【レポート】ドイツフェスティバル 2018

ドイツフェスティバル2018入口ゲートの画像

Grüß Gott!(グリュースゴット!)

先週末、港区の都立青山公園(南地区グラウンド)でドイツフェスティバル 2018(Deutschlandfest 2018)が開催されていた。これはドイツ大使館の主催でドイツの文化や食、スポーツ、製品を一堂に集めて日本に紹介する文化交流イベントで、毎年10月の終わりか11月の初めに開催されている。

簡単に言うと、日本にいながらにしてドイツの魅力を楽しめる文化祭だ。

イベントの概要についてはこちらの公式サイトを参照していただくと良いだろう。

ドイツフェスティバル公式サイト

さて、このドイツフェスティバルに僕も遊びに行ってきたので、今回はその様子をレポートしていく。ちょっとしたドイツ旅行を楽しんでもらえれば嬉しい。

イベント会場は大盛況!

メルセデスベンツ Cクラスの画像

入り口のゲートをくぐると、まず眼前に現れたのがこのCクラスのベンツだ。その白く輝く圧倒的な存在感を見せられると、高級車にあまり興味のない僕でも「美しいな…」と見入ってしまう。

展示されている車には試乗できるサービスが行われていた。さすがに運転はできないが、ドイツが誇る高級車の座り心地を体験したいと思う人たちで、とても賑わっていたようだ。

そして、ベンツの先へ進むとイベント会場の中心地に辿り着く。会場の各所には天幕などが張られていた。さながらドイツのビアガーデンのような雰囲気の中で、多くの訪問客が午前中から気持ちよくビールやソーセージを頬張っていた。

会場内ビアガーデンの画像

僕が訪れた会場から少し後の時間帯はまだ座れる席がいくらか空いていたが、昼時になるとどこもほとんど満席状態になっていた。毎年こんな状態だが、それだけドイツのビールやソーセージなどの食品が日本でも熱烈に支持されていると言うことだろう。

日本にいながらドイツ文化に親しめる!

イベント会場ではドイツと所縁のある様々な企業や団体が出展していた。その中から僕が立ち寄ったものをいくつか紹介しよう。

公益財団法人 日独協会(Japanisch-Deutsche Gesellschaft)

日本とドイツ間の文化交流を推進する民間機関が日独協会なのだが、今年もブースを展開していた。ドイツ文化を紹介する書籍を販売したり、子供連れでも楽しめるワークショップを開催していた。

日独協会ブースの画像

この時は協会スタッフの方々が、羊毛フェルトを針を使わずに石鹸水で固める「水フェルト」の作り方を解説していた。自然素材を重視するドイツでもポピュラーな作り方だそうだ。

ブースでは他にも様々な催し物が開催されていた。特に目立っていたのがLINEスタンプの募集投票だ。近日中に日独協会のLINEスタンプを発売するらしく、そこで採用してほしいフレーズを募集する投票が行われていた。

日独協会LINEスタンプ募集投票の画像

また、日独協会ではクイズラリーも行われていた。ドイツフェスティバルのイベント会場には、ドイツに関するクイズ問題が掲載された立て看板が全部で9箇所設置されていた。下記の画像の左側に立っているものだ。

ドイツクイズラリー看板の画像

全てのクイズ問題は日独協会が監修していたらしい。各所でこのクイズ看板を見つけ出してそこに書かれているクイズに全問正解すると、入り口横のインフォメーションで景品がもらえるのだが…

これが結構難しかった! 例えば、「100年前の1918年にドイツ兵捕虜によってベートーヴェンの交響曲第9番が日本で初めて演奏された場所はどこか?(答えは、徳島県の鳴門市)」とかだ。

ドイツ文化に多少の造詣があると自負している僕でも悩んでしまう問題が多く、スマートフォンとGoogle先生という文明の利器を駆使することで辛くも答え切ることができた次第だ。しかし、イベント会場を巡りつつ、ドイツに関する知らなかった豆知識が学べるというのは、とても興味深い催しだった。

ルフトハンザドイツ航空(Lufthansa)

日独協会の隣でブースを展開していたのは、ドイツが誇るナショナルフラッグであるルフトハンザドイツ航空だ。

ルフトハンザブースの画像

ここではピンボールをアレンジしたようなゲームが遊べた。ドイツの地図を模した盤上にはミュンヘンやフランクフルトなどのルフトハンザが乗り入れている都市が描かれていた。それと同時に、1つのボール状の物体と1台のiPad miniが置かれていた。

ルフトハンザゲーム盤の画像

まず、差し出された5つの封筒から1つを選んでルートを選択する。そして、iPad miniを使ってボールを操作し、そのルートを辿るように動かし、最後に目的地となる都市が描かれた穴に入れればゴールだ。これを30秒以内に行うと景品がもらえるのだが…

非常に難しかった! 自分の操作スキルがポンコツなのか、iPadで操作するのと逆方向にボールが飛んでしまい、1つ目のチェックポイントであるミュンヘンすら通過できなかった。。。orz

難易度は鬼レベルだったが、ゲーム自体は非常に人気があったらしく、午後になると長蛇の列ができていたのが印象的だった。

ワインハウスゲアハルト(Weinhaus Gerhardt)

ドイツというとビールのイメージが強いが、実はモーゼル川流域を始めとするドイツの西部ではワインも名産品として高い人気がある。この辺りの地域は世界のワイン産地の北限に当たるのだが、フルーティーで酸味の強いワインが作られることで知られており、世界的にも高く評価されている。

ワインハウスゲアハルトブースの画像

ワインハウスゲアハルトのブースでは、そういった日本ではあまりお目にかかれないヨーロッパ産の高品質なワインを試飲できるサービスが行われていた。ワイン通と思われる訪問者で賑わっていたのが印象的だった。

物販ブース

会場の奥ではドイツと所縁のある様々な企業や店舗による物販ブースが設けられていた。全部で20社が出展しており、ドイツの魅力的な食べ物や雑貨を購入できるとあって、多くの買い物客で賑わっていた。

僕も色々と見て回って買い物していたが、例えばこちらのドイツパン!

べケライ・ダンケブースの画像

静岡県伊豆の国市に店舗を構えるドイツパンの専門店:Bäckerei Dankeさんが作ったライ麦パンなのだが、パンの試食コーナーが設けられていた。僕もいくつか試食させてもらったが、素朴な味わいにドイツ滞在時の思い出が蘇った。

あまりに美味しかったので、後ほど昼食で食べるためのブレッツェルと一緒にいくつか購入させてもらった。静岡を訪れる際は是非ともお店に立ち寄りたいものだ。

こちらのビオはちみつも美味しかった。ドイツでは「Bio(ビオ)」と呼ばれる有機栽培の食品が広く支持されているが、その製法に対するこだわりははちみつでも味わうことができる。

ビオはちみつの画像

また、物販ブースではクリスマス用品も随所で見受けられた。

クリスマスオーナメントの画像

ドイツでは11月下旬からクリスマスシーズンに入る。12月24日のクリスマスイヴまでの1ヶ月間に渡って各都市ではクリスマスマーケットが開催され、家庭ではクリスマスツリーやアドヴェントカレンダーが飾られる。

そんなこともあり、このドイツフェスティバルの会場では一足早くプチ・クリスマスマーケットのような屋台も出店していた。クリスマスマーケットの名物であるグリューヴァイン(スパイスを効かせたホットワイン)も味わえるとあって、とても多くの人だかりができていた。

スペシャルステージ

イベント会場の中央に設けられたステージでは、ドイツの人気ミュージシャンをゲストに迎えてパフォーマンスが開催されていたらしい。

STIHLによるチェーンソーカービングパフォーマンス

ただし、僕が滞在していた時間帯は別の催しが行われていた。協賛のドイツ企業の一つ、家庭園芸向けの芝刈り機やチェーンソーなどを取り扱うSTIHL(スチール)によるチェーンソーカービングのパフォーマンスだ。

ドイツの都市郊外にある住宅は庭が広く、家庭で園芸や菜園を営んでいる人も多いため、チェーンソーのような園芸機具が重宝される。そういった機具をアートに活用しようという辺り、非常に興味深い試みだと思った。

チェーンソーカービングの画像

大きな木のブロックをチェーンソーだけで彫っていく様子は迫力たっぷりだった。

ビールジョッキを掲げるドワーフ木像の画像

しかし、パフォーマンスを経て完成したビールジョッキを掲げるドワーフ(?)の像を見ると、その繊細な作品により一層驚いた。大ぶりのチェーンソーだけでまさかここまで繊細な彫刻ができるとは信じられなかった。

ベートーヴェン「第九」の合唱パフォーマンス

ステージではベートーヴェンやブラームスなどの楽聖を輩出した音楽の国ドイツならではの催しも行われていた。伊勢原第9合唱団とプロ混声合唱団カンマーコールによる、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」第4楽章の合唱パフォーマンスだ。

日本では「第九」の略称で年末に演奏されることが多い定番中の定番だが、実は今年2018年はその「第九」が日本で初めて演奏されてからちょうど100年の節目を迎える。

1918年6月1日。徳島県の鳴門市にあった板東俘虜収容所で捕虜となっていたドイツ兵たちが、捕虜とは思えない厚遇で自分たちに接してくれた当時の収容所所長や鳴門市の人々に感謝して、第九を演奏したのがそもそもの始まりだそうだ。

その辺りの顛末は2006年に公開された映画「バルトの楽園」でも語られているので、興味がある方はぜひ一度観てみると良いだろう。

いずれにしろ、その出来事から100年経ったことを祝して、今回のステージでも第九の合唱パフォーマンスが披露されていたことを思うと非常に感慨深いものがあった。これから年末にかけて日本でも第九を聴く機会がいくつかあるだろうが、そのことに想いを馳せながら聴いてみるのも良いだろう。

ドイツといえばやっぱりこれ!!

そして、お待ちかねの時間である。ドイツといえば欠かせないのが、やっぱりビールとソーセージだ。飲食エリアを挟んでステージの反対側には、合計15の店舗によるドイツ料理の屋台が出店されていた。

フードブースの画像

様々な種類のビールやソーセージはもちろん、イベント限定のフェストビールが販売されていたり、日本初上陸となる「フラムクーヘン」のお店:leckermaulも出店していたり、どの屋台も多くの人だかりで賑わっていた。

りその中から僕が選んだのは、ミュンヘン名物の白ソーセージ(Weisswurst)とベルリン名物のカレーソーセージ(Currywurst)の組み合わせだ。お供には、ニュルンベルク名物の白ビール:トゥーハー・ヴァイツェン(Tucher Weizen)と、先ほど物販ブースのパン屋さんで購入した八の字型パンのブレッツェル(Brezel)だ。

ドイツ名物のビールとソーセージの画像

非常にオーソドックスなメニューだが、数多のマイスターを育てた「ジャーマンマイスターの父」と呼ばれ、現存するドイツ最高位の食肉マイスターであるヨーゼフ・ローシャイダー(Josef Lorscheider)氏が監修したプレミアムソーセージということで興味を持った。フェスティバル限定の商品で普段は市場に流通されていないということも決定的なポイントだった。

どちらのソーセージも非常に重厚な味わいで、噛めば噛むほど肉汁が溢れてきて口の中が幸せだった。それをビールで一気に喉に流し込むのも、これまた爽快!

ただ、惜しむらくは、白ソーセージに付けるマスタードが普通のフレンチマスタードで、本場で食べるものと同じ甘いタイプではなかったのが残念だった。しかし、本場ミュンヘンで味わったのと同じような味を体験でき、ドイツ旅行の思い出が蘇ったのでとても満足だった。

総評

これでドイツフェスティバル 2018のレポートは以上となる。つかの間のドイツ旅行を楽しんでもらえたら嬉しい。

このイベントは毎年10月の終わりか11月の初めに同じ会場で開催されているので、もしドイツに興味があれば来年訪れてみると良いだろう。そして、いつの日かあなたにも、その足で実際にドイツの土を踏みしめてもらえればと思う。

きっとそこには想像を絶する美しい景色と出会いが待っているだろうから。

ミュンヘンクリスマスマーケットの画像
ミュンヘンで開催されたクリスマスマーケット。10年以上前カメラを始めたばかりの頃に撮影した画像なのでブレまくりだが、、、いつまでも記憶に残る美しい絶景だった。

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Alan Drake HallerTravel Journalist
千葉県在住、40代独身のトラベルジャーナリスト。【世界はそれでも美しく、希望に溢れている。】をモットーに、旅行先や千葉近郊での散歩中に発見した「希望」が持てる光景の写真作品や、旅写真ライフをさらに充実させるのに役立つ情報を発信しています!