レポート:オリンパスプラザ東京 フォトパスファンフェスタ 2018(前編)

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オリンパスといえば、OM-DやPENなどの小型軽量ながらも高性能なミラーレス一眼カメラを発売していることで人気のカメラメーカーだ。僕もOM-Dシリーズを旅カメラに愛用しており、その品質や描写性能の高さにはとても満足している。

ただし、オリンパスは単に高性能なカメラを提供しているわけではない。オリンパスは自社のカメラのユーザー向けに、ユーザー間の交流の場としての独自のSNSコミュニティを用意している。それが「フォトパス (Fotopus)」だ。

Fotopus

そこでは、自分の作品を公開して他のユーザーと評価し合ったり、オリンパスが主催するフォトコンテストに挑戦できたり、撮影ジャンルごとのカメラの使い方を学べたりと、写真を総合的に楽しめる環境が充実しているのだ。

また、会員向けに様々な特典が用意されていることも魅力だ。プロカメラマンが講師を務める写真講座で受講料が割引になったり、コミュニティでの他のユーザーとの交流やミニゲームでもらったポイントを使ってオリンパスの直販ショップサイトで機材を安く購入できるなどだ。

そんなお楽しみ要素盛りだくさんでお得なフォトパスだが、実は年に1度、夏に大々的なオフラインイベントを開催している。それが「フォトパスファンフェスタ」だ。

今年も7月21日に新宿のオリンパスプラザ東京で「フォトパスファンフェスタ 2018」が開催された。僕も参加してきたので、イベントの様子を今回から前編と後編の2回に分けてレポートしていく。記事を通じてオリンパスが提供する多彩な写真文化の楽しみを感じてもらえればと思う。

フォトパスグランプリ1stステージ写真展

オリンパスプラザ東京に入場すると、カメラやレンズの展示スペースの奥に作品展示用の部屋「オリンパスギャラリー」がある。そこでは、フォトパスで開催されたフォトコンテストで1stステージまで残った優秀作品や、各テーマの中から厳選された受賞作品が展示されていた。

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会場では写真撮影は可能だったのだが、作品ごとの模写は禁止されていた。そのため、作品展示の雰囲気だけ掲載させてもらう。

その作品数たるや、なんと104点! どの作品もクオリティや世界観が秀逸で、非常に見応えがあった。

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特に、ギャラリーの入り口付近に展示されていたテーマ「Beautiful Japan」の優秀作品(画像最左上)で、白銀の世界に佇む冬の金閣寺の作品はとても幻想的で趣があった。

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また、「ニッポンのローカル線フォトコンテスト 2017」で受賞した作品が展示されている「夏のローカル線」コーナーも素晴らしかった。

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特に、画像中央上にある川面すれすれからローアングルで鉄橋を撮影した作品は構図が秀逸で、画像から川の流れる音が聞こえてくるほどの臨場感があり、とても印象的だった。

僕個人としても鉄道写真は大好きで、たまに地元にある小湊鉄道で撮影しているので、構図や世界観などとても良い勉強になった。

Fotopus Salon Award 2018 1stステージ受賞作品個展

ギャラリールームの向かって左手には「クリエイティブウォール」という、今注目の写真家の作品を展示するスペースが設けられている。ここでは今回、Fotopus SalonでWeb写真展を開催された方の中からプロカメラマンの審査により選ばれた方の個展が開催されていた。

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フォトパスではプレミア会員向けにウェブ上に設置したバーチャルサロン「Fotopus Salon」で写真展を開催できるサービス「Web写真展」が提供されている。

Fotopus Salon

ウェブ上の写真展なので、設置費用などがかからず気軽に自分の写真展を開催でき、インターネットを通じて日本だけではなく世界中のフォトパスユーザーにも公開できるというメリットがある。

Fotopus Salonではフォトパスファンフェスタに先駆けて「Fotopus Salon Award 2018」というWeb写真展のコンテストが開催されていた。このコンテストでグランプリを獲得すると、実際にウェブではなくリアルの場で個展を開催できる権利が得られる。すなわち、フォトパスファンフェスタの期間中にオリンパスプラザ東京のクリエイティブウォールで、自分の作品のプリント20点を展示公開できるのだ。

そんな経緯の中、今回のWeb写真展コンテストで見事グランプリを獲得したのはフォトパス会員のVOLVOさんで、クリエイティブウォールでは彼の作品を鑑賞することができた。

VOLVOさんは滋賀県に在住の方で、今回の写真展では琵琶湖のパワースポットとしても有名な、湖上に建つ白鬚神社の鳥居をテーマに作品を展示されていた。

白鬚神社の鳥居は撮影スポットとしても定番の場所で、これまでにも様々な写真家が撮影してきた作品をいくつも見てきた。しかし、VOLVOさんの作品はそれどれも違う独特の世界観があり、何よりとても多彩だった。

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まさか湖上の鳥居一つでここまでの表現のバリエーションを出せるとは思いもしなかったのだ。色々とお話しを聞いてみたところ、多重露光や露光間ズームなどのテクニックを積極的に活用されているとのことだった。

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しかし、それらはあくまで表現手法の一つにすぎず、VOLVOさんの真骨頂はその発想力の豊かさにあるのだと思った。まず求める作品のイメージを明確にした上で、その実現のために必要な撮影テクニックを習得する。

表現者としては基本的なことなのかもしれないが、VOLVOさんの個展を通じてその大切さを再認識できた。また、それと同時に、「写真は自由に表現して良いものだ」ということも改めて実感することができた。

F1.2大口径単焦点レンズシリーズ タッチ&トライコーナー

フォトパスファンフェスタ 2018の会場は地下1階の「オリンパスプラザ東京」以外にも、普段は修理の相談などを受け付けている「サービスステーション」がある同じビルの17階にも設けられていた。

今回のフォトパスファンフェスタ 2018では来場者特典としてフォトパスポイント3000点や、プレミア会員限定でOM-Dのロゴが入ったペットボトルホルダーなどが配布されていたが、17階の会場ではそれらの特典を受け取ることができた。

また、実はこちらが本題なのだが、M.ZUIKO PRO F1.2レンズシリーズのタッチ&トライコーナーも設けられていた。

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これはF1.2という超大口径の単焦点レンズシリーズなのだが、現在までに準広角の17mm、標準の25mm、中望遠の45mmの3本がラインアップされている。

その特徴は独特のボケ質にある。ピントが合った部分は極めてシャープなのだが、アウトフォーカス部分は自然に溶け込むように滑らかにボケていく描写特性があるので、まるで背景から被写体が浮き出てくるような臨場感を楽しめる。

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昨年の発売以来とても人気のあるレンズなのだが、このコーナーではそれら3本のM.ZUIKO PRO F1.2レンズを実際に試用できるようになっていた。

また、レンズ開発者の方々もスタンバイされていたので、レンズを試用しながら、描写特性や活用シーンなどのレンズに関することについて詳しく話を聞くことができた。僕も普段使用しているF1.8のPREMIUMシリーズとの使い分けなどについて質問させていただいた。

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開発者の方の話によると、PRO F1.2シリーズはより明るいF値で柔らかにボケやすく、防塵防滴機構も備えているため、本気の作品撮りに向いている。しかし、やや大きく重いので、普段の町歩きや散歩など軽快に撮影したい場合はPREMIUM F1.8シリーズがおすすめとのこと。

その他にも、PRO F1.2シリーズとPREMIUM F1.8シリーズの描写特性の違いや、レンズ設計の考え方や技術的なことなど、フォトマスター検定1級の知識を総動員しつつ色々と質問してみた。かなり突っ込んだ内容だったにも関わらず、開発者の方はとても分かりやすく丁寧に解説してくれたので、非常に良い勉強になった。

ちなみに、タッチ&トライコーナーの横には、PRO F1.2シリーズのカットモデルが展示されていた。普段は目にすることのないレンズ鏡筒内部の構造を細部までじっくりと見ることができたので、とても新鮮だった。

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なお、同会場ではPRO F1.2シリーズレンズの無料レンタルコーナーも設けられていた。事前予約が必要で3時間限定の貸出だったが、新宿の街を舞台にPRO F1.2シリーズの描写力を実際に体験できるということで、来場者からはとても好評だったようだ。

コンセプトモデル アンコール展示

「F1.2大口径単焦点レンズシリーズ タッチ&トライコーナー」と同じ室内には、もう一つ興味深い展示があった。2018年3月にパシフィコ横浜で開催されたCP+2018で展示されていた「コンセプトモデル」がアンコール展示されていたのだ。

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このコンセプトモデルとは、特定のテーマに沿ってカメラの外観などをカスタマイズしたもので、今後のオリンパスの方向性を探る目的で参考展示されていたものだ。実際に発売の予定はないが、来場者の声次第では今後の製品開発に生かされるとのこと。

今回の展示では「スチームパンク」をテーマにカスタマイズされたカメラが展示されていた。

スチームパンクとはサイエンスやフィクションのサブジャンルの一つ。イギリスのヴィクトリア朝やエドワード朝(19世紀から20世紀初頭)の雰囲気をベースにしており、現在と違って蒸気機関が機械の原動力として大いに発展した場合を想像して描いた近未来のファンタジー世界。日本では宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』や『ハウルの動く城』がスチームパンクの世界観を題材にした作品として代表的だ。

『天空の城ラピュタ』の世界観を具現化したような、どこか懐かしい、でも新鮮な雰囲気がカメラの雰囲気から感じられた。

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最初は外観だけかと思ったが、よく見ると、レンズがフォーカス合わせで動いていたので、カメラとしてちゃんと使えることに驚いた。加えて、カメラの液晶モニターもしっかりと表示されており、しかもメニュー画面まで専用のものにカスタマイズされていたので、細部の作り込みまで徹底されている完成度の高さに脱帽した。

また、その横には鏡筒の素材にナチュラルカーボンを採用したPROレンズの展示もされていた。通常市販されているPROレンズも十分に剛性は高いのだが、カーボンを採用したことでさらに堅牢性が上がっているので、これはこれで過酷な環境下での撮影でさらに活躍しそうだ。そして何より、かっこいい(笑)

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これらのコンセプトモデルは発売される予定はないのが重ね重ね残念だが、新鮮な展示内容でとても楽しめた。こうやってカメラの外観をカスタマイズしたり、その世界観の奥深さに思いを馳せるのも、カメラの楽しみ方の一つとしてはアリだと思った。

後編のご案内

フォトパスファンフェスタ 2018のレポート前編はここまで。

会場では写真展や機材の展示以外にも、有名プロカメラマンや技術者によるセミナーが開催されていた。

僕はOM-D E-M1 MarkⅡのオーナー向けに提供されているメンテナンスパッケージ「オリンパスオーナーズケアプラス」についての説明会と、写真家の斎藤巧一郎先生によるセミナー「OM-Dで撮って食べて楽しむ写真旅」の2講演に参加させていただいた。

こちらがレポートの後編だが、記事の中ではその模様をお送りしている。ぜひ今回の前編と合わせてご参考いただければ嬉しい。

レポート:オリンパスプラザ東京 フォトパスファンフェスタ 2018(後編)