「ゆる鉄」の聖地〜春の小湊鐵道紀行〜

Full-Bloom Railwayの画像 Chiba

今年も春の足音がそこまで迫ってきた。菜の花が咲き始めたという知らせが届き始めているが、あと数週間もすれば桜も楽しめるようになるだろう。

現在僕は千葉県の市原市に住んでいるのだが、最寄駅であるJR内房線の五井駅からは世界的にも珍しい鉄道が走っている。それが小湊鐵道だ。

昭和のレトロな雰囲気を残した列車と今となっては懐かしい古き良き日本の里山の風景を楽しめるのがこの鉄道路線の魅力だ。

さらに、沿線で菜の花が咲き始める3月中旬から桜が満開になる4月中旬にかけては、この鉄道が持つゆるさがより一層強調されることもあり、その唯一無二の鉄道風景を狙って全国各地から鉄道カメラマンが集結してくる。

小湊鐵道は知る人ぞ知る「ゆる鉄」の聖地なのだ。

自宅から割と近くに路線があることもあり、僕も度々訪れては撮影の練習を兼ねて沿線の散策を楽しんでいる。過度に観光地化されておらず、ありのままの旅情が味わえるので、旅写真の撮影を実践トレーニングするのに格好な場所でもあるのだ。

今回はそんな小湊鐵道の魅力を紹介していこうと思う。菜の花や桜が満開になる4月上旬と、新緑が輝く5月上旬に撮影した写真作品もふんだんに交えていくので、ぜひ楽しんでもらえればと思う。

そして、もしその鉄道風景を気に入ってもらえたら、ぜひ小湊鐵道に遊びに訪れてほしい。

Alan
世界遺産級の鉄道が、なんと東京から1時間足らずの場所にある!今回はその魅力をとことん満喫してほしい!! @alan-d-haller

小湊鐵道とは?

小湊鐵道は1925年の開業以来、1世紀近くに渡り運行し続けているローカル私鉄だ。路線の全長は39.1kmで、千葉県市原市の五井駅を起点として夷隅郡大多喜町の上総中野駅まで至る。全線が非電化・単線で、首都圏では今となっては貴重なディーゼルカーが走っていることでも知られる。

運行に使用されている列車は1960年代から1970年代にかけて製造された年代物(キハ200形)で、古き良き昭和の雰囲気を残しているのが特徴。また、沿線の風景も魅力的で、のどかで昔懐かしい日本の里山の原風景を楽しめる。

過度に観光地化されていないのもポイント。小湊鐵道は観光資源としての保存鉄道ではなく、運行本数こそ少なめだが現在も地元民の足である生活鉄道として活用されている。つまり、小湊鐵道の沿線では豊かな里山の自然だけではなく地元の人々の営みもありのままに楽しめるのだ。

本来であれば世界遺産に登録されてもおかしくないほどの鉄道なのだが、その世界遺産級の鉄道が都心から1時間弱の近間にあるのも驚くべきことだ。春は桜や新緑、夏は紫陽花や真っ青な空、秋は紅葉、冬は雪とイルミネーションと、年間を通して楽しめるのも小湊鐵道の魅力だ。

五井

小湊鐵道の旅はここ五井駅から始まる。

五井駅・小湊鐵道ホームの画像

小湊鐵道のホーム。旅はここから始まる。

東京からはJR総武線で千葉駅か、JR京葉線で蘇我駅を経由してJR内房線に乗り換えれば、1時間少々でここまで来れる。

五井駅では改札の中から直接小湊鐵道のホームに行ける。乗車券はホームの入り口にある券売機で購入する。(JRの券売機では買えないので注意!)また、その付近では弁当や惣菜が販売されているので、出発前にここで昼食を調達していくのもいいだろう。

ホームに降りると、昭和の雰囲気全開のレトロな列車と車庫が現れる。まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような光景だ。

小湊鐵道の車庫の画像

近代的なJR内房線のホームとの対比も興味深い。

3月中旬から5月のゴールデンウィークにかけての繁茂期には、蒸気機関車を先頭にした「里山トロッコ列車」も運行される。この特別編成車は毎年とても人気で、家族連れを中心に多くの観光客が利用している。

里山トロッコ列車の画像

里山トロッコ列車は期間限定で特別運行されている。

Alan
なお、この蒸気機関車や通常車両のキハ200形は、五井駅の事務所に一声かければ車庫で見学ができる。千葉県の指定文化財にもなっている車両も保管されているので鉄道マニアには必見だ。 @alan-d-haller

それでは出発進行といこう!

五井駅を出てからしばらくは近代的な市街地の中を走る。小湊鐵道は地元民の足として利用される生活鉄道なので、早朝の時間帯は通勤・通学途中のビジネスマンや学生をよく見かける。小湊鐵道は人々の生活に根ざした鉄道なのだと、改めて認識できるだろう。

生活鉄道の画像

地元民の足として現在も利用されている。

しかし、上総牛久駅の辺りを通り過ぎる頃に沿線の景色は一変する。古き良き日本の里山の原風景が広がっているのだ。特に、桜が満開になる3月末から4月上旬頃であれば、下記の写真のような風景も楽しめる。


Through Fresh Air at Morning by Alan Drake Haller on 500px.com

高滝

高滝は平成初期に建造されたダム湖である高滝湖を中心に広がる湖畔のエリアで、周囲には平安時代から続く古社や現代アートの美術館など様々な見所がある。また、「市原ぞうの国」への玄関口として知られている。

高滝湖の眺望の画像

市原湖畔美術館側から眺めるとこんな景色が見える。

Alan
この高滝駅は多くの野良猫が住み着いている猫写真の撮影名所でもある。春頃になると、可愛らしい子猫の姿も見かけることができる。 @alan-d-haller

高滝駅から踏切を越えて湖方面へ坂を上がると、すぐに千葉県屈指のパワースポットとしても知られる高瀧神社が見えてくる。この神社は日本有数の古社としても有名で、平安時代初期に書かれた歴史書『日本三代実録』にも登場する。

高瀧神社の階段からの画像

奥に見えるのが本堂だ。

皇祖神である天照大神の孫、邇々芸命(ににぎのみこと)を主祭神に祀っている。本来の社殿は養老川の上流にある高瀧(粟又の滝)の岸に鎮座していたらしい。古代に洪水で御神体が流されたのを機に、元々この地に安産・子育ての女神として鎮座していた玉依姫(たまよりひめ)の社殿に移ってきたらしい。

そして、平安時代末期に当たる1171〜1175年に、京都の賀茂別雷神社(上賀茂神社)、賀茂御祖神社(下鴨神社)から分霊を勧請し、別雷命(わけいかづちのみこと)を合祀したと言う。つまり、高瀧神社のご祭神は3柱存在するのだ。

高瀧神社本堂の画像

平安時代初期に書かれた『日本三代実録』にも登場する古社だ。

高瀧神社は古くから安産・子育ての霊験があることで知られており、「底なし袋」の信仰がある。これは、妊婦が底が縫い合わされていない筒抜けの巾着袋を身に付けると安産の効果が得られるというものだ。

神社の境内にはこの「底なし袋」が用意されており、今でも利用する夫婦は多いという。なんでも、無事安産が達成できたら、新しい「底なし袋」を作って神社に納めるのが習わしだそうだ。

底なし袋と千羽鶴の画像

千羽鶴と共に飾られている底の縫われていない袋を身に付けると、安産のご利益が得られるとか。

ちなみに、早朝の時間帯であれば、下記の写真のような神秘的な光景も拝める。これは駅側にある裏口から撮影したものだ。


An Advent of Gods' Spirits by Alan Drake Haller on 500px.com
Alan
高瀧神社では年2回に例大祭が開催されている。特に、4月中旬の春祭りに行われる花嫁行列と稚児行列はとても華やかなので見ものだ。 @alan-d-haller

高瀧神社を後にして湖の対岸に進もう。

湖畔を散策していると、下記の写真のようなオブジェや彫像を多く見かける。高滝はアートが盛んな町でもあるのだ。

高滝湖のオブジェの画像

高滝湖畔にはこのようなオブジェや彫像が数多く見られる。

橋を渡って高瀧神社の対岸に至ると、湖上に鳥居がポツンと立っているのが見える。この鳥居はかつての参道の名残で、平成初期に人造湖である高滝湖ができるまでは鳥居を経由して対岸の高瀧神社まで参道が続いていたという。

高滝湖上の鳥居の画像

平成初期にダムが建設されるまでは、鳥居を通って向かい岸の高滝神社まで参道が続いていた。

さらに湖畔を進むと、市原市が誇る最大規模の美術館である市原湖畔美術館が見えるくる。この美術館では現代アートをテーマにした絵画や彫刻が多数展示されている。

市原湖畔美術館の全景の画像

高滝湖の湖畔には近代的な美術館が建っている。

常設展のほか、定期的に特別展も開催されているので、現代アートに興味がある方は訪れてみるといいだろう。なお、特別展の開催情報については、下記に掲載した美術館の公式サイトを参考にすると良いだろう。

市原湖畔美術館公式サイト

Alan
後述する「いちはらアート×ミックス2017」では主要会場の一つにもなっていた。国際的に活躍するドイツ出身のアーティスト兼ミュージシャン:カールステン・ニコライ(Carsten Nicolai)氏による、錯視と音をテーマにしたインスタレーションが展示されていた。残念ながら画像は掲載できないが、不思議な世界に迷い込んだような感覚を味わえる作品だった。 @alan-d-haller

美術館の脇には水車が設けられた鉄塔が建っており、階段で頂上まで登ると高滝湖の全景を一望に眺めることができる。

高滝湖の水車塔の画像

塔の上に登ると高滝湖の眺望を楽しめる。

飯給

次に訪れるのは高滝の2つ先の駅である飯給。この駅は小湊鐵道における桜撮影の名所…いや、激戦地として有名だ。

飯給駅に到着する列車の画像

駅近くの高台から望遠レンズで狙うとこんな写真が撮れる。滑りやすいので足元に気を付けて。

駅前には田んぼが広がっており、平時は里山ならではのとてものどかな景色が楽しめる。しかし、桜が咲く季節になると、その穏やかな光景は一変する。

地元の方々のご厚意で田んぼには水が張られるのだが、田んぼ越しに駅を撮影すると列車と桜の美しいリフレクションが撮れることもあり、毎年多くの鉄道カメラマンでごった返してしまうのだ。

ちなみに、日中は下記の写真のような風景が撮影できる。牧歌的な雰囲気があって、これはこれで十分に楽しめる場所だと思う。

飯給リフレクションの画像

地元の方々のご厚意で、駅前の田んぼには水が張られている。

だがしかし、この場所が真の姿を現わすのは夜だ。実は昼間の時点でもう既に、駅前の田んぼには無数の三脚が設置されているのだが…

なんと、日が落ちると駅前の桜がライトアップされるのだ。そして、その時間帯になると、下記の画像のように多くの鉄道カメラマンで溢れかえり、飯給の駅前はカオスに陥る。

飯給夜桜の戦場の画像

この写真は列車に乗車した状態で撮影したのが、とんでもない混雑具合。。。

田んぼから駅を望んでライトアップされた桜と列車を撮影するのが鉄道カメラマンの定番らしい。中には、下記の写真の方のように、午前中の早い段階から三脚を設置して待機し続けている猛者もいる。


Just Waiting the Moment by Alan Drake Haller on 500px.com
Alan
田んぼを挟んで駅の向かい側には古びた神社が建っている。本堂までは急な階段を上がる必要があるのだが、そこから望遠レンズで鳥居をシルエットに撮影するアングルもおすすめだ。上記の写真はそのようにして撮影した。 @alan-d-haller

まぁ、夜のライトアップ撮影は難しくても、飯給駅では日中でも十分に素敵な風景が楽しめるのでご安心を。例えば、下記の写真。


Full-Bloom Railway by Alan Drake Haller on 500px.com

レトロな列車が咲き乱れる花のトンネルをゆったりと走行する様。こんな風景が楽しめるのも飯給の魅力だ。

Alan
僕自身は人混みの中で長時間待つのが苦手なので(笑)、あえて桜と列車のライトアップ写真はいつも撮影しない。何より、どんなに綺麗な光景でも多くの人と同じものを同じように撮影しても全然面白くないしね。小湊鐵道の各駅には他にも魅力的な構図がたくさんあるので、訪れた際は定番に縛られず未知の構図を探し歩いてほしい。 @alan-d-haller

月崎

続いて訪れるのは飯給の隣にある月崎駅。桜、菖蒲、紫陽花などの季節の花々が楽しめることで「ちば眺望100景」にも選ばれている自然公園「いちはらクオードの森」の玄関口としても知られる。

駅の脇には、60種類以上の山野草で覆われ、訪問者を森へと誘う駅舎「森ラジオステーション」が建っている。

森ラジオステーションの画像

この写真は5月上旬に撮影した。周囲の新緑も映えている。

春は咲き乱れる菜の花に小屋が囲まれる景色を見ることができ、その後も新緑に覆われた宮崎アニメに出てくるような不思議な佇まいを楽しめる。このステーションは森遊会によって通年維持管理され、四季を通じて様々な魅力が楽しめる。

森ラジオステーションの窓からの画像

今にもトトロが顔を出しそうな窓だ(笑)

ステーションの内部は光の柱や風見鶏、森のライブ音が聞こえるラジオなど、森と繋がれる装置が組み込まれている。

森ラジオステーションの内部の画像

天窓にはカラーフィルターが貼ってあり、定時になると虹色の光が射し込む。

他にも、古びた車掌さんの帽子や車両の整備に使われる工具、トロッコなどが置かれている。外観だけではなく、ステーションの内部でも趣のある光景が楽しめる。

車窓さんの帽子の画像

何ともエモい雰囲気だったので一枚パチリ。

Alan
12月のクリスマスシーズンには月崎駅の駅舎とその周辺はイルミネーションに飾られる。春だけではなく、夏や秋、冬にもその時にしか見られない風景が楽しめるのも小湊鐵道の魅力だ。 @alan-d-haller

地球磁場逆転期の地層

実は月崎駅から養老川沿いに2.5kmほど南下した場所には、少し前に歴史的スポットとして世界中の地層学者から一躍注目された場所がある。それが「地球磁場逆転期の地層」だ。別名で「チバニアン」とも呼ばれている。

というのも、話題となった場所の地層では現在の地球の地磁気とは南北逆向きの鉱物が発見されたのがその理由らしい。地磁気は過去360万年間に最低11回は逆転しているらしいが、この周辺では磁性鉱物が深さ約1kmの海底で安定して堆積したため、当時の地磁気の向きが正確に記憶されているらしい。特に、77万年前に最後に地磁気が逆転した痕跡が地層に克明に残っているため、地磁気逆転説を支持する学者たちから注目されているというのだ。

途中から川沿いを歩いていくため長靴を用意しておくのがお薦めだが、地学に関心のある方はぜひ訪れてみると良いだろう。小湊鐵道に揺られながら太古のロマンに思いを馳せるのも面白いかもしれない。

上総大久保

続いて訪れるのは月崎の隣にある上総大久保駅だ。この駅の周辺もまた、桜や新緑と絡めた列車の写真が撮影できる名所として人気だ。

上総大久保駅のホームの画像

よく見ると、宮崎アニメでお馴染みのあのキャラクターが電車を待っている(笑)

この時の僕は5月の上旬に上総大久保を訪れたが、一面に瑞々しい新緑の葉をたたえた木々がとても絵になる風景を見せてくれた。そして、駅ホームの向かいにある小さな空き地から望遠レンズで狙ったのが下記の写真だ。


Traveling Through Fresh Green by Alan Drake Haller on 500px.com

ただし、一方でこの駅に訪れると寂しい現実を知ることにもなる。のどかな風景の中には、旧白鳥小学校の木造校舎がある。かつては子供達で大いに賑わっていたらしいが、時代と共に進む過疎化の波は抑えられず、2013年に閉校になってしまったというのだ。

旧白鳥小学校の画像

今はもう閉校されてしまったが、いちはらアート×ミックス2017の展示会場の一つとして使われた。

しかし、悲しいことばかりではない。2017年の春に開催されていた「いちはら×アートミックス2017」では、この旧白鳥小学校の校舎がメイン会場の一つになっていた。地元で活動するアーティストたちを中心に多彩な作品が展示され、大いに賑わっていた。

小学校としての役目を終えた校舎だったが、地元のアーティストたちの力によって新しい生まれ変わり地域に貢献している。そう考えると、過疎化が進む市原の南部にも希望はまだまだあるのだと思える。

ちなみに、踏切を挟んで旧白鳥小学校の向かいには公民館が建っているのだが、「いちはら×アートミックス2017」では「ゆる鉄」でお馴染みの人気鉄道カメラマンの中井精也先生による写真展が開催されていた。

中井精也写真展の画像

中井先生の人気は絶大で、普段は静かな町に多くのファンが集まってくれた。

中井先生は僕にとっても大好きな尊敬する写真家の一人なのだが、後ほど改めて紹介させていただこう。この時は中井先生が直接いらしてギャラリートークを開催されていたのだが、ゴールデンウィーク期間中ということもありものすごく大盛況だった(笑)。

養老渓谷

そして最後に訪れるのが、このゆる鉄旅の終着点である養老渓谷駅だ。美しい渓流散策と迫力のある滝が楽しめる「養老渓谷」や広大な風景が魅力の「石神の菜の花畑」に至る玄関口として知られる。また、近辺には温泉旅館がいくつか営業しているので、旅で疲れた体を休めるのにもお薦めだ。

養老渓谷駅の外観の画像

石神の菜の花畑と養老渓谷の玄関口。

養老渓谷駅には2匹の猫が駅員として働いている。高滝駅と同様、この養老渓谷駅も猫写真の撮影スポットとして人気だ。

養老渓谷駅の駅ネコAの画像

養老渓谷駅では2匹のネコが駅員として職務に当たっている。

養老渓谷駅の駅ネコBの画像

こちらの駅ネコさんはお昼寝中zzz

それでは。駅舎と猫の駅員さんを後にして、旅の終着点である「石神の菜の花畑」に向かおう。

養老渓谷駅から10分ほど歩くと、突如広大な空間に一面の菜の花畑が広がる光景が見えてくる。ここが「石神の菜の花畑」だ。元々は私有地だったらしいのだが、地元の方たちのご厚意で春に一面の菜の花畑が楽しめるように一般開放してくれている。


Shooting a Train in the Yellow World by Alan Drake Haller on 500px.com

言うまでもなく、この菜の花畑は小湊鐵道の沿線で一二を争うほどの撮影名所で、菜の花が満開になる3月中旬から4月上旬には多くの鉄道カメラマンが訪れてくる。ただし、この場所は何より広いので飯給駅前ほどには混雑せず、また、多彩な構図の写真が撮れるので、僕個人としてはとても気に入っている撮影場所だ。

広大な菜の花畑を眺めながら次の運行を待つのもまた一興。この場所には都会ではまず感じることのない穏やかな時間が流れている。

そして、時間を経て変わる行く風景を楽しみながら夕方まで待って撮影したが、こちらの写真「里山の夕暮れ」だ。里山に流れる穏やかな時間とどこか感じるもの寂しさを夕暮れの写真に表現してみた。


Traveling through the Countryside at Sunset by Alan Drake Haller on 500px.com

総評

今回の旅はこれで終わりとなる。

この記事を通してあなたに少しでも小湊鐵道の魅力が伝わってくれれば嬉しい。そして、もし興味を持ってもらえたら、ぜひ小湊鐵道まで足を伸ばしてほしい。ここではきっと、あなたの記憶のどこかにある懐かしい原風景と再会できるから。

僕も小湊鐵道では旅写真の練習も兼ねて定期的に散策を楽しんでいるので、興味深い情報を見つけたり、良い作品が撮れたりしたら随時シェアしていこうと思っている。どうぞ乞うご期待!

Alan
まだまだおまけが続くよ。 @alan-d-haller

小湊鐵道の関連リンク

小湊鐵道の最新情報は下記に掲載した公式サイトでチェックすると良いだろう。最新の運行情報はもちろん、毎月更新される時刻表のPDFをダウンロードできる。また、小湊鐵道に関する豆知識や関連イベントの情報も確認できる。

小湊鐵道公式サイト

また、下記に掲載した市原市観光協会の公式サイトでは、小湊鐵道の沿線を含む市原市の桜や菜の花の開花状況を確認できる。春に小湊鐵道を訪れる際は事前にチェックしておくのがお薦めだ。

市原市の桜・菜の花 開花情報|市原市観光協会

いちはらアート×ミックス

今回の記事中に何度か登場した「いちはらアート×ミックス」について簡単に紹介しておこう。

「いちはらアート×ミックス」とは、過疎化が進む市原市の南部を活性化させる目的でスタートした地元密着型の芸術祭で、3年おきに4月上旬から5月中旬まで小湊鐵道とその沿線の地域で開催されている。2014年に第1回、2017年に第2回が開催され、次回は2020年春の開催が予定されている。

芸術祭の期間中は小湊鐵道沿線がいくつかのエリアに分けられており、各エリアでは地元のアーティストによる多彩なジャンルの作品を楽しめる。中には、後述する中井精也先生のように有名な写真家を招待して写真展や撮影ツアーが催されることもある。

また、春ならではの桜や菜の花、新緑に彩られた美しい景色はもちろん、地元の心優しい方々とのふれあいを楽しめるのも「いちはらアート×ミックス」の醍醐味だ。

下記に「いちはらアート×ミックス」の公式サイトを貼り付けておく。

いちはらアート×ミックス公式サイト

早速だが、公式サイトでは「いちはらアート×ミックス2020」の開催概要が公開されている。イベントに興味を持った方はぜひ最新情報をチェックしておくと良いだろう。

小湊鐵道の魅力をもっと知りたいあなたへ

今回の記事を読んで小湊鐵道にさらに関心を深めてくれた方や、小湊鐵道についてもっと知りたい方にお薦めなフォトブックがある。それが下記の、鉄道写真家:中井精也先生『小湊鐵道 フォトさんぽ』だ。

中井精也先生はそれまでは硬派なイメージのあった鉄道写真をゆる〜く撮る「ゆる鉄」のジャンルを確立した方で、写真愛好家だけではなく一般の人々からも絶大な人気を誇っている超人気の鉄道カメラマンだ。また、「1日1鉄!」というブログで2014年から10年以上に渡って毎日欠かさず鉄道写真の作品を投稿されていることでも知られている。

1日1鉄!|鉄道写真家 中井精也 公式ブログ

『小湊鐵道 フォトさんぽ』はそんな中井先生が沿線にあるお薦めの撮影スポットを素晴らしい作品と共に紹介してくれている。この本には春の作品だけではなく全ての季節で撮影された作品が掲載されているので、通年で小湊鐵道の魅力を楽しむのにお薦めだ。

小湊鐵道に興味を持っていただけたら、この本を手に取ってぜひその魅力をさらに深く味ってもらえればと思う。きっと訪れたくてしょうがなくなるので(笑)。

ちなみに、かく言う僕も中井先生の大ファンだ。先生の作品には、他の鉄道カメラマンの作品には見られない旅情を深く感じ取ることができるので、いつも見本の一つとして大変勉強させていただいている。

中井精也先生とのツーショットの画像

中井精也先生はとても気さくな方で、ツーショット撮影のお願いにも快く応じていただけた。

最後に下記の写真を掲載しておこう。


A Train Reflected Spring Color (Homage) by Alan Drake Haller on 500px.com

上記の写真は中井先生の作品にインスパイアされて模写したものだ。先生のオリジナルと比べると細部表現がイマイチだが、割と良い線まで再現できたのではないかと思う。

僕自身は鉄道写真の腕は未熟でまだまだ修行が必要だが、いずれ中井先生のように人を幸せにできる鉄道写真を撮れるようになりたいと思う。そのためには、今年も小湊鐵道を何度も周回して練習を重ねねば^^