今年も千葉にハスの季節がやって来た。
千葉市のシンボルでもあるオオガハスが見頃を迎える6月下旬頃に、千葉公園で毎年開催されるのが、大賀ハスまつりである。
実は、千葉公園ではこの時期、ただのハスではなく、二千年の時を経て蘇った貴重なハスが開花する様子を楽しむことができるのだ。
僕も先日訪問して祭りを楽しませてもらったので、今回の記事では大賀ハスまつりの様子をレポートとしてお届けしたい。
祭り自体は1週間ほど開催されるため、これから訪問を検討している方や、次回の千葉旅行に向けて訪問を検討している方は、ぜひ参考にしてもらうといいだろう。

大賀ハスまつりとは?
大賀ハスまつりとは、毎年6月下旬頃に千葉公園で開催される祭りイベントのことだ。公園内にある蓮華亭の周辺には、千葉市の花でもあるオオガハスが植えられていることで有名。祭りでは、そのオオガハスが見頃を迎えた様子を鑑賞しつつ、花にまつわる多彩な催しを楽しむことができる。
なお、2025年は6月21日(土)から29日(日)までが開催予定となっている。
会期中の土日には、象鼻杯という蓮の葉と茎を使った飲用体験(9:30~、各日100名・整理券制)のほか、琴・和太鼓・箏などの楽器演奏、千葉公園のマスコットキャラクター「ちはなちゃん」との写真・ハイタッチ会などが行われる。
平日には、ボランティア「ハス守」によるミニガイド(8:00〜10:00、随時)が開催される。そのほかハーブの寄せ植え(25日)やペーパーロータス制作(27日)などのワークショップも当日先着受付で予定されている。
飲食・物販ゾーンにはキッチンカー(焼きそば、餃子、クレープ等)やテント出店(ハス茶、和菓子、モノレールグッズなど)などを設置。地域の特産品や遊び体験も提供されている。(開催時間は14:00まで。)
大賀ハスまつりの詳細はこちら↓
大賀ハスまつりは、自然を楽しむだけでなく、文化や学び、食や体験が一体となったイベントになっている。
オオガハスとは?
オオガハス(大賀ハス)は、約2000年前の古代の蓮の実から発芽した奇跡の花である。1951年、千葉市検見川の東京大学検見川厚生農場(現・東京大学総合運動場)の泥炭層から出土した種子が植物学者・大賀一郎博士の手によって発芽に成功し、その名にちなんで「大賀ハス」と命名された。
花は淡紅色の大輪で、直径は20センチ前後にもなる。開花時期は6月中旬から8月上旬にかけてで、見頃となる最盛期は7月上旬頃まで。早朝に開き、昼前には閉じる性質を持つため、鑑賞は午前中が適している。
現在では、千葉公園をはじめ、日本全国や世界245の国と地域に株分けされており、学術的価値と美しさを兼ね備えた花として親しまれている。オオガハスは古代と現代をつなぐ生きた証であり、千葉市の誇りでもある。
レポート:大賀ハスまつり
それでは、大賀ハスまつりの様子を擬似体験してもらおう。
千葉公園の最寄駅は千葉都市モノレール「千葉公園駅」だが、JR千葉駅からも徒歩10分ほどで公園の正門入口に辿り着くことができる。今回はJR千葉駅から訪れる場合を想定して、千葉公園の正門からガイドを始めることにしよう。
こちらが千葉公園の正門入口。

大賀ハスまつりの期間は入口の前にのぼりが立てられている。この場所は公園の南端に位置しており、会場のある蓮華亭へは北上して向かう。
千葉公園の中に入って少し歩くと、目の前に大きな池が現れる。

画像の左奥にある建物が目的地となる蓮華亭だ。池を時計回りに迂回するようにして蓮華亭へ向かおう。
ちなみに、こちらは途中にある荒木山という小高い丘から、蓮華亭を見下ろすように望んだところ。

蓮華亭を囲うようにして池の一面に蓮の葉が生い茂っている。そして、この場所からもその所々に淡紅色の花が咲いている様子が確認できるだろう。
では、オオガハスを間近で鑑賞するために、荒木山を下って蓮華亭へ向かおう。
蓮華亭に近づくと蓮池の周囲が木の柵と金属のゲートで覆われていることに気付くだろう。

実は、この大賀ハスまつりの期間中、蓮池内に設置された遊歩道は一方通行になっており、入口と出口が決まっているのだ。
ちなみに、この蓮華亭前にある蓮池に入場できる時間帯も決まっている。時間を過ぎるとゲートで閉鎖されてしまうので、来訪の際は時間に余裕を持って来てほしい。
- 通常時:9:00-17:00
- 大賀ハスまつり期間中:6:00-17:00
※祭りの開催期間中だけ早朝から開放されている。
こちらがゲートの入口から蓮池に入ったところ。

この入口からも既に多くのオオガハスが開花している様子が確認できるだろう。
こちらはオオガハスに千葉市のランドマークでもあるモノレールを組み合わせたもの。

なお、この蓮池内では三脚や一脚の使用は禁止されているため、手持ちで撮影を行うことになる。撮影には手ぶれ補正を内蔵するカメラを用意しておくのがおすすめだ。
入口のゲートから木の板で作られた遊歩道を進んでいくと、中間地点の辺りに蓮華亭の建物が現れる。

こちらは大賀ハスまつりの期間中の蓮華亭内の様子。
各種イベントが開催されるため、中には大量のチェアが設置されている。

なお、僕が訪問した際は朝10時頃に琴と三味線による演奏会が催されていた。

ちなみに、通常時はこの蓮華亭の中は資料館にもなっている。下記のような漫画パネルが設置されており、映像と共にオオガハス復活のエピソードについて学べる。

パネルの側には開花状態のままドライフラワーにして保存したオオガハスも展示されており、シーズン以外でもオオガハスの花を見られるようになっている。

蓮華亭の入口ではこのような可愛らしい蓮の妖精も出迎えてくれる。

千葉公園のマスコットキャラクターである「ちはなちゃん」だ。
ふと出口の方に目を向けると、少し遠くのテントでちはなちゃんの本物さん(?)が撮影会を開催していた(笑)

蓮華亭の裏にはちょっとした休憩所も設置されている。

ここでは自動販売機が設置されていたほか、テント内で茶菓子付きの抹茶(有料)も提供されていた。
また、休憩所の側には次のような面白い展示も設置されていた。

これは「蓮の葉シャワー」というものらしい。蓮の茎からホースで水を送ると、茎の管と葉の葉脈を通って葉の先端から水が噴き出すようになっている。
蓮の不思議について知ることができるので、子連れの家族にも人気があるようだった。
蓮華亭での休憩を終えたら、木の板の遊歩道を進んで出口のゲートを目指そう。

こちらが出口のゲートを出たところ。

こちらからは蓮池に入場できないため、再入場する際は入口のゲートに戻ってそちらから入るようにしよう。
出口ゲートから少し進んだところ、蓮華亭の北側では、「象鼻杯」という興味深い催し物が行われていた。蓮の葉を杯代わりに酒を注義、象の鼻に見立てた茎から飲む余興らしい。
詳しくはこちらをどうぞ。

そして、こちらが象鼻杯が行われている様子。

僕は普段お酒は飲まないので酒の味の良し悪しはわからないが、何だか少し美味しそうに見えてきた。
象鼻杯で飲めるものは日本酒のほか、スポーツドリンクも選べる。お酒が苦手な方でも気軽に象鼻杯の雰囲気を楽しむことはできるだろう。
なお、この象鼻杯の体験は当日先着予約制になっている。土日限定で各日100名となっており、9:30から整理券が配布される。かなり人気があるようなので、もし体験したい場合は早めに来園することをおすすめしたい。
通常時と同様、有料の貸し出しボートは大賀ハスまつりの期間中にも利用できる。

ボートを漕ぎながら池の上からオオガハスを眺めるのも風流かもしれない。
なお、ボート乗り場に併設しているカフェレストランも通常通り営業している。

加えて、祭りの期間中は荒木山から蓮華亭までの沿道に様々なキッチンカーも営業している。

ケバブやバインミーなどのエスニック料理の屋台も見受けられた。多彩なメニューから選べるので、食事にはほとんど困らないだろう。
また、近くのテントでは、園芸関係のものを中心に多彩なワークショップも開催されている。

単にオオガハスを鑑賞するだけではなく、食事や手作業などの様々なアプローチを通して祭りを総合的に楽しめるようになっている。千葉市の活気を知るのにまたとない機会になるだろう。
Lotus Photo Gallery
最後に、僕が蓮池で撮影したオオガハスの作品をいくつかピックアップして掲載する。現地を訪れた気分になって楽しんでもらえれば嬉しい。






総評
今回は、毎年6月下旬に千葉公園で開催される大賀ハスまつりのイベントレポートをお届けした。
2025年は6月29日(日)まで開催される。また、祭りの期間が終わった後も、8月上旬頃までオオガハスの鑑賞は可能だ。
もし千葉を訪問する予定がある方は、ついでに足を伸ばして、二千年の時を経て蘇った古代ハスの美しさに触れてみるといいだろう。
今回の取材で使用したカメラ機材
ミラーレスカメラ
OLYMPUS E-M1 Mark III ↓
現行の後継モデルはこちらのOM SYSTEM OM-1 Mark II ↓
交換レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ↓
M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO ↓