【レポート】オリンパスプラザ東京 水中フォトフェスタ 2018

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「オリンパスと言えば水中写真」というイメージを持っている方も多いはず。

カメラメーカーの中で唯一自社のミラーレス一眼カメラ向けに専用防水プロテクター(防水ハウジング)を発売し、多くのプロの水中カメラマンに愛用されていることもあり、オリンパスは水中写真に対するこだわりがとても強い。

そのこだわりを一際強く感じられるのが、毎年7月に東京(新宿)と大阪(阿波座)にあるオリンパスプラザで開催される「オリンパス水中フォトフェスタ」だ。水中写真や水中撮影の楽しさを広げるという主旨で開催されるイベントで、人気の水中プロカメラマンを招いて写真作品の展示やトークショーが行われている。また、一般向けに水中写真コンテストやダイビングライセンスの取得案内セミナーなども開催されている。

オリンパスプラザ東京では、今年は7月6日から7月11日の6日間に渡ってオリンパス水中フォトフェスタが開催されていた。僕は8日にイベントに訪問したのだが、その時の会場の様子などを簡単にレポートしていこうと思う。

水中写真が好きな方や水中撮影に興味を持っている方は、ぜひ参考にしていただけると嬉しい。

水中写真展

オリンパスプラザ東京に入場すると、入口から少し奥に行ったところにギャラリースペースが設置されている。

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イベントの会期中は「水中写真展」という企画展示が開催され、清水淳氏、戸村裕行氏、鈴木あやの氏、むらいさち氏の合計4人の水中プロカメラマンによる水中写真の作品が展示されていた。

各写真家ごとに強く個性が出ており、同じ水中写真というジャンルでもこれほどまでに作風が違ってくるものかと、強い印象を受けたのを覚えている。

特に、清水淳氏の作品は背景や色、そしてフラッシュの調光具合などに並々ならぬこだわりが見受けられた。ずっと見ているとその世界観の奥深さに引き込まれ、ぜひ僕も水中撮影を始めてみたいと思ったほどであった。

会場では写真撮影は可能だったのだが、作品ごとの模写は禁止されていた。そのため、作品展示の雰囲気だけ掲載させてもらう。なお、お四方のプロファイルや作品詳細に関しては、追記する各方のオフィシャルウェブサイトをご参考いただければと思う。

清水淳氏

Shimizu Jun Official Web Site

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戸村裕行氏

水中写真家・戸村裕行 OFFICIAL Website

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鈴木あやの氏

鈴木あやの Official Website

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むらいさち氏

写真家むらいさちのホームページ

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水中機材の展示

ギャラリーの外ではオリンパスが発売している水中撮影機材が展示されていた。

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オリンパスの水中撮影機材は、サードパーティーのものと比べて半額近く安い。しかし、純正だけあってカメラへの最適化は絶妙で、使い心地も非常に良いという声が多く見受けられる。

実際僕もOM-D E-M1 MarkⅡの専用防水プロテクターを手に持ってみたのだが、それほど重さは感じなかった。加えて、シャッターボタンを始めとする操作系も違和感はなく、陸上撮影時に近い感覚で撮影できそうな印象だった。

カメラの展示スペースには、オリンパスの防水プロテクターの歴史を一覧できる展示が設けられていた。

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オリンパスは初の純正防水プロテクターとして、1997年にCAMEDIA C-420L/820L専用の防水プロテクターPT-001をリリースした。それから約20年間に渡る機材の進化を防水プロテクターの実機を交えながら追える内容だった。

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また、セミナースペースの脇にはプロカメラマンの清水淳氏が普段使用しているダイビング機材の参考展示もされていた。

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むらいさち氏トークショー:ファンタシーな海辺の風景撮影術

僕がイベントに訪れた8日は、むらいさち氏と清水淳氏によるトークショーが開催されていた。

むらいさち氏はふんわりとした作風が特徴の水中カメラマンだ。ソフトフォーカスフィルターを使用したような幻想的で優しい世界観の水中写真は、女性を中心に多くのフォロワーがいる。

今回のトークショーでは、「ファンタシーな海辺の風景撮影術」と題して、海の中だけではなく海辺で撮影できる風景も交えつつ、撮影の魅力を語られていた。

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インスタ映えに学ぶ撮影術

前半では、最近もよく耳にする「インスタ映え」をテーマに、「いいね!」を多くもらえる秘訣について楽しく話されていた。

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氏によると、インスタグラムで「いいね!」が多く付いている写真にはいくつかの共通点があるという。それは以下の4点だそうな。

 

インスタグラムで「いいね!」が多く付く写真の共通点
  • 伝えたいことが明確
  • シンプルな構図
  • 色の強調
  • 誇張する

特に、色を強調する際は「アートフィルター(ポップアート)」をよく活用されているらしい。

また、海辺の広大な風景を撮影するときのコツとして、画面の端に点景として人物を小さく配置するとストーリー性が出てくるのでおすすめだとも解説されていた。

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おまけで、魚眼レンズで風景を撮影する際は画像のように人物をジャンプさせるとコミカルな作品になるという裏技を紹介されていた。

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海辺と水中の風景写真

後半は、いよいよ氏の真骨頂である水中の風景写真も交えて話が進められた。

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ハンマーヘッドシャークの大群などの珍しい水中風景の写真を見つつ、作品の撮影エピソードなどを聞けたので、とても参考になった。

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また、海辺の風景写真ということで、とある南の島で見られる素晴らしい海辺の星空を撮影した作品も見せていただけた。

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ギャラリートーク

トークショーの後はギャラリースペースに場所を移して、ギャラリートークが行われた。

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10分という短い時間ではあったが、展示してある氏の作品について詳しく話を伺えたのでとても満足だった。

清水淳氏トークショー:お勧めダイビングスポットでOM-Dを使う理由

続いて、セミナースペースでは清水淳氏によるトークショーが開催された。氏は水中撮影の第一人者で、オリンパスの防水プロテクターのカタログにも作例を掲載しているほどだ。

トークショーでは「お勧めダイビングスポットでOM-Dを使う理由」をテーマに、作品のギャラリートークも交えつつ、水中撮影におけるOM-D E-M1 MarkⅡの魅力や実践的な撮影テクニックについて解説されていた。

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独自のフラッシュシステムを開発

普段は広角レンズで撮影することが多いという氏だが、今回はギャラリーに訪れたファンの要望を受けて、マクロ撮影にも挑戦してみたとのこと。

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今回の撮影のために、独自に機材をカスタマイズして、水中撮影用のマクロツインライトシステムを用意したらしい。

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また、広角撮影でも機材に工夫をされていて、画像のような超ロングアームのフラッシュシステムを自前で開発されたとのこと。

このシステムによって左右後方から広い範囲にフラッシュ光を当てることが可能になるため、超広角レンズを使った撮影でも画像の端まで満遍なくフラッシュ光を行き渡らせられる。結果、カラーバランスを維持しつつ水中の色彩を鮮やかに再現できるということだ。

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水中撮影におけるOM-D E-M1 MarkⅡの魅力

トークショーの中ではOM-D E-M1 MarkⅡに関する話題が何度か取り上げられていたが、氏が語る水中撮影におけるOM-D E-M1 MarkⅡの魅力は次の3点だった。

水中撮影におけるOM-D E-M1 MarkⅡの魅力
  • 水中オートホワイトバランスが非常に便利
  • 高感度でも高画質でISO6400が常用できる
  • F1.8の明るい魚眼レンズを手ブレ補正ありで使える

特に、水中オートホワイトバランスについては非常に高く評価されていた。

マクロなどの近接撮影では被写体に至近距離からフラッシュを発光するためカラーバランスは崩れにくい。しかし、広角撮影ではフラッシュ光が画面の端まで行き渡らず、フラッシュ光が届かない部分や弱い部分はカラーバランスが崩れて青くなってしまう。

ところが、オリンパスのカメラに搭載されている水中オートホワイトバランスがあれば、フラッシュ光の届かない範囲でもカラーバランスを維持しつつ鮮やかな色彩を自動で再現できるとのこと。

また、この水中オートホワイトバランスは周りの環境やフラッシュの発光状態に合わせてカラーバランスを調整するため、上記で触れた広角撮影用の超ロングアームシステムと組み合わせれば、より効果的に水中の風景を再現できるとのこと。

水中撮影で心懸けていること

加えて、トークショーの中では氏が水中撮影で心懸けている3つのことについても語られていたので、参考に掲載しておく。

水中撮影で心懸けていること
  • ピントを被写体にしっかりと合わせる
  • 背景の構成や色にこだわる
  • 被写体と背景の明るさを適切に表現する

水中撮影では水の流れで体勢が定まらないため、手ブレやピンボケが起こりやすい。それらを防止して被写体にしっかりとピントを合わせるためには左手の使い方が重要だと氏は言う。

できるかぎり海底に寝そべって、左手はカメラを下から支えこむようにホールディングするのが効果的らしい。

また、被写体に対する背景の比率や背景の色は水中写真でも重要なテーマで、常に気にかけていると氏は語る。

明るさも作品においては重要なテーマで、被写体の明るさはフラッシュの調光補正で決め、背景の明るさは露出補正で決めているとのこと。

これは地上のフラッシュ撮影でも共通する基本中の基本だが、氏の話を聞いてフラッシュ活用の重要性を改めて強く意識することができた。

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水中フォトコンテスト講評と選考ポイント

トークショーの後にはそのまま清水淳氏の進行で水中フォトコンテストの講評会が開催された。一般から募集した水中写真の作品の中から入賞したものについて、高く評価したポイントやレベルアップするためのアドバイスが語られていた。

氏によると、コンテストで入賞作品を先行する際は以下の3点を評価の基準にし、条件を満たしていないものから外しているとのこと。

コンテスト選考基準(一例)
  • 被写体にピントはしっかり合っているか?
  • 背景の構成や色に気を配っているか?
  • 被写体がわかりやすい位置に配置されているか?

絶対というわけではないが、これらの条件を踏まえた上で作品を撮影すれば、選考で上位に残る確率を多少は上げられるはず。これから写真コンテストへ応募を始めようと思っている方は、ぜひ参考にしてみると良いだろう。

ちなみに、今回入賞されていた作品の中には防水コンパクトカメラのTough TG-5で撮影されたものが複数見受けられた。大きいサイズのイメージセンサーを搭載するOM-Dシリーズにも引けを取らない画質だったので、改めてオリンパスのカメラの素晴らしさに強く魅了された次第である。

おまけ:参加特典

トークショーでは所有している水中撮影機材に関するアンケートが行われていたのだが、回答したところ以下のようなノベルティをもらうことができた。

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OM-D E-M1 MarkⅡのカタログデザインを採用したクリアファイルと、オリンパスの水中撮影システムをモチーフにした特製クッキーだ。

クッキーは思いのほか美味しかったのが驚きだった。また、クリアファイルは大事に使わせてもらっている。

水中写真や水中撮影の魅力に触れられるとても有意義なイベントだった。ぜひ僕も防水プロテクターを購入して水中撮影を始めたいと思う。

母方の親戚がフィリピンの有名ダイビングスポットの一つであるハンドレッドアイランド(Hundred Islands)に住んでいるのだが、そこに撮影に行ってみるのもいいかもしれない。

でも、その前にダイビングのライセンスを取らねばな(^o^A;;;

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Alan Drake HallerTravel Journalist
千葉県在住、40代独身のトラベルジャーナリスト。【世界はそれでも美しく、希望に溢れている。】をモットーに、旅行先や千葉近郊での散歩中に発見した「希望」が持てる光景の写真作品や、旅写真ライフをさらに充実させるのに役立つ情報を発信しています!