリーと合わせて2倍以上の稼働時間を確保できる。つまり、バッテリーの消費を過剰に気にすることなく星空の撮影が存分に楽しめるのだ。

また、この縦位置グリップは星空の撮影以外にも様々なシーンで活躍する。

旅先で出会った風景や人物のポートレートを撮影する際、構図のバリエーションを増やすために縦位置で撮影することがある。そんな時に縦位置グリップがあれば、縦位置でも通常の横位置と同じようなホールディングで楽に撮影できる。多少カメラ本体が大きくなってしまうのが難点だが、どちらの持ち位置で構えても姿勢が安定するので、手ブレもより効果的に抑えられて高画質な写真が撮れるのも魅力だ。

外部フラッシュ

暗い建物の中での撮影や逆光下でのポートレート撮影など、輝度差のあるシーンでの撮影では下記のような外部フラッシュ(ストロボ)があると便利だ。

景色の中に明るい部分と暗い部分が同居した場合、カメラは人間の目と同じように両方をバランスの良い明るさで記録することはできないという性質がある。暗い部分を優先した露出で撮影すれば明るい部分が白飛びしてしまい、逆に明るい部分を優先した露出だと暗い部分が黒つぶれしてしまう。

こういった輝度差のあるシーンで人間の目で見た明暗差のバランスに近付けて撮影するためにあるのが外部フラッシュだ。外部フラッシュを駆使すれば明るさの足りない部分の光を補ったり、自分で好みの光の状況を作り出したりができるので、表現の自由度が大幅に向上する。

また、外部フラッシュのもう一つの性質として、フラッシュ光が当たった被写体の動きを止めるというものがある。降りしきる雪や舞い落ちる桜の花びらも一瞬で動きを止めて撮影できるので、風景や鉄道の撮影で雪や桜吹雪をアクセントとして加えたい時などに効果的だ。

寺社仏閣などの歴史的な建造物や美術館では、装飾や貯蔵品の保護のためにフラッシュの使用が禁止されている場合が多々あるので訪問の際には必ず確認しておこう。また、走行中の列車の操縦席に直接フラッシュを当てるのは危険なので止めよう。発光の際はフラッシュの照射口を上に向けるなどの対策を忘れずに。

防水プロテクター

南の島と訪れる際の最大のお楽しみといえば、間違いなく海でのアクティビティだろう。透き通ったマリンブルーの景色の中を鮮やかな彩色の魚たちと一緒に泳ぎ回るシュノーケリングやスキューバダイビングは人生に最高のリフレッシュをもたらしてくれる。

旅の思い出として残すために海中の素敵な景色を写真にも撮っておきたいと思う人も多いはず。しかし、ミラーレスカメラも電気で動く精密機器であるため、そのまま海に入れては当然故障してしまう。かといって、防水スマートフォンや防水コンパクトカメラでは画質があまり良くないのでいまいち満足できない…

そんな時にあると役に立つのが、ミラーレスカメラでの水中撮影の必須アイテム、防水プロテクターだ。

このような、カメラに専用設計された防水プロテクターを装着すれば、水の中でも故障を気にせず存分に撮影が楽しめるようになる。多彩なレンズの交換もサポートしているほか、各種ボタンも押しやすいようにデザインされているので、陸の上に近い操作感覚で水中撮影ができるのも魅力だ。

ちなみに、オリンパスは全カメラメーカーの中で、唯一自社のミラーレスカメラ専用の防水プロテクターを開発しているメーカーとして知られている。専用設計なので操作感も素晴らしく、価格もサードパーティが開発する防水プロテクターと比べて半額以下なので、手軽に水中撮影が始められる。

さらに、オリンパスは機材を充実させるだけではなく、水中撮影の楽しさを伝えるイベントを積極的に開催していることでも有名だ。以前執筆した下記の記事ではその模様をレポートしてあるので、水中撮影に興味のある方はぜひこちらも目を通していただくと良いだろう。

レポート:オリンパスプラザ東京 水中フォトフェスタ 2018

新境地を開くコンビネーションシステム

これまでレンズラインアップとカメラアクセサリーの観点からマイクロミラーレスの拡張性の高さを見てきた。しかし、マイクロミラーレスシステムが持つ拡張性の高さはこんなものではない。

マイクロフォーサーズはオープン規格、そしてマイクロミラーレスはミラーレスカメラ中で最多となるレンズラインアップを提供していることは先に述べた。これらのレンズは単にミラーレスカメラに装着して使う以外にも別の活用方法が存在するが、実はそれこそがマイクロミラーレスの真骨頂なのだ。

シネマカメラ

マイクロミラーレスシステムが持つ拡張性の真骨頂としてまず挙げられるのが、シネマカメラでのマイクロフォーサーズレンズの活用だ。

レンズ交換式カメラに動画機能が搭載されてから10年が過ぎて動画撮影がより身近になったこともあり、最近は写真だけではなく動画も撮影したいというユーザーが増えてきた。

スマートフォンやミラーレスカメラでも高画質な動画が手軽に撮れるが…旅先で出会った絶景やドキュメンタリーを本格的な映像作品として残しておきたいと思った時、通常のミラーレスカメラでは画質や機能が今ひとつ物足りなく感じてしまうことがある。

そんな悩みを解決してくれるのが下記のシネマカメラ:Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K(BMPCC4K)だ。

シネマカメラとは、文字通り、プロユースの映像制作にも対応できる本格仕様の動画専用機のことだ。写真撮影と動画撮影では求められる操作が若干異なるが、動画撮影時に操作しやすいようにボタンやメニュー表示などの各種インターフェースがデザインされている。

さらに、RAWファイルでの動画記録が可能なのも特徴だ。動画撮影に特化したマイクロミラーレスというとLogファイルでの記録が可能なパナソニックのGH5シリーズが人気だが、BMPCC4Kではより広い色情報の記録に対応している。その結果、カラーグレーディング時に大規模な編集を加えても画質が劣化しにくいので、映像制作の自由度をさらに向上させることができるのだ。このように、GH5シリーズより動画撮影機能が高性能にも関わらず、価格的にはGH5シリーズよりも一回り安いのもポイントだ。

そして極め付けが、このBMPCC4Kではマイクロフォーサーズレンズを装着して活用できること。フォーサーズセンサーの全画素で記録できるのでレンズの画角をそのまま生かせるのはもちろん、手ブレ補正機構を搭載するレンズならば手ブレ補正にも対応するので、マイクロフォーサーズレンズが持つ高いポテンシャルをフルに発揮して映像制作ができるのだ。

業務用のシネマカメラと比べて圧倒的に小型軽量なのも特徴。マイクロミラーレスカメラで撮影するのと同じような軽快なフットワークで本格的な映像制作を手軽に楽しめるのがBMPCC4Kの最大の魅力だ。

ドローン

マイクロミラーレスシステムが持つ拡張性の真骨頂は他にもまだある。マイクロフォーサーズレンズのポテンシャルをフルに発揮すれば、ドローンを使った空撮にも対応できる。つまり、マイクロミラーレスでいつも使用しているレンズがドローンにも活用できるということだ。

それが下記のドローン:DJI INSPIRE 2だ。

このドローンのジンバルカメラにはマイクロフォーサーズマウントが採用されている。M.ZUIKO PROなどの比較的大きなレンズには対応していないが、M.ZUIKO PREMIUMなどの小型軽量なレンズであれば十分に空撮で活用できる。

また、ジンバルカメラにはフォーサーズのイメージセンサーが搭載されているのも特徴。通常プロの空撮カメラマンが使用するのは1インチセンサーを搭載するMavic 2 ProやPhantom 4シリーズが主だ。しかし、INSPIRE 2はそれらの倍近い大きさのセンサーを搭載しており、マイクロフォーサーズレンズの高画質も相まって、圧倒的な画質差で撮影ができる。

ただし、価格が約60万円と、フルサイズ一眼レフのフラグシップ機並みに高価なのが難点。加えて、操縦も2オペレーション(二人操作)が基本となり、ドローン操縦とカメラ撮影の両方である程度のスキルが要求されるので、空撮初心者には敷居がやや高いのも残念なポイントだ。

とはいえ、マイクロミラーレスカメラでいつも使用しているマイクロフォーサーズレンズがドローンでの空撮にも活用できるのは、カメラシステムという観点で考えれば非常に画期的なことだ。

改めて、こんなすごいカメラシステムは他にはない!

総評

今回はマイクロミラーレスが持つ拡張性の高さについて解説してきた。

マイクロミラーレスはミラーレスカメラ中で最多となるレンズラインアップを持っているので、超広角から超望遠はもちろん、魚眼やマクロなども含めて多彩な写真表現を楽しめるのが第一の魅力だ。

さらに、縦位置グリップや外部フラッシュはもちろん、専用設計の純正防水プロテクターまでも完備されているので、旅先で出会うありとあらゆる被写体やシーンの撮影に対応できる。

そして極め付けが、マイクロミラーレスで使用するマイクロフォーサーズレンズはシネマカメラやドローンにも活用できることだ。いつも使用しているマイクロミラーレスとレンズを共用できるのは、他のカメラシステムにはない大きなアドバンテージだ。

写真を長く続ければ続けるほど自分独自の表現を開拓したくなるので、新しい被写体や未知の撮影領域に挑戦したくなるもの。趣味やライフワークとして本格的に旅写真を楽しみたいのであれば、それを見越した上でマイクロミラーレスのように拡張性の高いカメラシステムを選ぶのがおすすめだ。

さて、今回までで旅カメラを選ぶ際に重要となるポイントは全て網羅してきた。かなりの熱がこもってしまったため各回ともかなりの文章量になってしまったが(笑)、この連載もついに次で最後だ。

連載最終回となる次回はいよいよ、今回まで解説してきた選び方のポイントを踏まえた上で、僕がおすすめする究極の旅カメラ2機種を詳しく紹介していく。

どうぞ乞うご期待!

★連載最終回の記事はこちら↓↓↓

【2019年版】旅行におすすめな究極のミラーレスカメラ|厳選2機種!