「欲しいレンズがあるけど実際に試してから購入を決めたい」、という一眼カメラユーザーにおすすめなのがレンズのレンタルサービスだ。
実は、僕が愛用しているカメラのブランドであるOM SYSTEM(旧オリンパス)は、自社製カメラのユーザー向けに「レンズ貸し出しサービス」を提供している。
僕もこの度、2024〜2025年の年末年始にかけて、このサービスを利用して超望遠ズームレンズを1ヶ月間レンタルして使わせてもらった。
今回の記事ではその時の経験も踏まえて、OM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスの利用に関して、申込みから返却までの手順や、利用に当たって押さえておきたいポイントを解説していく。
レンズ貸し出しサービスの利用を検討しているOM SYSTEMユーザーの参考になれれば幸いだ。

レンズ貸し出しサービスの基本情報
OM SYSTEMの「レンズ貸し出しサービス」とは、OMシリーズの開発元であるOMデジタルソリューションズが自社製の一眼カメラユーザー向けに提供している交換レンズの有料レンタルサービスのことだ。
レンズ貸し出しサービスのメリットは?
このサービスのメリットは、気になっていたレンズを借りたレンズをフィールド(実地)での撮影で存分に試せることと、実際に購入するよりも大幅に安い価格で一定期間借りられることだ。
それぞれ詳しく見ていこう。
実際のフィールド撮影で存分に活用できる
レンズを手に取るだけなら、OM SYSTEM PLAZAなどのメーカーが運営するショールームや、家電量販店のカメラコーナーなどでも気軽に行えると思う人もいるだろう。
だが、どちらも室内にあるということで写せるスペースに制約があるほか、盗難防止の観点からレンズを持って動ける範囲も限定されるため、納得できるレベルまで使用感を把握するのは難しい。
特に、僕が今回レンタルした最長800mm相当の超望遠ズームレンズとなると、スペースの限られた室内で使用感を確かめるのはほぼ不可能だろう。
そんな時に役に立つのがこのOM SYSTEMの「レンズ貸し出しサービス」だ。
借りた交換レンズを室内だけではなく、自分が撮影したいフィールドまで持って行って、実際に撮影で活用できるので、携帯性・操作感・描写特性・機能などを隅々まで深く吟味しながら体験できる。
僕が今回行ったように、超望遠ズームレンズを持って飛行機や野鳥の撮影にチャレンジすることも十分に可能になるのだ。
検討中のレンズを手頃な価格で一定期間借りられる
交換レンズには高価なものも多い。
比較的リーズナブルなことで知られるOM SYSTEMのマイクロフォーサーズ対応レンズでも、プロ仕様の性能を持つM.ZUIKO PROレンズにもなると1本で15万円を超えてしまうものも珍しくない。
使用感や描写が分からないレンズをいきなり購入するのは、初心者はもちろん、ある程度カメラに慣れた中上級者でも経済的・心理的なハードルが高いと言わざるをえないだろう。
そんな場合にもOM SYSTEMの「レンズ貸し出しサービス」は重宝する。
このサービスを利用すれば、実際に購入するよりも大幅に少ないコストで気になっていたレンズを試せる。
今回僕がレンタルしたM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISを元に実例を見てみよう。
このレンズは後継モデルの登場によって既に終売になってしまったが、現行モデルだった時は13〜14万円ほどの価格で販売されていた。
ところが、OM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスを利用すると、一般会員でも9,900円という手頃な価格で借りられるようになっている。

貸し出し期間は4泊5日に設定されているので、2〜3泊程度の旅行でも十分に余裕を持って撮影が楽しめる。
次回の旅行や撮影などで気になっていたレンズを手軽に試してみたいという人にもおあつらえ向きの良サービスと言えるだろう。
レンズ貸し出しサービスを利用できる対象者の条件は?
OM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスは、下記の条件をクリアしていれば基本的に誰でも利用できる。
- マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラを所有していること
- OM SYSTEM MEMBERSへの会員登録を完了していること
レンズ貸し出しサービスではカメラ本体のレンタルは行っていないため、レンズを装着して使うカメラは自前で用意する必要がある。
ただし、対象カメラには特に制限がないため、OM-1 Mark IIやOM-3などOM SYSTEMの現行機種はもちろん、僕が愛用しているOM-D E-M1 Mark IIIなど旧オリンパス製のカメラや、パナソニックのLUMIX Gシリーズのユーザーでも利用できる。
ちなみに、「OM SYSTEM MEMBERS」とは、OM SYSTEMが提供している会員向けプログラムのこと。
登録しておくと、購入した機材のユーザー登録ができるほか、公式オンラインストアでの買い物でマイルを貯められたり、キャンペーン情報やクーポンなどの特典をもらえたり、会員限定のお得なサービスを利用できたりできる。
今回のテーマである「レンズ貸し出しサービス」もそのサービスの1つとして提供されている。
会員登録は下記のOM SYSTEM公式サイトのページからメールアドレスとパスワードを入力するだけで簡単に行えるため、レンズ貸し出しサービスの利用を希望していて、登録がまだの人は先に済ませておくといいだろう。
レンズ以外に用意すべきものはある?
レンズ貸し出しサービスの利用に当たっては、愛用しているマイクロフォーサーズのミラーレス一眼カメラさえあれば他は特に必要ない。
レンタルする交換レンズには原則的に、専用のレンズフード・レンズ保護フィルター・前後レンズキャップが付属する。
そのため、アクセサリー類を別途用意しておく必要はなく、レンズが到着さえすればすぐに撮影に出掛けることができる。
僕が利用した時も、レンタルしたレンズ専用に設計されたOM SYSTEM純正のフード・プロテクター・前後キャップに加えて、三脚座までしっかり同梱されていたため、余計な出費と手間を省くことができて本当に助かった。
複数本のレンズをまとめてレンタルできる?
残念ながら、2本以上の交換レンズを同時にレンタルすることはできない。
1人のOM SYSTEM MEMBERS会員が1つの期間でレンタルできるレンズは1本までと制限されている。
超望遠ズームも単焦点レンズもまとめて一緒に試す、という借り方はできない。
レンズ貸し出しサービスを利用する際は、使いたいレンズをよく考えて選ぶ必要がある。
試したいレンズがたくさんあるという気持ちは僕も痛いほど理解できるが(笑)
自分が所有しているレンズラインアップの中で、目的の撮影に足りない1本を補う感覚で利用するのがいいだろう。
貸し出しプログラムのアレンジは可能?
OM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスはかなり融通が効く。
便利アクセサリーの追加オプション
交換レンズ本体に加えて、ドットサイト照準器を格安価格で追加レンタルできるオプションプランが用意されている。

ドットサイト照準器とは、超望遠撮影時に被写体を画面内に導入するのに役立つ撮影補助アイテムで、主に野鳥の撮影に活躍する。
超望遠レンズをレンタルする際は、この照準器も一緒に借りておけば、超望遠時に不慣れな人でも手軽に野鳥を画面内に導入しやすくなるので、野鳥撮影の初心者でもスムーズに撮影が進められるというわけだ。
レンズに含まれる同梱品のアレンジ
さらに、貸し出しレンズとセットになっている同梱アクセサリーの有無もアレンジできる。
具体的には、超望遠レンズをレンタルする際に通常は同梱する2倍テレコンバーターや、マクロレンズをレンタルする際に付属するマクロフラッシュなどを、貸し出しレンズのパッケージから除外できるのだ。

出典:OM SYSTEM レンズ貸し出しサービス
僕のように既に2倍テレコンやマクロフラッシュを所有している場合、同型のアクセサリーも一緒にレンタルすると私物と混同してしまうリスクもあるため、不要ならばアクセサリーまで借りるのは避けたいと思う人も少なくないはず。
同梱アクセサリーを除外しても、レンタル価格自体は変わらない点は今一つだったが、OM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスはそういったユーザーの細かなニーズにも応えられる用意が提供されているのだ。
レンズ貸し出しサービスをお得に利用できる方法
OM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスは、マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼を愛用していて、かつ、OM SYSTEM MEMBERSの会員登録を済ませた人であれば、原則的に誰でも手軽に利用できる。
ただし、実はこのサービスをもっとお得に利用できる方法が3つ存在する。
それが、安心パッケージの加入と、メンテナンスパッケージの購入、そして、キャンペーンの利用だ。
安心パッケージの加入
「安心パッケージ」とは、OM SYSTEMが会員向けに提供している、月額制の定額サポートプログラムのこと。
下記の5種類の特典が月額550円で利用できる。
- 点検・診断サービス→半額
- レンズ貸し出しサービス→割引・期間延長
- 3年物損サポート→クーポンバックにより実質半額で提供
- 公式オンラインストアのクーポンのプレゼント→毎年3,000円相当
- 修理優先受付+修理保証2ヶ月延長
細かな解説は別の機会に詳しく行うが、これによってOM SYSTEM製(旧オリンパス製も含む)のカメラ機材がより安心して長く使っていけるようになる。
加入するとレンズ貸し出しサービスで得られるメリット
そして、ここからが本題だ。
先述通り、事前にこの安心パッケージに加入しておくと、レンズ貸し出しサービスの利用代金が非加入の会員よりも安くなり、貸し出し期間も延長されるのだ。
では、どれだけ安くなるか、僕が今回レンタルした超望遠ズームレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISを例に挙げて比較してみよう。
このレンズをレンタルすると、安心パッケージに加入していない通常会員の場合は、4泊5日で9,900円の費用が必要になる。
それに対して、安心パッケージに加入していると、レンタル価格が8,910円まで安くなり、貸し出し期間も6泊7日まで延びる。

つまり、通常よりも10%安い価格でレンズ貸し出しサービスを利用できるようになり、レンタルできる期間も2日間まで延長されるのだ。
僕もこの安心パッケージの特典を活用することで、レンズ貸し出しサービスを通常よりもお得に利用させてもらった。
安心パッケージの加入方法
安心パッケージには下記のリンクから加入できるので、レンズ貸し出しサービスの利用を検討しているが、加入がまだの人は事前に済ませておくといいだろう。
提供される特典はカメラ生活を安心して長く楽しむ上で損にならないため、特にOM SYSTEMのカメラ機材を主力で使っている人には強くおすすめしたい。
メンテナンスパッケージの購入
しかし、レンズ貸し出しサービスをさらに安く利用できる方法が1つだけ存在する。
それがメンテナンスパッケージの購入だ。
「メンテナンスパッケージ」とは、主に現行フラッグシップカメラやプロ用超望遠レンズのユーザー向けに提供された最上位のサポートプログラムのこと。
加入から最長4年間にわたって、プロ整備士による定期的なメンテナンスや、専用のサポートデスク、レンズ貸し出しサービスの充実化などの特典が利用できる。
ただし、2025年4月現在、対象のカメラはOM-1 Mark II、レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROの合計2機種のみに限られている。
購入するとレンズ貸し出しサービスで得られるメリット
メンテナンスパッケージを購入しておくと、安心パッケージだけを加入したユーザーよりもよりお得にレンズ貸し出しサービスが使える。
例えば、先述のM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISの場合、レンタル期間は6泊7日と安心パッケージ加入者と同じだが、費用は6,930円まで安くなる。

なんと!
通常会員と比べて30%も安い料金でレンズ貸し出しサービスを利用できるようになるのだ!!
さらに、フラッグシップカメラのメンテナンスパッケージを購入したユーザーにのみ許された、限定特典も用意されている。
それが、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROの貸し出しが解禁されることだ。
このレンズはOM SYSTEMが手掛ける全M.ZUIKO PROレンズの頂点に位置する最上位モデルで、プロの野鳥写真家も愛用する一級品なのだが、それが33,000円からという比較的リーズナブルな価格で借りられるようになる。
本来は80万円以上もする最高級レンズが、手に取りやすい価格でフィールドで存分に試用できるのは、メンテナンスパッケージ購入者だけの特権だ。
このPROレンズを借りるか否かは別としても、他のレンズのレンタル時に得られる30%の割引特典にはとても大きな恩恵がある。
メンテナンスパッケージの購入方法
メンテナンスパッケージの購入は下記のリンクから行えるので、OM-1 Mark IIを新品購入して間もない方は事前に済ませておくといいだろう。
OM SYSTEM OM-1 Mark II専用メンテナンスパッケージ 購入ページ
対象がフラッグシップカメラだけあって、購入価格が52,800円と割高なのは少し難点だが、カメラを長く使っていくなら決して損にはならないはずだ。
キャンペーンの利用
最後になるが、レンズ貸し出しサービスをお得に利用する上で、これもぜひ知っておきたいポイントだ。
それは、特定の期間に開催されるキャンペーンを利用すること。
年末年始やゴールデンウィークなどの大型連休や、桜や紅葉などのシーズンが近付くと、OM SYSTEMは通常の基本料金のままでレンズ貸し出しサービスの最長利用期間を延長できるキャンペーンを開催している。
直近では、3月下旬から4月上旬という関東でソメイヨシノが満開を迎えるシーズンに、レンタル期間が最長11泊12日まで延長されていた。
そして、僕が利用していた年末年始のキャンペーンでは、驚くべきことにレンタル期間が最長30泊31日…つまり、約1ヶ月間まで延長されていた!
サービスを利用する際の基本料金は据え置きだったにも関わらずにだ。
僕はこの年末年始キャンペーンを利用したことで、初めて使う超望遠ズームレンズを単にフィールドで試せただけではなく、約1か月の長期にわたって飛行機や野鳥の撮影をじっくり楽しむこともできたというわけ。
キャンペーンの開催予定はOM SYSTEM MEMBERS向けのメールマガジンで告知されるので、もしレンズ貸し出しサービスを利用したい時期が上記の期間に重なる場合は、告知メールが届いてないか確認しておこう。
キャンペーン開催時の注意点
ただし、1つ注意したいポイントがある。
貸し出し用に用意されているレンズの本数は各モデルごとに決まっており、キャンペーン期間中は予約枠が早くに埋まってしまうことがよくある。
そのため、キャンペーン期間中にレンズ貸し出しサービスの利用を検討しているなら、告知後なるべく早めに予約の申込みを済ませておくのがおすすめだ。
レンズ貸し出しサービスの利用手順
ここからは申込みから返却までの流れについて、実際に僕がOM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスを利用した様子も踏まえて解説しよう。
サービス利用の申込み
まずは申込みの手順から。
事前準備
事前の準備として、下記に列挙した項目の登録や加入がまだの場合は、あらかじめ済ませておくことをおすすめする。
- OM SYSTEM MEMBERSの会員登録
- 安心パッケージの加入
- メンテナンスパッケージの購入
申込みフォームを入力する際に会員番号の入力が求められる関係上、①は最低限必須なので忘れずに済ませておこう。
②と③は必須ではなく、任意になっている。
未登録でもサービスの利用は可能だが、該当する保証パッケージの加入や購入を検討中の場合は、先に登録を済ませてからレンズ貸し出しサービスの申込みを行うといいだろう。
申込みフォームの入力
事前準備が終わったら、下記のリンクからOM SYSTEM公式サイトの申込みページを開こう。
次に、すぐ下に記載されている「お問い合わせフォーム」のボタンをクリックしよう。
レンズ貸し出しサービス専用の申込みフォームが開くので、ページの案内に沿って必要事項を入力し、終わったら内容を確認して送信しよう。
本人確認証画像の送付
するとそれから数分後に受付完了を知らせる自動返信メールが届く。
最後に、その自動返信メールに運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど顔写真付きの本人確認証を撮影した画像を添付して返送しよう。
ここまで済ませば、レンズ貸し出しサービスの利用申込みは完了する。
申込みスケジュールの注意点
ちなみに、レンズ貸し出しサービスは利用予定日の2ヶ月前から予約を受け付けている。
しかし、配送手配などの手続きのために、最短でも利用予定日の9日前までに予約を済ませておく必要がある。
今週末の休みに使いたいからと数日前に申し込んでもすぐに借りることはできないため、予約スケジュールにはある程度余裕を持っておこう。
信用情報に関する審査
前項までの手順でサービス利用の申込み自体は完了したが、ショッピングクレジットでカメラなどを購入する時と同様、実はOM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスにも利用には審査が設けられている。
申込み後にOM SYSTEMの事務局で信用情報に関する審査が行われ、合格するとサービスを利用できるようになるという運びだ。
信用の低い人間に貸した結果として製品を紛失してしまう、いわゆる借りパクを防ぐためのメーカーとしての当然の処置だろう。
過去に信用事故があっても審査にパスできる?
実はこの審査が僕にとって唯一の懸念事項だった。
以前から当ブログの読者だった人は既にご存知だと思うが、僕は以前に自己破産を経験しており、それが審査の可否に大きく影響すると思っていたからだ。
しかしながら結論から言うと、自己破産を経験した信用情報に曰く付きの僕でも問題なくOM SYSTEMのレンズ貸し出しサービスを利用することができた。
ただし、審査に臨むに当たり、あらかじめ下記の項目を全てクリアしていたことはしっかりと触れておかねばならない。
- 自己破産の決定から5年以上が経過
- OM SYSTEM MEMBERSのプラチナ会員資格を所有
- 安心パッケージを1年以上途切れずに継続契約
いわゆるブラックリストに信用情報が残る状態は自己破産の決定から約5年間続くので、その間はクレジットカードや車のローンなどと同じようにこういったレンタルサービスも利用できないと思う。
だが、僕の場合は申込み時点で自己破産から8年以上が経過しており、ブラックリストから信用情報が削除されていたため、審査に通ることができたのだろう。
また、OM SYSTEM MEMBERSの「プラチナ会員」の資格を持っていたことも審査に影響したのだろう。
OM SYSTEM MEMBERSの会員プログラムでは、公式オンラインストアでの購入実績に応じてランクが変わり、累計の購入金額が増えるに従ってシルバー・ゴールド・プラチナへとランクアップしていく。
プラチナ会員は最上位ランクに位置しており、ランクアップには累計で15万円以上の製品購入が必要になる。
僕の場合はOM SYSTEMにブランド変更後でも15万円以上、旧オリンパス時代からの合計だと30万円以上の購入実績があり、プラチナ会員の要件をクリアしていたので、これも審査のパスに一役買ったのだと思う。
最後に、これはあまり大きな要素ではないかもしれないが、先述の安心パッケージの契約期間についても触れておきたい。
安心パッケージは一度契約すると最低1年間は解約できないのだが、その間に一度でも支払いが滞ると審査の可否に悪影響を及ぼすと思われる。
僕の場合はレンズ貸し出しサービスの申込み時点で、安心パッケージを丸1年間継続して契約しており、その間に支払いを一度も遅延させたことがなかった。
以上のことが審査の可否に影響し、結果的にサービスの利用に問題ないと判断されたのだろう。
たとえ過去に自己破産などの信用事故を経験していたとしても、これらの条件をクリアさえしていれば、レンズ貸し出しサービスの利用審査をパスできる可能性は十分にあるので、万一あなたが似たような境遇の場合でもどうかあきらめないでほしい。
契約内容の確認
審査に合格すると、OM SYSTEMのカスタマーサポートセンターからパスした旨と契約に関するメールが届く。
希望するレンズ・レンタル料金・到着日時・返送日時などの契約内容を確認し、間違いがあれば記載された期限までに返信しよう。
所定の期日までに返信を行わないと、記載された内容で発送の手配が自動的に進むので、内容に間違いや変更がない場合は返信しなくてもいいだろう。
ちなみに、自分の場合はこのタイミングで、レンタルを希望した超望遠ズームレンズの同梱品から2倍テレコンを除外するようにリクエストを出していた。
配送日時の指定などその他の細かなプラン変更についても快く対応してもらえるため、少しでも心配なことや気になることがある場合は、メールの返信時に確認しておくことをおすすめする。
貸し出しレンズの受け取りと内容物の確認
希望した日時になると、OM SYSTEMの事務局から貸し出しレンズが郵送で到着する。

レンタル料金の支払い
レンタル料金の支払いはレンズの到着時に代引きで対応することになる。
配送業者からレンズを受け取る際に、契約確認メールで事前に通知されていたレンタル料金と送料の合計金額を支払おう。
内容物の確認
受け取りと支払いが完了したら、いよいよ貸し出しレンズとの待望のご対面だ。

僕の場合は超望遠ズームレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISを届けてもらったのだが、その箱の中には下記のものが含まれていた。
- 交換レンズ本体
- 専用アクセサリー一式(三脚座・フード・前後キャップ・保護フィルター)
- 書類(案内書・納品書・レンズ貸出票)
交換レンズ本体はもちろん、アクセサリー類にも全てに識別番号を示すラベルが貼られている。

また、レンズ貸出票は控用と返却用の2部が入っている。

箱を開けたら、まずは内容物に間違いや欠損がないかをしっかり確認し、控用のレンズ貸出票に記載されている項目にチェックマークを入れよう。
万一、欠損品がある場合や、レンズ本体に破損などの問題がある場合は、この段階ですぐにカスタマーサポートセンターに問い合わせて相談するといいだろう。
これを最初に済ませておけば、「一緒に届いたはずなのに〇〇がない!」「まだ使っていないのにレンズが壊れていた!」などのトラブルを事前に防ぎやすくなるので、利用終了後の返送時もスムーズに手続きを進められるようになる。
実際に届いたレンズの状態
さて、僕の元に届いてきた貸し出しレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」は、こんな感じだった。



これまで何人かの手に渡って使い古されてきた個体だと思うので、外装には細かな擦り傷が付いていたほか、フードにも欠けた部分が少し見られた。
中古機材の査定基準では並品(B)〜良品(AB)の間くらいといった状態だと思うが、実際の使用では問題なくしっかり機能してくれた。
レンタル品の場合は美品(A)以上のものだと、少しでも傷が付いてしまうことを過剰に恐れるあまり、使い回しの際に無意識に遠慮してしまうことが多々あると思うので、多少は使い古された外観のものの方が使いやすい。
ここまでくれば、準備は全て完了だ。
あとは、借りたレンズをフィールドに持って行って、存分に撮影を楽しもう!

貸し出しレンズの返却方法
期間内に借りたレンズでの撮影を満喫した後は、最後の手順として返却の手続きに入る。
借りたレンズ一式と返却用のレンズ貸出票を箱に梱包し、契約時に決められた所定の返却予定日までに、OM SYSTEMの事務局宛に返送を完了しよう。
内容物の再確認と梱包
レンズ一式を梱包する際は、到着時と同様、内容物に欠損がないかを確認して貸出表にチェックマークを入れる作業を忘れずに済ませよう。
しっかりとチェックを行っておけば、返却時の検品で「〇〇が帰ってきてない!」といったトラブルを未然に防げる。
内容物に欠品がなく、破損などの問題がないことを確認して貸出票にチェックしたら、到着時の箱に入れ直して梱包を完了しよう。
運送業者の選択と返送手続き
返送に利用する運送業者は自分が使いやすいところを選択できる。
僕の場合は近所にクロネコヤマトの営業所があるので、そちらに発送の手続きを依頼した。
返送先に関しては、レンズと一緒に同梱されていた案内書の下部に記載されている。
僕がこのサービスを利用した時は、返却先に関しては下記の住所が指定されていた。
住所:〒192-0033 東京都八王子市高倉町49-3
電話番号:0570-073-000
返送の手続きで送り状を作成する際の参考にしてほしい。
ただし、今後変更される場合も十分にあるので、手続きの際は念のため指定の返却先を確認しておくことをおすすめしたい。
また、返送時の料金は自分持ち(元払い)になるので、あらかじめ支払いの準備をしておくといいだろう。
ちなみに、僕の場合はM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISを返送する際に、クロネコヤマトで1,121円の送料がかかった。
返送の手続きを終えたら、レンズ貸し出しサービスの利用手順は全て完了になる。
なお、返送品の受け取りが完了しても、特に問題がない限りはOM SYSTEMの事務局から連絡が来ることはない。
1週間ほど待っても何も連絡がない場合は、レンタルに関する契約は全て完了したという認識でいいだろう。
返却予定日の定義
ちなみに、上記で触れた「返却予定日」とは、こちらから返送の手続きを行う期限日を意味する。
つまり、返却予定日までに発送を完了してさえいれば、事務局への到着が遅れてもペナルティにはならないということだ。
僕の場合は金曜日に返送の手続きを行ったのだが、OM SYSTEMの事務局自体が運送業者との取り決めで土日の荷物受け入れを断っていたため、週明けの月曜日に到着していた。
結果的に返却予定日から数日過ぎて到着することになったが、特に問題なく処理してもらえたようだ。
延長・延滞・紛失には注意!
ただし、止むを得ない事情があって返却予定日に返送を完了できない場合は、予定日の前日正午までに事務局に延長の申請を出す必要がある。
これを事前に行っておくとペナルティのない延長扱いになり、1日当たり1,000円の追加料金で最大14泊15日まで期間を延長できる。
しかし、延長の申請を怠るとペナルティのある延滞扱いとなり、1日当たり2,000円+消費税という延滞料金が課されることになる。
また、万一借りたレンズを破損・紛失した場合は弁償となり、販売価格の料金を全額支払う必要が出てくるので、無事に返却を完了するまで取り扱いには十分に注意しよう。
最後まで迷惑をかけることなく気持ちよく使うためにも、レンタルしたレンズは「借り物」だという意識をしっかり持って大事に使わせてもらおう。
総評
今回の記事では、OM SYSTEMが提供するレンズ貸し出しサービスの概要や利用手順について詳しく解説してきた。
必要な項目や手順が体系的に把握できたと思うので、これで心理的なハードルが下がって、サービス気軽に利用できるようになったことだろう。
ぜひレンズ貸し出しサービスを最大限に活用し、気になったレンズを存分に試すことで、あなたの撮影をより充実したものにしてもらえれば嬉しい。
さて次回は、僕がこのレンズ貸し出しサービスで実際に借りて1ヶ月間試用した超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」のレビュー記事をお送りする予定だ。
初めて本格的に臨んだ飛行機撮影や野鳥撮影の作品も併せて公開していくので、乞うご期待いただきたい。
【追記 2025/4/22】今回レンタルしたM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISのレビュー記事を公開した。
【レンズレビュー】OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS!超望遠域での飛行機と野鳥の撮影作品も公開
このレンズや、後継モデルであるM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIの購入を検討している方は、こちらの記事もぜひ参考にしてもらえると嬉しい。