【レンズレビュー】OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II|小型軽量な高倍率ズームレンズの魅力を作例と一緒にご紹介

OM SYSTEM オリンパス 交換レンズ 高倍率ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II

写真を撮る楽しさは、被写体を探しに出かける瞬間から始まっている。だからこそ、機材にはフットワークの軽さと柔軟な対応力を求めたくなるものだ。

OM SYSTEM(旧オリンパス)のM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは、まさにそんな要求に応えてくれる万能ズームレンズである。

持ち運びが苦にならない小型軽量設計ながら、広角28mm相当から望遠300mm相当までの画角を1本でカバー。風景からスナップ、ちょっとした望遠撮影まで幅広く対応できる。しかも防塵防滴設計により、天候を気にせず撮影に集中できるのも心強い。

このレンズをカメラに装着しておけば、「あの瞬間を逃した」という後悔とは無縁になるだろう。

本記事では、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの特徴や使用感を詳しく解説していく。後半にはこの高倍率ズームレンズを使って撮影した作例もたっぷり掲載するので、レンズ選びの参考にしてほしい。

Alan
僕のオリンパスデビュー機であるOM-D E-M5 Mark IIと一緒に初めて使った1本目ということもあり、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは僕にとって非常に思い入れの深いレンズだ。今回はその魅力について改めて迫りたいと思う。@alan-d-haller

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIってどんなレンズ?

まず初めに、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの概要を軽くおさらいしよう。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIを一言でまとめると、「旅行・アウトドア向けの入門ズームレンズ」という表現がしっくりくる。

特徴を次の3点に分けて見ていくと、このレンズの概要が把握しやすくなるだろう。

広角から望遠までの幅広い画角をカバーできる

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは、フルサイズ換算で広角28mmから望遠300mm相当までを1本でカバーする高倍率ズームレンズである。風景や建築物をダイナミックに捉える広角域から、遠くの被写体をしっかり引き寄せる望遠域まで、幅広い撮影シーンに対応できる点が大きな魅力だ。

高倍率ズームレンズの利点は、レンズ交換なしに構図を柔軟に変えられることにある。旅先や散歩中など、被写体との偶然の出会いが多い場面でも撮影テンポを損なわず、瞬間を逃さない。さらに、レンズ交換の頻度が減ることで、屋外撮影時にイメージセンサーへゴミが付着するリスクも抑えられる。

このM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIが1本あれば、スナップ、ポートレート、風景、ちょっとした動体撮影まで、写真表現の幅が一気に広がる。旅行や日常の撮影をもっと自由に、快適にしてくれる存在だ。

防塵防滴構造でアウトドアでも安心

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは、防塵・防滴構造を採用している。天候の変わりやすい野外やホコリっぽい場所でも安心して使用が可能だ。

旅行先やアウトドアでの撮影では、突然の小雨や風に舞う砂埃など、機材にとって過酷な環境に直面することも少なくない。しかし、このレンズは定評のあるOM SYSTEMの耐候設計に基づいて作られている。OM-5系・OM-3・OM-1系などの防塵防滴対応カメラと組み合わせることで、撮影機会を逃さずに済む。

キットレンズにも採用されるコスパ重視の高倍率ズームレンズでありながら、高い信頼性を兼ね備えている点は見逃せない。 M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは、日常使いはもちろん、旅行・登山・キャンプなどの本格的なフィールド撮影にも安心して投入できる1本である。

小型軽量設計で持ち運びも簡単

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは、倍率10.7倍の高倍率ズームレンズながら非常にコンパクトかつ軽量に設計されている。

全長約83mm×最大径63.5mm、質量約285gというサイズは、小型軽量を旨とするマイクロフォーサーズ(MFT)のミラーレスカメラとの相性が特に良く、長時間の持ち歩きでも疲れにくい。旅行や街歩き、ハイキングといった軽快な装備で挑みたい撮影シーンにおいて、この軽さと携帯性は大きなアドバンテージとなる。

カメラバッグはもちろん、小型のショルダーバッグやリュックのポケットにも無理なく収まり、気軽に持ち出せる点も魅力だ。さらに、レンズ交換の必要が少ない高倍率ズームだからこそ、荷物の総量を抑えたまま広い撮影領域に対応できるのも嬉しいところ。

できるだけ身軽な装備で自由に撮り歩きたいユーザーにとって、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの小型軽量設計は非常に大きな価値を持つ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの外観と機能

次に、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの外観と機能について見ていこう。

その前に1つお断りをば。

実はこのM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIに関して、僕は現在もう所有していない。購入から4年ほど使った後、OM-D E-M5 Mark IIをPEN E-P7と下取交換した際に、カメラ本体と一緒に売却してしまったのだ。。。

そのため、ここから先のパートでは、所有していた当時に残していた外観や作例の画像を交えて進めていく。(もっと写真を残しておけばよかった…!)

では、気を取り直していこう。こちらがフード収納時のM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの外観だ。

OM SYSTEM オリンパス 交換レンズ 高倍率ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
右側がM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II。フードを逆付けするとこんなにもコンパクトに収納できる。

隣にあるカメラは、僕が一眼レフからの乗り換え後にオリンパスで最初に使用していたOM-D E-M5 Mark II。現行ラインアップでいうところのOM-5やOM-5 Mark IIのご先祖に当たるミラーレスカメラだ。

このカメラ自体もかなり小型軽量だったが、それと並べることでM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIのコンパクトさがよく理解できると思う。

次に、レンズをカメラに装着した撮影使用時の状態がこちら。

OM SYSTEM オリンパス 交換レンズ 高倍率ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIをOM-D E-M5 Mark IIに装着したところ。まさにベストマッチの組み合わせでとても使いやすかった。

大きすぎることも、小さすぎることもない。やはりE-M5/OM-5系のカメラと合わせるのにちょうど良いサイズ感になっている。

レンズ本体に同梱するプラスティック製の花形レンズフードもしっかりと作り込まれている。コンパクトながら撮影時の画角に関係なく適切な遮光効果が得られるように設計されているので、野外での使用の際は忘れずに装着しておきたい。

なお、レンズの先端には口径58mmのフィルターアタッチメントが搭載されている。PLフィルターやNDフィルターなどを使った多彩な風景表現が可能だ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの機能はとてもシンプル。

鏡胴にはボタンやスイッチなどの操作系が一切搭載されていない。上位モデルで見られるような、瞬時にMF(マニュアルフォーカス)へ切り換えられるMFフォーカスクラッチや、手ぶれ補正効果のON/OFFスイッチなどがないのだ。

これらの機能は撮影経験をある程度積んだ方ならある方が便利だが、初心者にとっては誤操作の原因にもなりやすい。本レンズではそういったボタンやスイッチを省いたデザインを採用することで、初心者でもシンプルに撮影が楽しめるようになっている。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIのグレートなところ

このパートでは、僕が実際に使ってみて、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIで素晴らしいと思った点を共有しよう。

オールラウンダーとして活躍してくれる

繰り返しになるが、本レンズの魅力は、フルサイズ換算で広角28mm〜望遠300mm相当の幅広い画角をカバーできること。

広角域が活躍する風景・街並み・室内などから、標準域が重宝するスナップやポートレート、そして望遠域が必要となる鉄道や動物など遠距離での動体撮影まで、本レンズ1本だけでこなせるのだ。旅行先でもオールラウンダーとして活躍してくれることは間違いない。

上位モデルであるM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROに乗り換えるまで、僕はこの高倍率ズームレンズを主力として4年ほど使ってきた。その経験を通じて、散歩や旅行でもこのレンズだけで大半のシーンに対応できたと断言できる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは、旅行やアウトドアに使用するレンズを探している初心者に、最初に選ぶべき1本として僕が自信を持っておすすめできる良作だ。

マクロレンズの代わりにもなる

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは、高倍率ズームレンズとしては優秀な接写性能を持つことでも知られている。

最短撮影距離が短く、望遠端150mmでもカメラのイメージセンサーから50cmの位置まで被写体に近寄ってもピントをしっかり合わせられる。レンズ先端からのワーキングディスタンスで見ると、なんと約33cmまで近寄れるのだ。

換算300mm相当の望遠レンズであることを考えると、これは驚くべき接写性能だ。

しかも最大撮影倍率もフルサイズ換算で0.44倍相当と高い。ハーフマクロレンズに近いマクロ撮影性能を備えているため、小さな被写体を撮影する場合でも一般的な交換レンズと比べてより画面一杯に大きく描写できる。

要するに、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは望遠マクロレンズの代わりとしても十分に活用できるということ。風景撮影の傍らで見かけた花や昆虫などを撮影する場合などにおすすめだ。

アウトドアでも気兼ねなく使える

高い耐候性によって野外撮影でも頼りになる点も高く評価できる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIでは、鏡胴内の各部にほこりや水滴の侵入を防ぐ密閉シーリングが搭載されている。

とはいえ本レンズでは、上位モデルのようにIPX1やIP53などの具体的な保護等級については言及されていない。しかし、雨の日を含む旅行やアウトドアなど、一般的な野外撮影の用途には十分対応できるだけの防塵防滴性能は備えていることは間違いない。

僕も以前、『言の葉の庭』の聖地を巡礼したこちらの記事で、舞台となった梅雨の雨の日の新宿御苑を取材する際に本レンズを使用した。

【聖地巡礼】『言の葉の庭』のロケ地巡り|雨に彩る初夏の新宿御苑

雨ざらしの状態で使っていても、浸水はおろか、故障などの不具合は生じなかったので、雨の日の撮影でも積極的に投入できるレンズであると断言できる。

ただし、本レンズのように防塵防滴対応のものであっても結露には注意が必要だ。

【お悩み解決】交換レンズの結露対策|結露してしまったレンズの処置方法も解説

軽快に取り回しや持ち運びが行える

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの最大のメリットが、10.7倍の高倍率ズームレンズでありながら非常に軽量コンパクトに設計されていること。

単にズーム倍率が高いものをというなら、OM SYSTEMのラインアップにはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3という、16.6倍のより高倍率なものがある。より高画質ということなら、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROというMFT最強の1本もある。

しかし、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIが持つ真の価値はそれらとは少し異なる。ズーム倍率も画質も一番の性能は求めていないのだ。

真の価値はズーム倍率と携帯性とのバランスの良さにある。換算28〜300mm相当という旅行撮影でも使用頻度の高い画角を、全長約83mm・質量約285gという小型軽量ボディで扱えるというのが最大の魅力になっている。

持ち運びや取り回しの良さを特に重視しつつも、カバー範囲の広いズーム域で多彩なシーンの撮影を1本でこなせる。まさに荷物をできるだけ減らして軽快に周遊したい旅行やアウトドアの撮影に最適な1本と言える。

また、本レンズはコンパクトなミラーレスカメラとの相性が特に良い。

キットレンズとして同梱されるだけあって、OM-5/E-M5系に装着した状態がベストマッチとなっている。僕も以前にOM-D E-M5 Mark IIを愛用していた時、サードパーティ製を含めて様々なレンズを試したが、何だかんだ言って本レンズが一番使いやすかったと強く記憶している。

この扱いやすいサイズ感はより小さいカメラにもおすすめ。E-M10系のほか、PEN-FやE-P7などPENシリーズのカメラとの組み合わせでも軽快に使用できる。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIのイマイチなところ

良い点だけを紹介してもフェアではないので、「これはちょっと不満」と気になった点についても忖度なしで共有しておこう。

暗所での望遠撮影はちょっと苦手

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは暗いシーン、特に暗所で行う望遠撮影にはあまり向かない。

F2.8通しやF4通しなど開放F値が一定の高級ズームレンズと違って、本レンズでは開放F値が可変式となっている。具体的には、焦点距離を望遠側にすると開放F値がF5.6に大きくなってしまう。

その結果、暗所では光量不足で広角側ほど鮮明に撮影できない場合がある。加えて、十分に速いシャッター速度を確保できない関係上、手ぶれが発生しやすくなったり、動く被写体を撮る際に残像(被写体ぶれ)が写ったりしやすくなる。

要するに、暗所での望遠撮影には少し分が悪いのだ。そのようなシーンでの撮影では、開放F2.8通しの大口径ズームレンズや、より明るい単焦点レンズにバトンタッチするのがおすすめだ。

手ぶれ補正が搭載されていない

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIで個人的に特に残念だと思うのが、レンズに手ぶれ補正が内蔵されていないこと。

手ぶれの影響は換算100mmを超える辺りから目立ち始める。特に、換算150mm以降の望遠域からは顕著になるため、望遠撮影を行う際はレンズに手ぶれ補正が搭載されていると非常に助かる。

ここで1つ疑問に持つ方もいるかもしれない。OM SYSTEMのミラーレスカメラでは、エントリーモデルにも手ぶれ補正を搭載しているので、レンズ側に手ぶれ補正がなくても大丈夫なのでは?、と。

これは半分は正解だ。

しかし、カメラ内蔵の手ぶれ補正機構には、望遠域ほど効果が減衰するという弱点もあることを忘れてはならない。焦点距離を望遠側に設定するほど手ぶれの影響はよりシビアになるが、カメラ内の手ぶれ補正ではそれに対応できる精度を備えていないため、結果的に手ぶれの制御が難しくなってくる。

つまり、失敗を抑えてより確実に望遠撮影を行うには、レンズ側にも手ぶれ補正があった方がいいのだ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは最長で換算300mm相当の望遠撮影が可能だ。しかし、レンズ内に手ぶれ補正は搭載されていないため、鉄道・動物・スポーツなどの本格的な望遠撮影を行うには少し頼りない。

とはいえ、手ぶれ補正機構を搭載すると鏡胴のサイズが大きくなってしまう点も無視できなくなる。軽量コンパクト性を最重要視するなら、レンズ内の手ぶれ補正は非搭載とし、カメラ内の補正ユニットに一任するというのも仕方ないのかもしれない。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIにおすすめの方

メリットとデメリットが一通り把握できたところで、このパートではM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIにおすすめの方を考察していこう。

MFTミラーレスカメラを初めて使う方

初めてマイクロフォーサーズ(MFT)規格のミラーレスカメラを試したいと思っているなら、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIはあなたにとって1本目に最適なレンズとなるだろう。

本レンズはOM-5やOM-5 Mark IIといった現行のスタンダードモデルで、カメラに同梱されるキットズームの1本として採用されている。つまり、初めてOM SYSTEMのカメラを使う方にとって最初に手にすることが多いだろう1本というわけだ。

OM-5シリーズのカメラと一緒にこのM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIを使えば、OM SYSTEMのカメラシステムが持つ機動性の高さを実感できるはずだ。同時に、小型軽量なのに高倍率という本レンズの魅力も体感できるだろう。

まずは本レンズをOM-5シリーズと一緒に使ってみて、OM SYSTEMでのカメラの扱いに慣れる。それから必要に応じて単焦点レンズなどを追加していくのがおすすめだ。

旅行やアウトドアで軽快に撮影を楽しみたい方

機動性を最重要視したい旅行者やアウトドア愛好家にもM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIはおすすめだ。

本レンズはOM SYSTEMの現行ラインアップにある高倍率ズームレンズの中では最も軽量コンパクトなモデルとなっている。小型軽量なのに高倍率ズームが利用できるため、LCCを活用した海外旅行や、他にも多くに荷物を持って行く必要のある登山など、できるだけカメラ機材の重量を減らしたい場合にも有効な選択肢となる。

主力機材がOM-1/E-M1系とM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROに移った今だからこそ僕は思うのだが、時たまこの組み合わせでも負担に感じることがある。フルサイズミラーレスのシステムに比べるとかなり楽ではあるのだが、それでも機動性ではOM-5系とM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIのコンビには勝てない。

僕の場合は旅行先で記録や作品を残す目的で機材を持ち歩くため、その覚悟があることが前提で機材の大きさや重量には目をつぶっている。しかし、撮影よりもまずは旅行やアウトドアというレジャー自体を楽しみたいという方にとっては違うだろう。

OM-5系とM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの組み合わせなら、楽しむこと自体を目的とした旅行やアウトドアでもほとんど負担にならずに持ち運べる。少なくとも、機材の大きさや重量が気になって満足に楽しめなかったということは無くなるはずだ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIで撮影した作例の紹介

ここからはM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIを使って実際に僕が撮影した写真の作例を掲載していく。

今回掲載した作例は全て、かつての主力機だったOM-D E-M5 Mark IIで撮影している。

作例画像にはRAW現像時に露出の微調整は施してあるが、色合いや収差補正には極力手を加えていないため、レンズ本来のものに近い仕上がりが確認できるだろう。

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
新宿御苑の桜園地にて。満開を迎えた桜の下で寛いでいたカップルを撮影したが、足元の花びらまで克明に描写してくれていた。
絞り優先AE(F5.5・1/160秒)/+0.7EV/ISO 250/分割測光/WB晴天/70mm(換算140mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
小湊鐵道の飯給駅にて。標準50mm相当の画角を使うことで、桜と菜の花が作るトンネルの中を進む列車の様子をゆるく切り取った。
シャッター優先AE(F5.6・1/500秒)/+0.7EV/ISO 200/分割測光/WB自動/25mm(換算50mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
市原市の石神菜の花畑にて。高台から270mm相当の望遠域で車窓に迫ることで、窓に反射したもう1つの菜の花畑を表現した。
シャッター優先AE(F5.6・1/400秒)/+0.3EV/ISO 1250/分割測光/WB晴天/135mm(換算270mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
小湊鐵道の上総大久保駅にて。望遠端の300mm相当で一気に迫ることで、新緑の中から顔を出した列車を臨場感たっぷりに捉えた。
絞り優先AE(F5.6・1/350秒)/-0.5EV/ISO 640/中央重点測光/WB自動/150mm(換算300mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
市原市の高瀧神社にて。鳥居に宿る神霊を表現するために、あえて逆光を目立たせる構図で撮影したが、細部まで十分に描写してくれていた。
絞り優先AE(F13・1/60秒)/-1EV/ISO 200/分割測光/WB晴天/22mm(換算44mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
小湊鐵道の月崎駅にて。駅前にある森のラジオステーションを訪れたカップルを咄嗟に撮影したが、このレンズはこういったスナップ撮影とも相性が良い。
絞り優先AE(F4.5・1/750秒)/-0.5EV/ISO 200/分割測光/WB晴天/14mm(換算28mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
東京の新宿御苑にて。アニメ映画『言の葉の庭』のキービジュアルにも採用された場所を撮影した。強い雨の中でも屈することなく創作をサポートしてくれた。
絞り優先AE(F6.7・1/45秒)/-0.5EV/ISO 400/分割測光/WBカスタム/22mm(換算44mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
東京の新宿御苑にて。雨降る園内に咲いていたアジサイを撮影した。望遠マクロレンズの代わりとしてネイチャー撮影にも重宝してくれた。
絞り優先AE(F5.6・1/180秒)/-0.5EV/ISO 800/分割測光/WBカスタム/90mm(換算180mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
東京の新宿御苑にて。晩秋、紅葉の季節に訪れた際に見かけたハート型に煌めく葉っぱを270mm相当の望遠域で撮影。このようなアートな表現にもこのレンズは使える。
絞り優先AE(F5.6・1/250秒)/ISO 800/分割測光/WB曇天/135mm(換算270mm相当)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II 作例
東京・信濃町の須賀神社にて。アニメ映画『君の名は。』のラストシーンにも使われた階段からの風景を、エピローグ後の情景もイメージして表現した。しっかり使い込めば作品撮りにも十分に活用できる。
絞り優先AE(F8・1/1000秒)/ISO 200/分割測光/WB晴天/14mm(換算28mm相当)

総評

今回の記事では、OM SYSTEM(旧オリンパス)の高倍率ズームレンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIについてのレビューをお届けした。

小型軽量なのに高倍率、しかも防塵防滴仕様という本レンズの魅力を知っていただけたと思う。操作性もシンプルで、OM SYSTEMのミラーレスカメラを初めて使う方にも使いやすいので、最初に選ぶ1本としてもおすすめだ。

ぜひOM-5系やPENシリーズなどのコンパクトなカメラと組み合わせて、軽快なフットワークで旅行やアウトドアでの撮影を楽しんでもらえればと思う。

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Alan Drake HallerTravel Photo Journalist / Photographer
千葉県在住、40代独身のトラベルフォトジャーナリスト兼光画作家。【旅行の写真作品と情報発信で人と地域を元気にする!】を信条に、ブログやウェブメディアで活躍中。地元の千葉を中心に散歩や旅行の道中で撮影した写真作品のほか、街歩きやカメラ生活が楽しくなるお役立ち情報なども公開しています!総合旅行業務取扱管理者およびフォトマスター検定1級の所持者。