【聖地巡礼】『君の名は。』のロケ地巡り|新宿編(四谷〜新宿)

須賀神社・男坂階段からの眺めの画像 Travel

夏を目前にして列島は梅雨真っ只中だ。

この季節特有のジメジメとした空気が苦手な方も多いだろう。そんな中ではあるが、先日束の間の快晴に恵まれた。その日は湿度が低めだったこともあり、気温こそ高かったがそれほど不快ではなく、盛夏のような澄み渡る青空がとても綺麗な1日だった。

ちょうど良い機会だったので、久しぶりに『君の名は。』の作中に登場したロケ地を巡って四ツ谷から新宿に到るまでのエリアを散策しながらスナップ撮影をしてきた。このメディアではもはやおなじみとなった聖地巡礼である。

そこで、今回は「君の名は。聖地巡礼」と称して、新宿周辺にある『君の名は。』のロケ地となったスポットを一通り回りつつ、現地の様子をレポートしていこうと思う。

作品のファンの方はもちろん、まだアニメは未視聴でこれから見ようと思っている方も存分に楽しんでいただければ嬉しい。

Alan
いよいよやって参りました、待望の『君の名は。』聖地巡礼!作品のラストシーンの舞台となった須賀神社の階段からの写真をこのメディアの前書きなどに使っているように、僕はこの作品には格別の思い入れがある。これまでどうやって記事にしようかとずっと悩んでいたが、こうしてやっと聖地巡礼レポートをお届けできることをとても嬉しく思う。今回の記事を通じて『君の名は。』の魅力を少しでも感じ取ってもらえれば幸いだ。 @alan-d-haller
今回の記事に掲載した写真の中には、作中に登場したコマとの厳密なカット合わせをしていないものもある。あくまでも『君の名は。』のロケ地をモチーフにしつつも、そこを訪れて僕自身が感じたことを主題にスナップ撮影した写真を掲載している。そのため、作中とは異なるイメージや視点の写真も見かけることになるかもしれないが、ご了承の上でお楽しみいただけると嬉しい。

『君の名は。』の概要

聖地巡礼の本編に向かうその前に。巡礼の旅をより楽しんでいただくために、まずは『君の名は。』(英:『Your Name.』)についての概要を軽くおさらいしておこう。

なお、より詳細な情報に関しては下記の公式サイトで確認できるので、合わせて目を通していただくといいだろう。

◼︎君の名は。公式サイト http://www.kiminona.com

どんなアニメ映画の作品なの?

繊細な色彩美が特徴の世界描写と男女の思いを叙情的に描くストーリー描写で定評のある、アニメーション映画監督の新海誠。彼の作品には日本国内だけではなく海外にも広くファンがいることで知られている。

『君の名は。』はそんな新海監督が満を持して発表した第6作目のアニメーション映画だ。

2016年8月26日に公開されて以降、口コミでその魅力が広まり、前作『言の葉の庭』を大幅に上回る爆発的な人気を博した。前作は全国23館のみでの上映だったのに対し、『君の名は。』は全国約300館と、大規模な興行がされた。

華々しい興行記録を達成したことでも知られており、12週に渡って週末動員数1位を獲得。さらに、この作品は半年以上も上映される超々ロングランとなったのだが、最終的に日本国内における興行収入が250.3億円となり、歴代4位(日本映画では2位)という記録を打ち立てた。

それと同時に、作品の舞台となったロケ地を訪問する聖地巡礼の観光客が徐々に増加したり、新海監督の作品展覧会などが各都市で開催されたりするなどの出来事もあった。まさに、2016年を代表し、一大ブームを作ったアニメ映画作品として歴史に名を残している。

今年(2019年)の7月には次回作の『天気の子』の公開が控えていることもあり、最近はその前作に当たる『君の名は。』も再び注目を集めている。

僕もこの作品の大ファンだ。同じ映画を劇場で複数回見ることはほとんどないのだが、劇場では3回も見ている。加えて、その後にiTunesビデオ(現Apple TV)で発売されたビデオコンテンツも購入したのだが、その視聴回数も含めれば、10回近くは繰り返し見ていることになる。

世界描写の美しさもさることながら、ストーリーが奥深いにも関わらずテンポが良いので、何度見ても楽しめる。間違いなく、日本のアニメーション史上に名を残す最高傑作の一つだ。

ストーリーはどんな感じ?

ファンにとってはもはや愚問だが、一応ストーリー冒頭のあらすじにも簡単に触れておこう。

『君の名は。』のあらすじ

東京の四ツ谷で暮らす男子高校生の立花瀧(たちばなたき)は、ある朝目覚めると、岐阜の山奥にある糸守町に住む女子高生の宮水三葉(みやみずみつは)になっていた。

一方、田舎での退屈な日々にうんざりしていた三葉は、ある朝目覚めると、瀧になっていた。

二人とも最初はこれは奇妙な夢だと思っていたが、やがてお互いに入れ替わっていることに気付く。

不可解な状況に戸惑い、不本意ながらもお互いに力を合わせてその状況を乗り切ろうとする二人。

次第に二人は惹かれ合っていくのだが…ある時を境に二人の入れ替わりは起こらなくなってしまう。

連絡もつかず、何かあったのではと心配になった瀧は、三葉の消息を求めて彼女が暮らす糸守町を目指すが、そこで瀧は驚愕の事実を知ることになる。

これは組紐で結ばれた運命の二人が「もう一度出会う」までの物語である。

というお話だ。

あらすじでも触れたが、本作では「入れ替わり」がテーマとなっている。なんでも、古典である『古今和歌集』にある小野小町の和歌や『とりかへばや物語』が設定のモチーフになっているらしい。

「入れ替わり」自体は他の作品でも時たま見られる使い古された設定だ。しかし、古代から連綿と続く糸守町と彗星との因果や、宮水家の血筋にまつわる秘密など、各種設定がこれでもかというほど細かく練られており、「入れ替わり」というテーマを絶妙に支えているので陳腐さは一切感じない。本当によく描かれた物語だと思う。

アニメ映画では尺の都合で省略されている部分も多々ある。しかし、下記の原作小説にはそういった部分も詳細まで描かれているので、アニメ映画本編と合わせて読んでみるといいだろう。

また、下記の小説本『君の名は。 Another Side:Earthbound』ではアニメ映画本編や原作小説には描かれなかった設定や登場人物たちの隠された胸の内などがサイドストーリーとして紐解かれているので、『君の名は。』のストーリーが持つ奥深い世界観をさらに味わいたい方はぜひチェックしておくことをおすすめする。

いずれにしろ、『君の名は。』のストーリーの完成度は極めて高い。何度見てもその度ごとに新しい発見があるので、時を経ても色褪せない名作となっていくだろう。

『君の名は。』はどこが舞台になっている?

『君の名は。』の舞台になったとされるロケ地は主に3つの地域に分かれている。

都会の高校生である瀧サイドのストーリー前半は東京の新宿周辺を舞台として進む。特に、JR新宿駅前の街並みやその近辺に点在するスポットが劇中には何度も登場している。また、ストーリーの最終盤も同じく新宿周辺で展開される。

ストーリーの後半で瀧は三葉に探しに行く旅に出るのだが、その旅は岐阜の飛騨古川周辺を舞台として進められる。飛騨高山には飛騨古川駅や気多若宮神社、飛騨市図書館など、作中に登場するスポットが実際に存在する。また、飛騨市の観光局が舞台訪問マップを作成するなど、村おこしも兼ねて『君の名は。』を地域全体で盛り立てていることもあり、こちらの地域も聖地巡礼を目的に訪れる観光客が日々増加している。

ちなみに、田舎の高校生である三葉サイドのストーリーは架空の町である「糸森町」を舞台にして進められるが、一説では長野の諏訪湖周辺がそのモチーフになったと言われているらしい。諏訪湖の畔には諏訪大社という非常に長い歴史のある神社があるのだが、それが作中に登場する糸守町の宮水神社の元になったとかなんとか。

なお、東京における『君の名は。』のロケ地となった場所に関しては、下記の『新海誠監督作品 君の名は。 ビジュアルガイド』にも紹介されている。

設定資料とも言える存在のもので、各キャラクターの詳細情報や作品制作の裏話なども記載されているので、作品のファンの方はぜひ目を通してみることをおすすめする。

君の名は。聖地巡礼マップ(新宿)

下記の地図には新宿の近辺で『君の名は。』のロケ地となった代表的な場所を掲載している。

君の名は。聖地巡礼マップ(新宿エリア広域)の画

というように赤字で記載されているのがその場所で、からまで全部で10箇所が各地に点在している。

この記事では番号ごとにロケ地を紹介していくので、記事を読み進める際はこのマップも合わせて確認してもらえると嬉しい。

①JR四ツ谷駅・赤坂口前広場

『君の名は。』聖地巡礼の旅の始まりはJR四ツ谷駅の赤坂口前広場から。

JR四ツ谷駅・赤坂口前広場の画像1

この駅は四谷に住む瀧にとっては最寄りとなる駅だ。滝がバイト先の先輩である奥寺ミキとデートする際も待ち合わせ場所として使われていた。

JR四ツ谷駅・赤坂口前広場の画像2

上の画像の場所で奥寺先輩は瀧を待っていたものと思われる。そして、そこからは背後に四谷のビル群が望める。

JR四ツ谷駅・赤坂口前広場の画像3

この時は残念ながら12mm(35mm判換算24mm)の広角レンズのみを使用していたので劇中とはやや異なる絵面になった。おそらく、40mm (35mm判換算80mm)以上の中望遠レンズを使って石の手すりをやや接近気味に写せば、劇中の待ち合わせシーンと同じようなカットが撮影できるだろう。

②〜⑥新宿エリア

続いて訪れるのは新宿だ。四ツ谷駅からはJR中央線または総武線で4駅先となるが、『君の名は。』の劇中ではこの新宿駅近辺の街並みが、三葉の住む田舎である糸守町に対する都会の象徴として何度も登場している。

君の名は。聖地巡礼マップ(JR新宿駅周辺)の画像

なお、②〜⑥のロケ地は新宿駅の周辺に点在しているので、新宿駅近辺のより詳細なマップを用意した。上記の広域マップと合わせて活用してほしい。(のスポットのみマップの外に位置している。)

②JR新宿駅・南口の街並み

新宿駅に着いたら、まずは南口の改札を目指そう。下記の画像は南口の改札を反対側の道路から撮影したものだが、道の向こう側は混雑している様子が伺えるだろう。

JR新宿駅・南口を望む画像

南口の改札を出て右手方向を見ると、歩道橋のような連絡通路が見えるだろう。これは小田急線新宿駅の駅舎と新宿サザンテラスを繋ぐ連絡通路なのだが、まずはこの上に登ってみよう。

小田急線新宿駅と新宿サザンテラスを繋ぐ連絡通路を見上げる画像

するとそこには、『君の名は。』の劇中に登場した新宿の街並みと同じ光景が広がっている。新宿が持つ都会の空気を感じるには外せない場所だ。

JR新宿駅・南口の街並みの画像

ちなみに、この場所は三葉が冒頭で瀧に入れ替わった際に、初めて訪れる都会である新宿(東京)の街並みの一つとして登場している。岐阜の山奥にある田舎出身の三葉にとっては異世界のように見えたのも無理はないだろう。

幸運には僕が訪れたこの日、新宿の上には劇中に登場したのと同じような鮮やかなセルリアンブルーの空が広がっていた。

③新都心歩道橋

続いて目指すのは、都営大江戸線・新宿西口の近くにある新都心歩道橋だ。

JR新宿駅・南口の出口からは、まずルミネ新宿のある角を右折しよう。その後、新宿駅の駅舎に沿って北上し、大通りの青海街道に出たら左折して少し進めば、やがて目の前に見えてくるだろう。

新都心歩道橋を下から見上げた画像

この歩道橋は物語の終盤で、少しだけ大人になった瀧と三葉が雪の日にお互いに気付かずすれ違ってしまうシーンで一瞬だけ登場する。

新都心歩道橋の上から反対側の道路を望んだ画像

ついでに、新都心歩道橋から次の目的地である新宿警察署方面へ青海街道を進んだ途中には野村ビルがあるのだが、その地下1Fにあるスターバックス・コーヒー 新宿野村ビル店にも触れておこう。

◼︎食べログ|スターバックス・コーヒー 新宿野村ビル店 https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13033124/

ここが同じく終盤で三葉の友人であるテッシーとサヤちんが結婚式の打ち合わせをしていた場所だと思われる。彼らと同じ空間に瀧がわずかでも一緒にいたことを考えると、ファンとしては感慨深いものがある。

④新宿警察署裏の交差点

続いて目指すのは、新宿警察署裏の交差点だ。この交差点には信号機や案内標識を搭載した特徴的な円環状のオブジェがある。

新宿警察署裏の交差点の画像

劇中では、この場所の夜間から明け方に至るまでのタイムラプス映像が、二人の入れ替わりが発覚した際にテーマ曲の「前前前世」が流れるシーンで登場している。

ただし、残念なことにここを訪れたときの僕は撮影アングルを完全に間違えていた。劇中に登場したシーンを再現するためには、本来は目的地を示す案内標識が見える構図で撮影しなければならなかったのだ。周囲の建物の配置に気を削がれていた。。。

さらに言うと、このときも12mm(35mm判換算24mm)の広角レンズで撮影していたのだが、それにも関わらず画角がまだ若干窮屈な印象を受けた。おそらく、劇中に登場シーンには10mm(35mm判換算20mm)以上の超広角レンズで撮影した構図が使用されていたのだと思われる。実際に訪れてみて初めて分かることなのだが。

このままではさすがに無念なので、近い内に改めて撮り直しを試みようと思う。今度は夜に訪れて、完全再現にチャレンジだ!

⑤LABI新宿東口館の街頭ビジョン

続いて訪れるのは、LABI新宿東口館だ。

新宿警察署からは青海街道を戻ってしばらく進もう。電車の高架を抜けると、その先には西武新宿駅pepe前広場があるのだが、そこから道路の反対側にLABI新宿東口館の建物が見える。

西武新宿駅pepe前広場から望むLABI新宿東口館の画像

この建物には大きな街頭ビジョンが設置されているのだが、オープニングや「前前前世」が流れるシーン、そして終盤で物語の舞台が東京に戻るシーンなど、劇中では都会である東京を象徴する場所の一つとして何度も繰り返し登場している。

広場から歩道の境ギリギリまで近付くと、下記の画像のようなアングルで撮影できる。

LABI新宿東口館の街頭ビジョンの画像

こちらの方が劇中に登場したシーンにより近いだろう。

⑥カフェ ラ・ボエム 新宿御苑

新宿駅の近辺で最後に訪れる聖地巡礼スポットが、イタリアンレストランのカフェ ラ・ボエム 新宿御苑だ。

ただし、近辺といってもJR新宿駅からはかなり歩くことになるので注意。長い距離を歩くのが億劫な方は、東京メトロ丸ノ内線でお店の最寄駅である新宿御苑前駅まで乗ってくるのがいいだろう。

僕のように歩くのが大好きな方は、JR新宿駅の南口の前にある大通り:甲州街道を新宿御苑方面に進み、新宿御苑が見えてきたらその脇にある遊歩道(玉川上水・内藤新宿分水散歩道)を御苑に沿って西へ進んでいこう。すると、御苑北東側の入場ゲートである大木戸門の周辺にお店の建物が見えてくる。

カフェ ラ・ボエム 新宿御苑の外観の画像

このレストラン:カフェ ラ・ボエム 新宿御苑は、劇中では瀧のバイト先として登場している。お店には若い女性や外国人観光客を中心に『君の名は。』のファンの方が多く訪れて、作品談義に花を咲かせているらしい。

下記の画像はお店が空いたときに外から店内の様子を撮らせてもらったものだが、劇中で登場するお店の面影がわずかにでも感じられると思う。

カフェ ラ・ボエム 新宿御苑の店内を覗いた画像

今回は撮影の最中で汗だくだったため入店は自重した。しかし、洗練されたとても素晴らしい雰囲気のお店だったので、日を改めて訪問してランチをいただこうと思っている。

ちなみに、このレストランには簡単なドレスコードがある。だが、お店のウェイターさんに確認したところ、そこまで厳しいドレスコードではないらしい。半袖・短パン・サンダルなどのラフすぎる格好でさえなければ、僕が普段着用しているようなパーカー&カーゴパンツスタイル(またはジーンズ)でも問題なく入店できるので、気軽に訪問してほしいとのことだった。

その他お店に関する詳細情報は下記に掲載した食べログのお店のページでも確認できるので、訪れる際は事前に確認しておくといいだろう。

◼︎食べログ|カフェ ラ・ボエム 新宿御苑 https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130402/13004291/

ところで。このレストランの目の前にある新宿御苑は、『君の名は。』の前作に当たる『言の葉の庭』の舞台になっている場所だ。当メディアでも以前にその聖地巡礼の記事を投稿しているので、新海作品のファンの方は合わせてこちらもチェックしてくれると嬉しい。

【聖地巡礼】言の葉の庭 at 雨に彩る初夏の新宿御苑

⑦JR代々木駅・4番線ホーム

新宿駅周辺のロケ地巡りが終わったら、次は新宿駅からJR中央線(または総武線)に乗って代々木駅を目指そう。代々木駅では千葉方面行きの4番線ホームに着く形となるが、そこが次のスポットだ。

JR代々木駅・千葉行きホームの画像

この場所は、物語の後半、三葉に再度入れ替わった瀧の回想シーンの中で登場する。瀧に会うために東京に来た三葉だが、都内を半日探し歩いても瀧を見つけられず、このホームのベンチで途方に暮れていたのだ。

ただし、僕が訪れたときは残念なことに、代々木駅の4番線ホームは改装工事中で、三葉が座っていたとされるベンチは仕切りの中にあった。

ちなみに、ちょうど2年前の6月。『言の葉の庭』のテーマ曲を担当した秦基博さんのベストアルバムがリリースされた際、宣伝ポスターが三葉が座っていたとされるベンチの上に設置されて話題になったこともある。

⑧JR千駄ヶ谷駅前

続いて目指すのは、代々木の一つ先である千駄ヶ谷駅だ。

千駄ヶ谷駅・入口改札前の画像

この駅は新宿御苑や新国立競技場への玄関口となっているが、劇中では物語の最終盤に登場している。すれ違う電車の中に瀧を見つけた三葉が、慌ててこの駅で下車して、瀧を探すために飛び出していくシーンだ。

三葉はこの千駄ヶ谷駅の入口改札から、最終的に瀧と「もう一度出会う」ことになる須賀神社の男坂階段()まで向かっている。

JR千駄ヶ谷駅から須賀神社までの経路の画像

三葉ルート

その距離は最短でも1.4kmあるのだが、ここから須賀神社へ歩いて三葉の思いを追体験してみるのもいいだろう。

ちなみに瀧の方はというと、JR新宿駅の南口()から出発している。

JR新宿駅・南口から須賀神社までの経路の画像

瀧ルート

須賀神社までの距離は2.5kmあるが、新宿駅・南口からそこまで全速力で走っていくとなると結構な運動になるだろう。脚力に自信のある方はチャレンジしてみるのも一興だろう。

⑨信濃町歩道橋

この聖地巡礼の最終目的地である須賀神社へ向かう前に、もう一つ寄っておきたい場所がある。それが須賀神社の最寄駅の1つであるJR信濃町駅前にある信濃町歩道橋だ。

JR信濃町駅の入口改札の画像

信濃町の改札を出ると、すぐ目の前に歩道橋が見えてくるだろう。そこが目的の場所だ。

信濃町歩道橋の外観の画像

この信濃町歩道橋も劇中で何度も登場している。オープニングや、瀧が奥寺先輩とのデートの後で別れる場面、その直後に三葉に電話をかけようとする場面などだ。上空の星や月の描写と合わせて、この歩道橋からの光景が瀧の心情を物語る象徴として描かれている。

しかしながら残念なことに、僕が訪れたとき、歩道橋は補強工事中だった。。。

信濃町歩道橋(改装工事中)の画像

12mm(35mm判換算24mm)の広角レンズの遠近感を利用することで、かろうじて劇中に登場したアングルに近い構図で撮影できたのだが、やはり物足りないorz

だが、そこで終わらないのが僕。実はこの場所には以前にも訪れたことがあるのだが、その時に撮影した画像も掲載しておこう。

信濃町歩道橋の画像(作品版)

この時はまだ補強工事が始まる前だったので、劇中のアングルを完全に再現することができた。惜しむらくは、撮影した時間帯は完全逆光の状態だったため、コントラストがかなり強めになってしまったが、これはこれで味わいがあって良いかなと気に入っている。

次回は、この場所で物思いに耽る瀧の心情を追体験するために、かたわれどき(黄昏時)に撮影してみるのも面白いかもしれない。

ちなみに、歩道橋の上からは、物語の前半で瀧と奥寺先輩がデートをした六本木ヒルズが眺められる(画像中央奥)。

信濃町歩道橋から六本木方面を望んだ画像

六本木ヒルズ内にある森美術館展望台(東京シティビュー)がその舞台として劇中に登場している。今回は時間の都合で省いてしまったが、興味がある方はそちらも合わせて巡礼してみるといいだろう。

⑩須賀神社

『君の名は。』聖地巡礼の旅(新宿編)もいよいよこれで最後だ。物語のラストシーンの舞台にして旅の最終目的である須賀神社を目指そう。

須賀神社までの経路案内

先述した新宿駅・南口(瀧ルート)や千駄ヶ谷駅(三葉ルート)から辿っていくのもいいが、どちらのルートも若干の距離がある。そこで、最寄駅の1つであるJR信濃町駅から須賀神社に至るルートを紹介したいと思う。

ただし、須賀神社は住宅街の入り組んだ場所にあるため、信濃町駅からも若干わかりにくい場所にある。画像を交えて経路をご案内しよう。

まず、信濃町駅前にある外苑東通りを歩道橋()とは逆の方向に進もう。

JR信濃町駅の駅舎側面の画像

2区画ほど進むと四谷郵便局の看板が見えてくるだろう。正しい道を進んでいる証なので、さらに外苑東通りを進んでいこう。

四谷郵便局前の画像

しばらく通りを北上していると「左門町」交差点の看板が見えてくる。そうしたら右折して路地に入ろう。

左門町交差点の画像

その後は住宅街の中を進み、3つ目の角に当たったら左折しよう。

3つ目の曲がり角の画像

すると、通りの突き当たりに須賀神社の入口が見えてくるはずだ。

須賀神社・裏口の画像

この先に『君の名は。』のラストシーンの舞台となった階段がある。

須賀神社の概要

入口を抜けるとそこは須賀神社の境内となる。最終目的地は目と鼻の先だ。

ちなみに、この須賀神社は江戸時代の初期から四谷地域の総鎮守として鎮座してきた神社だ。三貴子の1柱である須佐之男命(すさのおのみこと)が主祭神として祀られている。

参考に、社名の由緒にも軽く触れておこう。

須佐之男命が出雲国の簸の川(ひのかわ)で八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した後、救出した櫛名田比売(くしなだひめ)と結婚し、自分の住居となる宮を建てる場所を探していた。

その際、「吾れ此の地に来たりて心須賀、須賀し(私はここに来て、気分が爽やかである。)」と語ったことから、その地は須賀と呼ばれるようになり、神社の名称の由来にもなった。

この当たりの経緯も含めて、境内の案内や得られる霊験の内容など須賀神社の概要については下記の公式サイトにも記載されている。訪問する前にぜひ確認しておくといいだろう。

◼︎東京四谷総鎮守 須賀神社公式サイト http://www.sugajinjya.org/index.html

最終目的地:須賀神社・男坂階段にて

信濃町駅側からの入口は社殿の脇にある裏口となるのだが、神社の境内に入ると右手側に大鳥居が見えてくる。

須賀神社・境内の画像

この鳥居を抜けて参道を突き当たりまで進もう。その場所こそが、『君の名は。』のラストシーンの舞台となった階段(正式名称:須賀神社男坂)だ。(ちなみに、大鳥居に近い方にも階段があり、そちらの方は須賀神社女坂と呼ばれている。)

須賀神社・男坂上の画像

そして、階段の上まで移動すると、見えてくるのがこちらの眺めだ。

須賀神社・男坂階段からの眺めの画像

そこには劇中のラストシーンで登場したのと全く同じ景色が広がっている。この場所の眺めはラストシーン以外に、作品のキービジュアルとしても使われており目にする機会が多かったので、ファンの方にはとても強い愛着が感じられることだろう。

もう一つ写真をお見せしよう。下記は別日に同じ場所を撮影した作品だ。(なお、下記の作品はクリックすれば大きなサイズの画像を鑑賞できる。)

After the Epilogue of "Your Name." by Alan Drake Haller on 500px.com

この作品では、ラストシーンの後に新しい未来へ向かって一緒に歩き出す瀧と三葉の姿をイメージしながら、スナップ撮影を試みた。以前この場所を訪れた際、偶然にもこの素晴らしい光景に出会うことができたので、とても感謝している。

ちなみに、この階段の上からの景色はラストシーンでの三葉視点からの眺めとなる。一方、瀧視点からの眺めは階段の下からとなる。

須賀神社・男坂下の画像

こちら側が須賀神社の正門となる。

劇中の光の状況とは違って、三葉の立ち位置が影となってしまっているが、もう少し早い時間帯に来れば、劇中と同じ光線状況の眺めが見られるはずだ。( ちなみに、このとき僕が訪れたのは6月中旬の午前9:30過ぎだった。)

ついでなので、階段を降りた先を少しだけ進んで後ろを振り返ろう。すると、「須賀神社入口」の立て看板が置かれている光景が見えてくる。

須賀神社・入口の画像

この光景も劇中のラストシーン直前で登場している。瀧はこちら側から須賀神社の階段へ向かったのだ。

今回は三葉側の視点から須賀神社を訪れたが、もう一つの最寄駅である四谷三丁目駅から来れば、瀧側の視点からのルートも辿ってこれる。興味がある方はそちらの側のルートからも訪れてみるといいだろう。

世界に広がる新海ワールド

最後に、須賀神社の境内にもう一度立ち寄ろう。社殿の側には奉納された絵馬が飾られている場所があるのだが、そこには『君の名は。』のファンと思しき方たちが奉納した絵馬も所々に見受けられる。

境内にある『君の名は。』絵馬の画像

よく見ると、英語や中国語を始め、様々な国の言語で書かれた絵馬が奉納されているのが分かる。ここからも、この場所が外国人観光客にも人気のスポットであることが窺い知れるだろう。

ちなみに、この日僕が須賀神社を訪れたときは、中国やイタリアからの観光客も来ていた。彼らとも少し話をしたのだが、『君の名は。』を始めとする新海監督のアニメ作品は海外でも高く評価されており、多くのファンがいることが改めて認識できた。また、次回作となる『天気の子』の公開も非常に期待しているとのことだった。

まさに、世界に広がる新海ワールドである。

海外の人たちの間では今、アニメの舞台になった日本の観光地を訪れる「聖地巡礼」がブームになっていると聞いたことがある。いずれにしろ、聖地巡礼から始まる海外交流というのもとても興味深いものがある。

そんなわけで、新宿エリアにおける『君の名は。』聖地巡礼の旅はこれで幕となる。楽しんでいただけたらならばとても嬉しく思う。

今回使用した撮影機材

今回の『君の名は。』聖地巡礼の撮影では下記の機材を使用した。

相棒であるマイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ:Olympus OM-D E-M5 Mark IIと大口径広角単焦点レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0だ。

この聖地巡礼シリーズではもはやおなじみだが、今回掲載した写真の9割以上はこのカメラとレンズの組み合わせで撮影している。(別日に撮影した信濃町歩道橋と須賀神社男坂での作品だけは、キットの高倍率ズーム:M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIを使用した。)

オリンパスのミラーレスカメラは青色の描写が特に美しく、その青色は「オリンパスブルー」と呼ばれ世界中で高く評価されている。新宿の快晴の空を彩るセルリアンブルーも印象的に写し出してくれるので、今回の撮影でもとても重宝した。また、小型軽量で持ち運びが苦にならないのも魅力で、聖地巡礼で半日以上歩き回っても疲労感が少ない点も非常に助けられた。

レンズの方も小型軽量なので携帯が楽。加えて、絞り開放でも画像周辺までしっかりと解像してくれる高画質が得られるので、新宿エリアの街並みもとても高いクオリティで撮り収めることができた。ただし、画角が普段目にする範囲よりもやや広いため構図の整理には注意が必要だが、慣れれば作品の舞台になったロケ地の景色をダイナミックに取り込んで印象的な写真を撮影できるようになる。

まさに聖地巡礼には一推しのコンビネーションだ。

総評

今回は新宿周辺に点在する『君の名は。』のロケ地を巡る聖地巡礼のレポートをお送りした。

こうして各スポットを巡ってみて改めて確信したことがある。新海監督は写真撮影の技法に深く精通しているということだ。

今回の聖地巡礼で撮影した写真は厳密なカット合わせをしなかったが、劇中に登場したシーンを忠実に再現しようとすると、標準ズームで撮影できる一般的な画角だけでは不十分なことに気付く。場所によっては超広角レンズや中望遠レンズが必要となることが判明したが、これほどまでに多彩な画角を駆使するのは交換レンズの種類や性質を熟知していないとできないことだ。

また、光線状況の使い分けも秀逸だ。劇中の三葉はまるでその全貌を隠すかのように逆光(背後からの光)や影をまとって登場することが多いが、須賀神社の階段でのラストシーンでは全ての謎を明らかにするように順光(顔全体に光が当たった状態)を帯びて瀧の目前に現れる。

こういった演出はよほど写真に精通していないとできないはず。これらのことから新海監督は写真にとても深い造詣を持っている方なのだと推察できる。

まぁ、そんなわけで写真撮影技法の観点から見ても、今回の聖地巡礼旅は非常に実りのあるものだった。

ただし、『君の名は。』の舞台となったロケ地は東京だけではない。記事の中で触れたように、長野の諏訪岐阜の飛騨がまだ残っている。いずれはこれらの聖地も巡礼してレポートをお届けしていこうと思っている。

『君の名は。』聖地巡礼の旅はまだ終わらない。

-To Be Continued-